オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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あえて今見る『機動戦士Vガンダム』25話~36話感想

『機動戦士Vガンダム』3クール目の感想です。

24話を見終わってから大分時間が経ってしまいました。

なんか色々と映像コンテンツを消化していかなければいけなかったり、そもそも見る時間がなかったりで、年末年始のお休みを使ってがっと見ました。

 

Vガンは『ザンボット3』『イデオン』に並ぶ「黒富野」だ、とよく言われますが、3クール目から本領発揮といったところ。

本格的にカテジナさんが「クロノクルの女」兼、ザンスカールのパイロットとして動き始め、ネームドキャラとしてガンガン目立つようになってきています。

 

 

 

 

印象に残った回:どんどん追い込まれていく

27話、「宇宙を走る閃光」

「カテジナさん! おかしいですよ!」が出てきましたね

おかしいのはカテジナさんだけじゃなくてみんなです。

 

ウッソくんの目の前でジュンコさんが戦死→ビックキャノン(コロニーレーザー的な)を手動でウッソくんが発射し、ザンスカール艦隊が壊滅する

 

ウッソくんの目の前で、彼の成長に重要なポジションを占めていたジュンコさんの最期、ものすごい表現でしたね

正直あれはビビりました。「え、映像飛んだ?」と思ったぐらいです。

 

29話「新しいスーツV2」

V2ガンダムの初陣。やっぱり強いぞ。

最後、コアファイターを囮にして敵を撃墜したのはいい感じだったと思います。

これが過去との決別を意味するんでしょう。

『ダンバイン』でビルバインに乗り換える時のダンバインの扱いひどかったですから、こういう印象的な描き方になってるのはよいです。

すっぽんぽんのウッソがコアファイターからホワイトアークに乗換えるシーンも「ウッソをハロが出すシャボン玉に入れたらええんや!」で解決するのが好きです。

V2ガンダム初陣だけど、ハロもフランダースも大活躍すぎるよね。2人で救出作戦を完遂するとか、もはや犬とハロの役割を超えている。

 

30話「母のガンダム」

母、ミューラ・ミゲルとの再会する回はいわゆる総集編ですが、ここでヴィクトリーの軌跡を振り替えれるのは割とアリなんじゃないかと思います。

Vガンダムは総集編の入れ方が良く考えられてるなぁと思います。

母に今までのことを語る、という形で総集編を打ち込んでくることは自然ですし、ヴィクトリーガンダムって斜めに倒れながらドッキングしたり、ボトムだけ破壊されたりとほんと苦労しながらもリガミリティアやウッソを支えてくれていたんだなぁと感心します。

 

31話「モトラッド発進」

でオリファーさんが敵艦に特攻して戦死。

その最期もオリファーさんの立ち位置も『1st』リュウ・ホセイとかぶりますね。

28話「大脱走」でマーベットさんと結婚してからしきりに「俺の子を産んでくれ」という台詞が出てきましたが、この生々しさがこの物語の生と死を色濃く感じさせますね。

 

思い出したようにおとぼけ描写を入れてくるんですが、もはや焼石に水なので、そのアンビバレントさがもはやすごいとしか言いようがない。

 

36話「母よ大地にかえれ」

はもうタイトルが直球過ぎてキツかったっすね

クロノクル側も人質になっているウッソの母を助けなきゃ、という気持ちで動いているのに最悪な結果を迎えて終わり

そして名言の「これ・・・母さんです」。

これ、93年の本放送を見ていたキッズたちはどういう気持ちで見ていたんだろうなって素直に思います。

 

 

モビルスーツに関して

ザンスカール帝国の研究者「せや、ドラゴンみたいなモビルアーマー作ったら強いんちゃう? 胴体部分が破損されたらそこだけ分離してまた合体したらいいんよ!」

クロノクル「ドッゴーラが量産されたら地球連邦軍とかイチコロや!」

 

 

こいつらみんなおかしいでしょ。

結局大した火力があるわけでもなく、数で押し切られた撃破されてたのは笑った。

でも、火薬が入っているダミーバルーンを出しまくって、『まんが日本昔話』のOPみたいにした描写は褒めたい。

 

アインラッド装備のMSが意外と理にかなっていたのは自分の中でも驚きでした。

ミノフスキークラフト装備? で単独の大気圏で空中行動できるMSには逆に地上装備が必要だった、ということにしたいです。

カウボーイみたいに拘束具として投げつけたり、ガンダムハンマーみたいに振り回したりと

マーベットさんが「宇宙でタイヤはおかしいやろ!」って言いながらビームライフル打ってましたけど、全面的に同意。

 

V2ガンダムはかっこいいんですけど、劇中での活躍は今のところイマイチかなと思います。

Ζのように変形するわけじゃないし、ΖΖのように特大火力で参る、ってわけでもなく、

全体的にヴィクトリーガンダムよりパワーアップしていることは間違いない、ぐらいで落ち着いてるのはもったいないですね。

この後ゲームでよく見るアサルト・バスター装備で違った動きをしてくれるのでしょうが。

 

 

カテジナさんについて

ガンダム3大悪女にエントリーしているカテジナさんが敵のエースパイロットとしても、ウッソをかどわかすお姉さんとしても火がついてきていい感じのキャラクターになってきましたね。

一人の人間として抑圧されてきたカテジナさんがマリア主義に自分の生き方を見出して、クロノクルを上手に使いながら成り上がっていくわけですが、

カテジナさんを悪女たらしめる原因として、その心理描写がほとんど描かれていないってところだと思うんですよね。

ウッソからすると、急に思想に(クロノクルに)かぶれちゃって理想のお姉さんが破滅した件、ってところしか認知できなくて、それがそのまま視聴者目線になっている。

うまいなぁ、と思います。

ただし、カテジナさんに抱く不気味さを視聴者と違ってウッソがうまく処理しきれていない、これもうまいポイントだと思います。

 

 

視聴者の一人としては、ウッソ君、最後には幸せになって…と願うばかりです。

 

 

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あえて今見る『機動戦士Vガンダム』13~24話感想

『機動戦士Vガンダム』 2クール目の感想です。

シュラク隊がバンバン討ち死にし始め~ウッソ宇宙へ~ザンスカール帝国侵入

まででしょうか。

 

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シュラク隊がフラグを立ててすぐに戦死していくのがすごいっすね。

最初の隊員は相討ち、ぐらいだったのにスペースシャトルの発射台を支えるために身動きができなくなって敵に討たれるのは「わあ~、これVガンダムだぁ~」となりました。

 

ファラ中佐が作戦失敗の責を負って宇宙漂流刑になってしまうのも恐ろしい。

クロノクルのほうが最初は甘ちゃんで失敗続きだったのに、最終的に人間味を見せたファラ中佐のほうが堕ちていく世の無常さが…

 

「カサレリア!」で分かり合えたゴッドワルドさんとの運命も悲しいですね。

最期の対決場面はそれまででウッソが一番苦しんだ(MSのパイロットとしても、人間としても)相手ではなかったでしょうか。

ゴッドワルドさんは現状、ウッソに向き合ってくれた唯一の大人の男性。

オリファーさんはウッソにはよそよそしいし、リガ・ミリティアのおじいさんたちはウッソを育てるという心持がないというか、子どもであるウッソを最前線に立たせなければ自分たちが生き残れないということを知っているので、直視できないのが伝わってきます。

(それは、マーベットさんもそうですけどね)

 

高校生世代のアムロ・カミーユですら、理解のある大人に助けられてなんとかやってこれたわけですから、まだ子どもであるウッソには大人の不在はキツいものあるあるでしょうなぁ。

 

 

 

2期目で最も印象に残ったのは、第17話、「帝国の女王」でしょうか。

17話は総集編なんですが、ただの総集編ではなく、今までの物語をザンスカール側から見た目線で回想していく手法を取り入れていました。

私は総集編はわりと飛ばしがちなんですが、(『ボトムズ』の総集編回とかも見てない)こういう風に解釈の一助になる話は面白いなぁと思います。

 

24話で、多くの人がシャクティが女王マリアの娘だということが分かって、さてさてどうなる25話以降。

Vガンダムも次から後半戦です。wikiもネタバレ踏まないように見ていないんですが、これからどんどん悪くなっていくんだろうなぁ。

 

 

 

あえて今見る『機動戦士Vガンダム』1~12話感想

世間が『水星の魔女』で大騒ぎしている中、30周年ということで我が家ではVガンを見ています。

 

1話から12話、ウッソがヴィクトリーになぜ乗るようになったか、マーベットさん、カテジナさん、ファラ中佐、シュラク隊のお姉さま方との出会いが描かれた1クール目の感想であう。

30年前で、ネタバレもクソもないのでつらつらと書いていきます。

 

 

 

 

・構想段階では2話→3話→4話→1話の順だったようだが、さすがに主人公機が1話から出てこないのはまずいだろ、ということで富野監督も止められたという話が有名ですが、これはこれでよかったのではないか。

1stよりも戦争に巻き込まれた感を出すには、「とにかくこの物語の主人公はウッソで、そして戦争に巻き込まれてるんだ!」というインパクト勝負で、回想で後で地ならしをしていくというのが仕掛けとしてよく利いてると思う。やりすぎると『どうする家康』みたいにめちゃくちゃになりかねないが。

 

・妻はウッソとカテジナさんがどこで知り合ったのか、なぜウッソはカテジナさんに惹かれていたのかを示す描写が少ないのが不満のようだったが、

自分の中では「あのぐらいの年齢になると無条件で年上のお姉さんに惹かれるもんなのよ」で済まされてしまったので見る人によって違うもんなんだよなぁ、と改めて感じた。(あるいは、富野ガンダム的な直観的出会いなンだわ、で言い切れるのかもしれないが)

確かにリメイク版『ドラクエⅤ』でそうしたように、ちょっとだけカテジナさんが本格登場する前に顔出ししておいてもよかったのかな、とも思う。

・よく考えたらオリファーさんも何者なのか説明がなかったような気もする。

 

・ウッソの戦争に巻き込まれていき、現場に順応するスピードは『1st』のアムロと比べると全然早いが、戦争が始まって間もないアムロと、なんとか戦争、なんとか戦役、なんとかの乱と70年近くずっと戦争してきた世界に生まれたウッソでは考え方は違うのは当然だし、(当然、79年から93年までいわゆるリアル系ロボットアニメに慣らされてきた視聴者もだろう)

いい子にしてるウッソと、反発心も認められたいアムロだと悩みも立ち回りも色々と違ってくるもんだな、と感じる。

 

・富野作品は主人公と親との関係性がうまくいってないのがデフォルトだが、両親の生死が不明としているところがニクい。

・ウッソが手に入れた大人の女性(≒母)への憧れを手に入れたとたん、女性が敵側に寝返ったり、元々敵だったり、戦死したりとすぐに失っていくので、これは今後積み重ねられていくトラウマの元だと思う。

その中でもマーベットさんへの気持ちが見えてきそうで見えてこないのがもどかしい。オリファーが出てきてマーベットさんとよろしくやってても無関心であるように見える。

・オリファーさんに叱られたときにウッソが父親を思い出すシーンがあったが、その後オリファーさんを父親に重ねるシーンはないので、ここもどうなっていくか不安90楽しみ10といったところか。

というか、オリファーさんとの関わりが描写されないのは、単純にウッソがオリファーさんに父性を見出さないようにしているからだろう。見出せるほどの時間を父親とウッソはすごしてないのではないか。

 

 

こんな感じかな。スパロボDやってたときにVガンダムの火力が引くすぎてかなり悲しかった記憶あり。

2クール目はアーティジブラルタル防衛戦からスタート。これ、スパロボでしかしらないんですけどいわゆる鬱展開ですよね、これは・・・

 

『ルパン三世VSキャッツ・アイ』感想 安定のルパンSP

ちょっと前にさんざんCMが流れていた、『ルパン三世VSキャッツ・アイ』を今更になってみました。

 

キャッツ・アイについては、OP、しかもサビしかしらないぐらいの認知度ですがそこそこ楽しむことができました。

 

 

 

 

総論:実際にはいつものルパン3世

最近はあんまりやらなくなりましたが、金曜ロードショーでやってたルパン3世SPと雰囲気はおんなじですね。

劇場版『ルパンVSコナン』はかなり出来がよくて劇場に観に行ってよかったなと思うぐらいのコラボでしたが、キャッツ・アイはやってること一緒だからそこまで「おぉ、特別!」って感はないですね。

ストーリーなんかもよくまとまっていると思います。

 

アマゾンレビューで話題になってたことについて

CGは微妙?

登場人物は3DCGですが、ここが作品を気に入る気に入らないの分岐点ってところでしょうかね。

私が見てる分には全然気にならなかったです。

まぁ、伝説のクソCGアニメ、『エクスアーム』に比べれば全然。

 

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え、比べる相手がひどすぎる?笑

(直近でいえば BLUE GIANTもCGだけは…ってところでしたけど、それに比べても全く気にならないかな)

 

声優さん問題

来生泪のオジリナルキャストさんが亡くなったことで別の声優さんが出ていますが、オリジナル見てない自分にとってはこれも問題ないかなといったところ。

3DCGと相まって、原作見てる人でも逆に違和感なく見れたりする…かも?

 

 

 

 

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第5・6話感想

ぼさっとしてたら感想を書くタイミングを逃しまくっていたので、

5話「氷の瞳に映るのは」と

6話「鬱陶しい歌」

いっぺんに感想を書いちゃいます。

 

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この2話で着火後、すぐに燃え上がって一瞬で燃え尽きた強化人間のエラン・ケレスくん

 

強化人間との関わりは『Ζ』以降、ガンダムの物語の中の重要なポジションを占めるポイントですが、

1話で早速オールレンジ攻撃を主人公機が惜しみなく使ってきたように、『水星の魔女』は序盤で一気に使ってきたな、と感心します。

 

この物語上の疾走感は、youtubeを倍速で見る人たちをターゲットにしてるだけあるよなと感心します。

 

『Ζ』の話が出たから引き合いにだしますが、1話では主人公カミーユはΖガンダムはもちろん、ガンダムMk-2ですら乗ってないですもんね。

多分こんなにちんたらやってたら現代であれば1割切り待ったなしでしょうし。

 

 

当初、主人公スレッタを奪い合うんじゃないかなんて思われてたエラン・ケレス君が一瞬で退場してしまったことについては、物語の速度を上げるためにはやむなしだと思うんですが、

でもキャラクターに思い入れが持ちにくいよなという思いがあります。

今後の物語上で「本物」と主人公たちが対峙するってときに

「お前はー! あの時のー!」ってなりにくいのがちともったいないかなと。

(かといって、サブシナリオで保管するってほどでも登場人物たちの関係性が育ってるってわけでもないから困りもの)

 

 

一方で、主人公機、エアリアルとスレッタの関係性にかなりアヤシイ雰囲気が漂ってきたのは期待できます。

スレッタの兄弟姉妹なんじゃないか説、これはかなりゾクゾクしますね。

 

「当事者はいたって真剣な、ごっこ遊びの決闘」

「子どもたちをコマのように扱う大人たちの思惑」

という対立構造を全て包む母の復讐劇がどこまでブラックになるのか…

 

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第4話「みえない地雷」感想

4話は駆け抜けてきた1~3話からすると箸休め回というか、人物とバックグラウンドに重きを置き、また今後の展開への布石話だったので、物語としての動きはあまりなかった回でした。

 

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なので一週間経った今も特に感想として書くことないかも。

 

チュチュ先輩が試験を妨害していた生徒をぶん殴ったシーンで、しきりにカミーユの名前が挙げられてましたが、

ただ殴っただけじゃん…ってところでなんというか、そこまで盛り上がるか? ことかな? と思ったり。

 

Ζ履修済みの自分にとってはこの盛り上がりは好きじゃないけどわかる、ってところですが、水星の魔女から入った人にとってはどうなんでしょうね?

自分だったら「結局ガンダムは古参オタクのモノじゃねえか」って思っちゃうかもしれない。

 

宇宙出身か、地球出身かで露骨に差別されている環境で、所属する寮によってその差が生々しく可視化されていますが、これも上手に活かしてほしい設定ですね。

 

『ハリーポッター』を読んだときに、

グリフィンドール→主役 スリザリン→敵 ハッフルパフ・レイブンクロー→よくわからん

って思ってて、もっと寮の設定をもっと活かせよ、なんていっちょ前に思ってたので、水星の魔女ではうまいことやってほしい。

 


 

 

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第3話「グエルのプライド」感想 僕らにとって戦争は非現実的か

 

家で妻と3話の感想どんなん書こうかね~なんて話をしていたときに、

「親(大人)に抑圧されたのがガンダムらしさではないか」

という話を妻がしました。

 

 

 

ガンダムは親(大人)を乗り越える話なのか

TVシリーズのガンダムがジュブナイル向けの作品であるのは間違いなくて、であるからして大人への反発と承認欲求が物語のキーの一つになることはあったとしても、それは「ガンダム」を構成する一つではない、と個人的に考えます。

 

宇宙世紀シリーズの主人公たちとその親(または大人)の関係は決して良好な関係とは言えないですが、(アムロもカミーユもジュドーも)

それは宇宙世紀シリーズが富野由悠季作品であるからそうなのであって、実際には親が出てきてすぐ死ぬ『イデオン』や親と対立する『ダンバイン』『ブレンパワード』の文脈で語られるべきなのかなと。

 

ガンダムに乗る世代、中学生~高校生ぐらいの青少年たちと親(大人)との関係においては、親に認められたい「承認欲求」との闘いが内面ではあると思います。

それが暴走すると暴走は、まさに『OO』の刹那とサーシェスの関係がそれにあたるのかな。

(余談ですが、いつも放送後にトレンドに上がってくるコーラサワーもすごいよね)

 

『水星の魔女』では認められたい子どもと認めない親の生々しさがよく描かれています。

ミオリネの父も、グエルの父も家族のために自分の子ども承認欲求をうまく利用して、子どもたちを犠牲にしている感はやるせないですね。

スレッタの母で多分仮面の女、プロスペラの正体(すっとぼけ)も、実は子どもを利用して復讐を企てているでしょうからね。

 

概念的なジュブナイル作品としての『ガンダム』と『水星の魔女』の対比

 

すげー大味な捉え方ですが、

抑圧→解放→成長 という作品における人物の成長パターンがあるとします。

1stでいえば、

アムロ急に戦争に巻き込まれる→WBでの生活の中で自分を確立していく→「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない。」

みたいな。

 

2話の感想から引っ張りますが、制作側が危惧している「ガンダムを若者の手に取り戻す」ですが、「戦争」というシカケは良くも悪くも身近に捉えられない題材になってしまったのではないかと感じます。

(今でこそウクライナで戦争がありますが、企画段階ではそんな話は全くなかったでしょう)

戦争という、突如抗えない大きな力に翻弄されていくというシカケを戦争なしで再現しようとした結果、学園もので決闘を主軸に持ってくるってところですかね。

 

学園ものの定番の枠型である、「なんか強大な力を生徒会的なものが持っている」という不自然だなと思いつつみんなが受け入れて楽しんでいるシカケですが、

「その裏では親の権力や生徒の出自が権力の構築に大きくかかわっているのだ!」となるとなるほどな~ と思えます。

(そもそもスペースコロニーとかでっかいロボットとか世の中にはないんだゾ、という虚構(大)の話を受け入れていると、強大な力を持っている生徒会という虚構が小さく見えるので、あんまり不思議に思わないってのもあるかも)

 

グエルのプライド

グエルくん、最初はイキってて嫌な奴だな~って感じでしたけど、頼りにされてないからAIに操縦させられたり、対ビーム用のスプリンクラー作動させられてりしてかわいそうなキャラクターでした。

このジェットコースターなキャラクターから受ける印象、嫌いじゃないです。

 

グエルくんからも求婚されて、「逆ハーレムだ~!」みたいな話になってますが、こういう要素を組み込んでいくのも必要なんでしょうね。

現時点ではこういった要素はどっちでも、な私ですが「硬派なガンダム」が実際はそこまで求められていなかった前例から考えると新機軸をどんどん取り入れていったほうがよいでしょう。

やっぱガンダムはいろんな人のガンダムであってほしいですからね。

 

 

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女」第2話「呪いのモビルスーツ」感想

連休は出かけていたので、2話見るのが3話の放送の今日になってしまいました。

さて、2話の感想。

 

 

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インパクトのあった前日譚・1話に比べると2話はその衝撃波を吸収するような、地固めな内容でした。

 

ガンダムのお決まりのコードである、仮面キャラのプロスペラも今回登場。

ガンダムにおいて仮面をつける理由は色々とありますが、プロスペラのように

「水星の重力でな…義手もやで」

といったまっとうな理由なのは逆に目新しいかも。

 

ツイッターを賑わせた、プロデューサーのこのインタビューでも触れていますが、

akiba-souken.com

 

ガンダムのコードである仮面キャラを出すには、シャアを発端とする「自分自身に仮面をつけて別人を演じる」というのは、

「でも他人からすれば同一人物だってすぐにわかりますよね? それってなんか自己満足の域を出てないんじゃないですか?」というひろゆき的なツッコミからの回避策としては至極当たり前なんじゃないかなぁと思います。

 

(プロスペラの正体は~ というのも早速界隈では議論されていて、そのとおりだとすればやはり仮面をつけている理由についてはシャアたちと同じ理由に帰結するのかもしれませんが、ガンダムシリーズ初見の人たちであっても時間をかけて説明すれば問題はなさそうです。)

 

父親の敷いたレールに反抗しはじめたミリオネですが、

「あんたが決めたルールで戦ってやるって言ってんのよ!」と父親に啖呵を切るシーンがありますが、

これも初見の人を意識しているなと感じていて、

反抗しながらも親の決めたレール上で結果を出すというのは、

「イマドキ」な感じしませんか?

 

 

ミリオネはそうはいっても父性愛を欲してるんや! で済ますこともできるかもしれませんが、

「じゃあ私は地球に行ってうまいことやるんで…」とそのまま脱出していたほうが父親との物理的な、精神的な距離が大きく開くので、彼女の目標の達成具合は大きく出るかな、と思うのですが、(そしてそういうのが今までのジュブナイルものの王道だったとも思います)

そうはせずに、父親との直接対決を選んで0か100かにしようというのが、実利的だなと。

 

 

 

 

あとはあれかな、地球生まれVS宇宙生まれもくすぶってましたね

このあたりもいずれ争いの火種として育ってくることでしょう

 

さて3話。プライドボロボロにされたおぼっちゃまグエルさんがどう出てくるか楽しみです。

 

 

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話「魔女と花嫁」感想

いよいよ始まったガンダム新シリーズ『水星の魔女』第1話の感想です。

そしてまさかの分割2クール

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兵器であるMSとガンダムをどうやって結び付けていくのかなぁということろですが、

「決闘」が全てを解決するんじゃ!という学園ルール持ってきましたか、というところ。

 

前日譚でガンダムは否定されてましたが、今回出てきたエアリアルはどういうポジションになっていくのか。

世の中の中枢回してます、みたいなやつの息子が決闘に敗れたこともリアルタイムで伝わってましたからね。

 

所詮はごっこあそびの決闘でビット使うエアリアルはえげつない笑

前日譚のときに話していたんですが、ビット・ファンネルはシリーズのお決まり(話を作っていく上で)搭載兵器の中でも切り札感ありますから、『水星の魔女』でもそうなるはず(前日譚と1話以降が同じガンダムエアリアルだとしてもオミットされているはず)と思っていたんですが…

 

このあたり、どんな感じで物語を進めていくのか楽しみです。

 

 

「百合ガンダム」は正直どっちでもいいです笑

 

 

 

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』前日譚「PROLOGUE」感想

10月2日から放送開始だと思ってたので、気づいたの放送開始15分前でした。

なんとか録画に成功。

 

さて、期待のガンダム新シリーズの前日譚の感想というかファーストインプレッションを。

 

まず主人公機?のガンダム・ルブリスはわずかな時間ながらもさすがガンダムって感じでかっこよかったですね。

0話からビットを装備したガンダムが出てくるのは気合い入ってるなぁと思いました。

SEEDもOOも、AGEもビット装備のガンダムを出せばいいに決まってる! ってところを我慢して物語の佳境、あるいは敵のMSの装備としてに出してきてたわけですから、狙いに来たな…という感じ。

前日譚だから時間軸的には1話を起点とすると離れてるだろうからいいのか。

 

もちろん味方機…あれは量産機ってことでいいのかな、吸着型ビットも好き。

 

 

 

ツイッター界隈で話題になっていた、「今度の主人公は4歳でMSを撃破!! エグい!!」というのも、

私としては「そうですかね・・・?」といったところ。

 

多分悪役、カテドラルの統括代表、デリング・レンブランの

「人と人が命を奪い合うことこそ、戦争という愚かしい行為における最低限の作法であるべきです」

 

という言葉通りだよね、という皮肉なメッセージでもあるかと。

 

ロウソクみたいできれいだね、という主人公の台詞もなんかそのうち回収されそうでもある。

 

 

 

後、特筆すべきは政策委員会方式じゃなくてバンダイナムコグループで固めてるところっすかね。

ロボットアニメ冬の時代を終わらせてくれる大作になってほしいなと期待するばかりです。

 

 

 

 

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『ガサラキ』全話観た感想 SFの潮流の中のガサラキ

しばらく前ですが、ガサラキを観ました。

レイズナー、ボトムズと見たので、さてお次は、って感じで見たのですが、高橋良輔作品に興味があるぞ!って方でも、ガサラキは正直見るのがしんどいと思います。

結論としては、別に無理して見なくてもいい作品ってところでしょうか。

 

 

 

ロボットアニメ(活躍するとは言ってない)


ガサラギに出てくるロボットは、TA(タクティカルアーマー)で、リアルロボットでありながら万能ではない(戦車や戦闘ヘリに負けるときは負ける)というもので、ここだけきくと、

 

 

 


「わぁ~、現代版ボトムズだ!」って思うんですが、(実際私もそう思って見始めた)
ガサラキはロボットが活躍するシーンが想像以上に少ないです。

わかりにくいたとえをすると、『MADLAX』で1~3話を見て、魅了された人がその後苦しむ構造と同じです。ガンアクションものかと思ったら全くそんなことはなかった(しかし後半にはちゃんと用意されている)ですかね。

 

特に、ニコニコ動画等でTA対横田基地のF22戦闘機が戦うシーンが有名で、ガサラキ本編を見たことがなくても「ロボットアニメ名戦闘シーン」なんてまとめられた動画では見たことあると思います。
体感的には、TAが活躍するのは物語全体の3割程度といったところでしょうか。


本当に惜しいなと思うんですが、TAのデザインはすごいいいんですよね。
ボトムズにあった異世界の兵器っぽさが薄れて、よりリアルロボットであると言えます。前にビックカメラでTAのROBOT魂が売ってたのを見かけたことがありますが、放映から20年以上経っても、商品化できる力はTA自体にはあると思います。


パトレイバー2、エヴァンゲリオン、そしてガサラキ

ガサラキは大きく分けると3パートあって、
中央アジアの某国への軍事介入に主人公属する特務自衛隊が巻き込まれるベギルスタン紛争編、
主人公、豪和ユウシロウとヒロイン、ミハルの”過去”に迫る平安編
自衛隊がクーデターを企てるクーデター編

こんな感じですが、平安編がロボットアニメとしてみるとほぼロボが出てこないので退屈です。
この平安編は、主人公のみならず、巨大コングロマリットでもある豪和家の過去に迫りながら、ユウシロウの隠された謎に迫っていく物語の根幹を担うパートでもありますが、
舞台は平安時代までさかのぼるので、TAのドンパチは一切ありません。
このあたりがエヴァに触発され「ロボットアニメ」での内なるモノを描くパートであるので、物語としては必要であることは確かではあるんですが……

 

 

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エヴァンゲリオンと比較すれば、ガサラキはいたって普通の話の作りです。
そりゃあ主人公は1話から「なんかありそうな」キャラクターではあるものの、所属は自衛隊ですし、TAは量産型です。
エヴァがなぜああまでに内面を描き切れた(そして、視聴者がそれを受け入れた)のかは、旧約聖書をモチーフとした、物語のナゾがいたるところに散らばされていたからであって、ガサラキのように「実はこの因縁は平安時代までさかのぼるんじゃ……」ではちょっと薄いんですよね。
後はこれもwikipediaにも書いてありますが、主人公の影が薄いので、彼その人にあまり興味が持てないってのもありますかね。

 

クーデター編は、アメリカに経済戦争を吹っ掛けたりと時流を反映させていますし、取り扱う題自体は面白いんですが、そこに上手にTAや主人公たち特務自衛隊のメンバーが関われて来られなかったのが残念。
後半に「日本はどうあるべきなのか」というテーマをぶつけてきたのは、『パト2』への返答でもあると思いますし、作品が発表された98~99年、世紀末という時代は振り返るには絶好のタイミングであったことは間違いありません。
『パト2』や富野由悠季の『リーンの翼』のように作品をとおして、現代日本が抱えているねじれにクリエーターとしてどう論じるのかというはもっとやってくれ! ってところですが、それにしてはガサラキはお膳立てが力不足だったかな。

 

 

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じゃあどうすればよかったのか


世界中で頻発する紛争、それに介入する米軍の梅雨払いとしてうまいこと利用される自衛隊。
そして敵対する組織のTAとのバトル。
対米従属からの離脱……
こんな感じですかね。平安編が持っていた物語のシカケは、回想シーン抜きで、シカケを知っている主人公の家族の口を借りて説明させればよかったのでは、と思います。

 

 

 

 

『半妖の夜叉姫』25話(二の章1話)「天生牙を持つということ」感想

 

24話の終わりがとんでもなかったので、予告の時点でドキドキです!

折れた天生牙を握ったとわのセリフ「そうか、私ならこれでも」が、せつなの命に期待を持たせてくれます。

 

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せつなは本当に亡くなったの……?と信じたくない気持ちで二の章が始まるのを待った半年間。

 

・夢の胡蝶はどうなった? 時代樹は?

・りんと是露の縁はどうなるの?

・希林先生と、現代に迫る彗星は大丈夫?

・犬夜叉とかごめは黒真珠から出られるの?

と謎だらけで一章が終わっていますので、せつなの生死以外にも気になることが盛り沢山。

今回も2クールなら、春には犬夜叉とかごめの無事を確認できるのかな……?

 

ということで二の章のはじまり、25話の感想です、

ネタバレですのでご注意を。

 

 

 

 

 

小宇宙からの始まり……!

24話は犬夜叉役の勝平さんとかごめ役のゆきのさんが実況してくださったんですが、

かなり動揺されていたのがここのシーンでした。

何度見ても「?!?!?!」となりますね(笑)

 

さて、本編。

殺生丸様がとわに課したのは、天生牙でせつなの命を救うこと。

天生牙は折れたものの、とわの妖気の刃なら力を使える、というわけです。

一切手を出さないのは剛臆の試しということでしょう。

それでも倒れたとわを抱きとめてくれる優しさを殺生丸様は持ち合わせていました。

大成長……!!!

りんちゃんに絆されて心優しくなられたんですね殺生丸様!!!

言葉は相変わらず少ないですが、目覚めたせつなを導く姿は立派なお父様でした。

 

今回刀々斎が登場したのは、せつなの薙刀を鍛え直すのに加え、麒麟丸を倒すには武器が弱すぎることを指摘するためでした。

妖気の刀で戦ってきたとわでしたが、この感じだと新たな刀を手に入れそうな予感。

もろはも新たな武器に変わりそうですね。

よくよく考えれば、鉄砕牙は犬夜叉のお父さんの牙から作られていたわけで、そういう大妖怪の力を借りた武器でないと強敵は倒せないですよね。

麒麟丸を倒すのが最終的な目的なのは変わらないにしても、その前に武器の調達ミッションがきそうな感じです。

 

そして次回予告。

美しい髪が狙われている、ということで、逆さ髪の由羅ですか?!とドキドキしましたが、画を見る限り絶対違いますね(笑)

次回は犬夜叉に登場したキャラクターは出なさそうな感じですので、三姫の成長が描かれるのでしょうか?

 

今後の展開も少しずつわかってきましたし、来週も楽しみです。

 

 

 

 

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