オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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『機動戦士ガンダム ウェアヴォルフ』1巻 感想 あらゆるジャンルになれるガンダムの懐の広さ

人狼ゲーム×ミステリー×ガンダム

というてんこ盛りの漫画の感想です。 ミステリー×ガンダムまではぎりぎり想像できるけど、そこに人狼ゲームも入れてきたのは普通にすげえな、と思います。

しかも安心の宇宙世紀もの。

 

 

以下、ネタバレなしの感想です。

 

舞台は宇宙戦艦。そこをクローズドサークルにするのにあたってうまいシカケだよなぁと思ったのが、

登場人物がティターンズの特務部隊なので見方からの援軍が期待できず、エゥーゴやアクシズの影響下で漂流している。

という、(ミノフスキー粒子もあるし、やばいやん)てなガノタとしてすんなりいけちゃう設定ですね。

 

まぁ、正直言って、1巻では「クローズドサークル」で事件が起こったんだ!! っていう導入にとどまってますからまだキャラクター同士の関係性もつかみきれないな、というところはあります。名前も難しいし。

 

2巻が3月26日に発売、ということで1,2巻を読んで読者もキャラクター同士の関係性に深く入り込めて行けるのかな。

 

 

肝心のMSは

いわくつきの主役機、ガンダムMk-Ⅳ”ウェアヴォルフ”の活躍は短いながらもかっこいいっす。インコムつえー。『バトオペ2』で何度か使ってますが、作品が進むにつれてウェアヴォルフの活躍も出てくるでしょうから、ぜひ参戦してほしいところではある…

話変わるけど、ガンダムMk-Ⅳのwikipedia書いた人、せめて2巻が発売されてから更新してくれ~ ネタバレやん。

他にも「ペイルライダー2」とか「百式改」がちょい役で出てくるのがオツですね。

ガンダムは漫画がアニメ作品の補完的、MSV的な役割をやってくれていて、おそらく両方ともすでに長く連載されている漫画作品ででてきているんでしょうけども、

自分はあんまり長期連載している作品は読んでないので、こういうところでMSVなMSが出てくると嬉しいです。

 

 

なんでもやれる「ガンダムシリーズ」

今回の『ウェアヴォルフ』のようにミステリ要素を絡めるやつもあれば、『ガンダムピューリッツアー』のようなドキュメンタリー作品もありで、まだまだいろんな作品が作られていきそうです。

とりあえず、今週末の2巻に期待。

 

 

 

 

漫画『魔女のエデン』1・2巻 感想

近所の本屋で「1・2巻同時発売!」と平台で展開されていたのを見て、興味をもって手に取ってみました。

 

 

 

 

秋葉原のCOMIC ZINの店頭ディスプレイにもでっかく掲示されていたので、宣伝も力入ってるなぁという印象。

 

帯のあおり文「フランス発のファンタジー巨編」とあったので、

作者はフランス出身の方なのかな? と思っていたんですが、そうではなくて、著者のゆめじ先生はフランスの出版社にコミケで見染められて、フランスで21年にデビューしているとのこと。

 

ichi-up.net

 

いやいや、海外の出版社から漫画を出しちゃうなんてすごいし、海外の出版社がコミケにスカウトマン(マンじゃないんだろうけどなんて読んだらいいのかわからないので便宜上そう呼びます)を派遣してるっていう事実もまたすごいね。

 

どんな話なのかというと、

植物(アムル)が貴重なものとなった世界で、アムルを力を持つ獣と言葉を交わせる「魔女」のピリーがエデン目指してを旅する……って話です。

 

まだ話としては序盤なので少しずつ世界観が説明されていく感じですが、

「植物が貴重となった中世世界はどのように生活を保っているのか?」という世界設定が気になるところです。

普段ファンタジー系の漫画ってあまり読まないのですが、私たちの世界と比べて何かが「ある」世界は多く見ますが、「ない」世界が描かれるのってあんまりありませんよね。

 

いくつかの描写を見れば、

「アムルを巡って戦争があったのち、一つの帝国に世界は纏められている」

「アムルを人間が育てるのは上手にいかないこともあり、世界全体としてはジリ貧方向」

ということが伺い知れますが、まだまだ今後もいろんな設定がでてきそう。

植物が、獣がいないことでどういった文化がこの世界に花開いているのか、というのが結構気になります。

 

もちろん、ピリーを守るツンデレオオカミのオークとの今後の関係も気になるところ。

ここの2者の関係性の変化という王道の枠組みがあることで、ファンタジーな世界観に没入できてるって感じがします。

 

既にフランス語版では3巻まで出ているようなので、続編が出るのもすぐなのかな?

いや、『ハルタ』での連載ベースだからほかの漫画と同じぐらいでしょうか。

 

まだ2巻まででは巻き込まれ方な立ち振る舞いしかできてないピリーが今後どう成長していくのか……今後が楽しみな作品です。

 

ガノタで特撮ファンの私は『機動戦士ガンダムSEQUEL』をどう読んだらいいのか問題

『ドンブラザーズ』で「やっぱり御大や!」と方々で話題となった、井上敏樹氏が脚本を務める、

『機動戦士ガンダムSEQUEL』は読みましたか?

 

 

あの井上御大とガンダム!? とネットでかなり話題になったので、1巻を買い、2巻を買い、そして12月に3巻を買い…ってところでこのレビューを書くに至ったわけですが、

どうっすかね、この物語とどうやって立ち向かっていけばいいのか測りかねていて…

 

「いまのとこ、面白くないよね?」と思う自分と

「ココで面白くないっていうヤツは”ニワカ”なんだよね…」と逆張りしたい自分が……

 

 

シークエルとガンダムの繋がり

この作品は昨今では珍しい、既存のガンダム作品の物語としての背景を借りない、いわゆる「アナザー作品」です。

と、いいつつも物語の重要なキーワードとして「ニュータイプ」が出てきます。(その背景も基本的には宇宙世紀をイメージしている?)

既存作品でいえば、言葉を借りた『ガンダムX』や、オーストラリア大陸の一部が『1st』と同じように欠けていた『鉄血のオルフェンズ』が近いでしょうか。

 

実際のところ、宇宙世紀の派生作品をというブランドをつけないと、ガンダムの漫画をやり続けるってのは厳しいと思うんですよね。

ガノタなら誰しも脛に傷があると思うのですが、アナザーものに対する「私たち」の目線は常に厳しく、時に腐す言葉を投げかけることも多々ありますし……

 

そんな中、アナザーガンダムをやれるのも、ひとえに「井上敏樹」ブランドなのかもしれません。

 

「シカケ」か「ガンダムである必要なし」か

アマゾンのレビューでも批判的に書かれてますが、

主人公がモビルスーツに乗る描写が1巻にない

1話ではなくて、1巻まるごと。

これをどう捉えるか、それが問題。

 

ガンダムに限らずですが、ロボットアニメならロボットがメインであってその存在が裏付けられる中で、

ガンダムの生みの親である富野由悠季ですら、『Vガンダム』では

「1話から主人公機を出さないなんてとんでもない!」ということでスポンサーとバトルになった結果、当初4話に持ってくるはずだった話を1話に持ってきていて、「今どうしてこんな風になっているかというと…」という手法でそれをクリアしています。

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

このタブーをぶち破った『シークエル』の評価も当然「いや、これガンダムでやる必要ないやん」

っていう評価を受けています。

 

ぶっちゃけた話、3巻まで読んでもモビルスーツほとんど出てこないので、

「この話はガンダムでやる必要ない」という批評はごもっともなんですよね。

連載が22年7月に始まって、およそ一年ぐらいガンダムの看板を掲げてガンダム活躍しないわけですから。

 

しかしながら、長いシリーズ作品(しかも、大勢の人が作家として作品に関わっている)の中でも

「あえて」をシカケるのは当然でもあって。

井上敏樹氏の直近の作品での『ドンブラザーズ』も「5人揃ってゴレンジャー」が基本なのにも関わらず、42話あたりまで全員揃って変身しませんでしたが、

でもファンである私たちは全員揃って変身したり、ヒーローをやる上ではお互いの素性が分かってなくてもよかったり、というのはありますし、

『ゴーカイジャー』のジェットマン回でもロボ戦を冒頭の一瞬で終わらせて”ノルマクリア”したりとか。

 

明確に「俺たちはシカケられているんだ!」とわかるとシリーズ作品のファンとしてそのハラハラ感を楽しんだりしちゃいますからねぇ……

『マクロスΔ』でバトロイド体形に変形しなかった理由が終わりになって「作画の関係」って明かされたときはアレでしたけど。

 

 

とはいいつつも『シークエル』に期待してしまうわけ

まぁ結局これなですよね。

今でも根強いファンがいて、20年経って続編が作られる『仮面ライダー555』(私たちは未視聴なんですが)も、大傑作だった『ドンブラザーズ』も、

追えていたからこそその面白さを享受できるわけじゃないですか。

井上御大とガンダムの化学反応は気にならないわけがないんすよねぇ…

その先行投資だと思って、自分は読み続けるつもりです。

 

「特撮ヒーロー」も「ロボット作品」もそうですが、変身後や巨大ロボットの活躍に意識が集中しがちですけど、実際は変身しなくても/搭乗しなくても、人間に面白さがあれば、それは作品として成功するわけです。

 

余談:物語との付き合い方について

私たちだけじゃない話だと思うんですが、作品のファスト消費はどうにかしなければいけないなぁと思っています。

私は文学部出身なので、学生時代もたっぷり離陸距離をつける作品に何度も立ち向かってきたはずなんですが、

そんな自分でもyoutubeやドラマ・アニメを倍速で見たりしちゃいますからね……

「面白い!」って思えるまでの離陸距離に飽きちゃうようになっている自覚はあります。

以前よりも「鑑賞」に当てる絶対的な時間も少なくなっているのは課題でもあるし…

 

 

 

『はいどう!』1巻 感想 廃道探索を漫画化する狙い is 何

「おっさんの趣味を美少女がやる」モノは異世界転生に次ぐ漫画の一大シリーズですが、

ついに廃道探索を趣味とする人(オブローダー)までも漫画になってしまいました。

 

 

廃道の監修は「山さ行がねが」でおなじみのヨッキれんさん。

このサイトめっちゃ好きで、特に「田代隧道」がお気に入り。あれ、読んでてめっちゃくちゃぞくぞくしました。

 

 

さて、漫画の感想ですが、廃道をめぐる面白さがよく伝わってくる作品だなと思います。

 

廃道(廃線)の何が好きかというと、そこには道を作るだけの理由と熱意があった、ということだと思います。

えいやーで作れる代物ではない、公共のための道路や線路が「不要」となり廃れていく。

時代に必要とされなくなったそれらにエモさを感じるわけですが、

どうしても「廃」が頭につくと廃墟のようにビジュアル的だったり、心霊スポットで…といったようないけないものを見に来ている不謹慎な気持ちを楽しむことが中心で、

廃道廃線のようにそういうものとは無縁なモノはある意味世の中からすれば理解しがたいものなのですが、

 

そこにかわいい女の子を補助線として使うことによって、オブローダーの楽しみがニュートラルな人たちにも理解しやすい(わかってもらえるとは言ってない)のかな。

少なくとも漫画化して単行本として世に出てるわけですから、出版社としてもいけると踏んだわけですし。

 

意外に思ったのは、登場人物が中学生だったということでしょうか。

こういうのって大方ある程度自律的に動くことができる高校生世代に設定されるのかなーなんて思ってたので。

 

 

 

取り上げられている廃道も都内から行きやすいところなので、虫や草木がすごくない冬のうちに一度行ってみるのも楽しいかもしれません。

エメラルド夏の号2023『世界一初恋』感想

本日8/30にエメラルド夏の号が発売されました!

デザインが一新されて、今までは品のあるロゴだったのが、一気に可愛らしくなりましたね。

今回で刊行9周年目ですから、来年の10周年に向けてさらに素敵な雑誌に進化していきそうです……!

 

そして今回、エメラルドのCMを小野寺律が担当しているんですよ!!!

すごい!!!

とても良いので皆さん繰り返し見ましょうね。

律っちゃんが素敵に宣伝していますよ。


www.youtube.com

 

ということで、以下ネタバレ感想です。

コミックス未掲載話数の感想もがっつり含まれますのでご注意を。

 

 

 

律の「好き」はいつから?

永遠の謎が解き明かされたような、すっきりとした気持ちを味わっています。

前回の春の号に掲載された、『小野寺律の場合 no.36』において、織田律の恋の過程が描かれたわけですが、今回は超重要エピソードである恋のはじまりが描かれました。

恋に落ちたのは1巻掲載『NO.2.5』1ページ目です。

ここでは嵯峨先輩が上着を脱いでいるためわかりにくいですが、三年間思い続けたというモノローグから、律が中学一年、嵯峨先輩が中学三年の頃のエピソードだと考えられます。

今回はそれより前、恋の蕾ともいうべき感情が芽生えた瞬間が描写されました。

電車の混み具合に驚いていることから、まだ律が中学に入学したての頃ですね。

朝の通学電車で偶然出会い、そこから少しおいて『NO.2.5』につながるわけです。

どちらも律はブレザーを着ているので、春のうちに恋に落ちたのかなと思われます。

 

春の号の感想で、これまでの嵯峨律情報をまとめたのが役に立ちました……!

超頑張ったので見てみてください。

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通学路について

『小野寺律の場合 no.27』(14巻20ページ)の駅舎カットにて、嵯峨先輩と律の母校の最寄り駅は下高井戸駅ではないかと予想されていますが、今回は二人の電車通学の様子が描写されました。

本編1ページ1・2コマ目、5ページ1・3コマ目のホーム形状より、おそらく京王井の頭線渋谷駅ではないかと思われます。

1ページ目のホームは、天井照明の設置間隔や、天井から吊り下げられている看板(出口表示と非常口マーク?)が酷似しています。

5ページ目はホーム天井の湾曲が特徴的で、円柱形の柱のかたちや、柱に取り付けられたモニター、照明のデザインもよく似ています。

二人の高校が下高井戸駅だったとして、明大前乗り換えでたどり着くことはできるのですが、律の実家が目白だと『木佐翔太の場合 no.9』(15巻117ページ)にて発覚しているわけで、その通学ルートに疑問が残ります。

JR目白駅を利用していた場合、新宿で京王線に乗り換えて下高井戸駅まで行けるからです。

今回、表紙で描かれているホームが何駅なのか特定できなかったので、それがわかればモヤモヤが解消されるのかも?

まあ、乗車と降車で同じ駅が描かれているので、厳密な設定はされていないのかもしれませんが……。

 

雑感

尊すぎて辛いという言葉はこのエピソードのためにあるのでは???と思いました。

前回があと四日で、今回のラストであと三日ですからめちゃくちゃ刻んでるんですけど、それでもこれだけ濃密なお話になるのは本当にすごい……!

お互い好きだとわかっていて、告白をいつするのか……というもどかしい状況なわけですが、そのもどかしさが余計にお話を盛り上げますね。

このまま0日まで続けて読みたいところですが、まだ両片思いのむず痒さを味わいたい気持ちもあり。

悩ましいところです。

今回で二人のプチ同棲期間が終了になったので、残り三日どうなるんでしょう?

楽しみにしつつ、冬の号を待ちます……!

 

 

 

 

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『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』1巻 感想

以前Twitterの 漫画の読めるハッシュタグ だったか、漫画アプリの何かで1話だけ読んだことあった作品を1巻読んでみました。

 

 

 

主人公は親の経営しているカフェで働いている設定。

「甘い」は主人公と佐藤さん2人がスイーツを通じて仲良くなっていくダブルミーニングでもあります。

 

 

甘酸っぱいラブコメではあるんですけど、塩対応なの最初だけなので、もう少し佐藤さんが塩対応している感じを前面に出していったほうがよかったんじゃなかろうか、と思ったり。

 

原作は19年から小説家になろうで発表されてて、23年4月で原作8冊分の漫画6巻。半年に1冊出してるんだから愛されてる作品なんすね。

 

 

 

『ゴルゴ13外伝 Gの遺伝子 少女ファネット』1巻 感想

『Gの遺伝子 少女ファネット』1巻の感想です。

本誌でゴルゴ13は20年以上読んでるのですが、スピンオフ読むのは今回初めて。

スピンオフとはいえ、ゴルゴ13が凄腕スナイパーということ以外何も知らない人でも十分に楽しめます。

 

 

 

本家と違って、少女ファネットの面白さというのは、勧善懲悪ものになってるところでしょうか。

いや、本家自体も基本的に悪いヤツはゴルゴに撃たれて死ぬんですけど、ゴルゴはあくまでも大きい流れの中でめちゃくちゃよく当たる銃弾でしか過ぎないわけです。

「そんな無理難題、ゴルゴにしかできない!」→「やりのけたゴルゴってすごい」

これがゴルゴ13の面白いところなんですが、

「ゴルゴ13の超人的な要素がもっと意思を持っていたら…?」

という、ちょっと考えたことはあるよなというやつ。

ゴルゴであって、ゴルゴでないストーリーってなかなか生み出せないじゃないですか、少なくとも本編では。

ゴルゴ13を完全模倣したアンドロイド兵器が出てきたとしても、しょせんそこに意思ありませんし。

 

そのかゆいところに手の届く作品がこのファネットです。

 

 

ゴルゴ13の「遺伝子的力」が主人公ファネットに超人的な力をもたらすわけなんですが、

巻末のインタビューで故さいとう・たかを先生も言っているように、脚本家さんが生命科学分野で大学院を出られている方ということで、妙に説得力もあります。

 

己にもたらされた力を、貧しい人や友人のために使うっていうミクロな理由にもかかわらず、

さすがゴルゴシリーズ、ネパールやジョージアまでワールドワイドに登場人物が移動します。

このあたりのギャップも面白いっすね。

 

ゴルゴ13シリーズらしい、サクッと読めるいい作品だと思います。

 

 

 

 

エメラルド春の号2023『世界一初恋』感想

4/28にエメラルド春の号が発売されました!

純ロマ刊行20周年&セカコイ刊行15周年という周年記念イヤーなわけですが、今回は春菊先生の『海ニ眠ル花』も開催されるということで、とっても豪華……!

表紙は高律の爽やかなイラストで、春の清々しい感じとマッチしてますね!

二人ともネクタイをストライプ柄で揃えているのとても良い。

 

ということで、以下ネタバレ感想です。

 

 

 

今回は『小野寺律の場合 no.36』でした!

夏の号ぶりの掲載です。

no.35は恋に堕ちるまであと5日でしたので、物語もだいぶ佳境といったところです。

今回は二人の高校時代についても言及されていました。

織田律時代の律の気持ち・行動について描くことで、今の律がどうして高野さんのことを好きなのか・どのくらいの想いを抱いているのかを再確認することができたエピソードだったと思います。

嵯峨律は基本的に一話完結もしくは回想シーンにしか出てこないのですが、0日に向けてこれまで以上に重要度が増してきた気がするので、一度嵯峨律エピソードについてまとめてみようと思います。(コミックス+春エメ掲載分)

 

これまでコミックスで描かれてきたことから

・二人が通っているのは中高一貫校

・中学の制服はブレザー、高校は学ラン

ということは判明しており、それを元に時系列を整理してみました。

 

【告白前】ブレザー着用のため中学生

1巻 no.2.5 本を取ってもらったことがきっかけで恋に落ち、ここから三年片思い

→高校一年で告白しているため、中学一年で一目惚れしたことに

6巻 高野政宗の場合No.1 律が先輩をストーキングしている

→自分が借りたあとにいつも同じ本を借りている織田律という存在を知る。また、同時期に自分を監視している下級生がいることに気づく

【告白前】学ラン着用のため高校入学後(時系列不明)

2巻 no.3 貸し出しカードを漁り、先輩の借りた本を自分も借りる

5巻 no.9 先輩の借りた本を探している

14巻 no.27 通学中に先輩をストーキングしている

春エメ no.36 図書館にて先輩を盗み見し、同じ本を借りて次に借りる本を当て始める

【告白後】

1巻 no.1 律が嵯峨先輩に告白する

1巻 no.2.5 律が嵯峨先輩に告白する

6巻 高野政宗の場合No.1 告白された

15巻 高野政宗の場合 告白された

6巻 高野政宗の場合No.1 告白の翌日から律を家に誘うまで

6巻 高野政宗の場合no.1.5 律を家に誘ってから自宅に着くまで

1巻 no.2.5 はじめて嵯峨先輩の家へ

17巻 no.33.5 はじめて嵯峨先輩の家へ行った直後

2巻 no.4.5 図書館で一緒に勉強

17巻 no.33.5 図書館で勉強した直後の嵯峨先輩宅

1巻 no.1 律、先輩に遊ばれたと勘違いする

【別れた後】

13巻 no.25 イギリス編

15巻 no.29 イギリス編の続き

15巻 高野政宗の場合 嵯峨先輩が大学の頃および律失踪直後

 

ざっとコミックスを確認しただけなので漏れがありそうなのですが、こうしてまとめてみると告白前に織田律がストーキング行為を行ったのがいつ頃で、どうやってエスカレートしていったのかが不明なんですよね。

今回、『図書館で先輩を盗み見し、同じ本を借りて次に借りる本を当て始める』というなかなか強めなエピソードが描かれたわけですが、これは中学時代から先輩の読書遍歴を辿ってきたことで、高校入学時の律は嵯峨先輩の好みを完全に把握していた……ってことなんですよね、きっと。

流石に愛が重すぎる……!

 

とはいえ、この初恋がなせる愛の重さがあったからこそ今の高律があるわけで。

 

ついに恋に堕ちるまであと4日になり、仕事のモチベーションが『高野さんを見返したい』から『高野さんと一緒に仕事をし続けたい』に変わった律っちゃん。

高野さんが早い段階から一緒に仕事をし続ける=正社員登用を見越して仕事を振っていたことを知り、気持ちの変化に拍車がかかったように思えました。

元々律っちゃんは高野さんに認められたい、一緒に隣を歩きたい、という想いが強く、だからこそ仕事を頑張りすぎてしまうところがありました。

正社員登用というかたちで高野さんに後押ししてもらえたのは、仕事的にも恋愛的にも前向きになれる出来事だったのではないかなと。

 

 

もはやいつ告白してもおかしくない雰囲気なので、めちゃくちゃ続きが気になりつつ、けどもっともだもだしているところも見たいな〜などと思ってしまいます。

このままのペースだと、来年の今頃は0日を迎えてそうな予感……どきどきです。

とりあえず、夏の号が早く読みたい!!

 

 

 

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漫画『天幕のジャードゥーガル』1巻 感想

中学生のときに父親が会社の後輩さんからもらってきたゲームの中にPS版「蒼き狼と白き小鹿」がありまして、それ以来モンゴル帝国にはうるさい夫です。

 

トマトスープ先生の『天幕のジャードゥーガル』1巻読んでみました。

 

 

 

 

まさかモンゴル帝国の漫画が「このマンガがすごい!2023」のオンナ編(オンナ編ってなんなんだろ?)1位を取ってるとはつゆ知らずだったのでさっそく読んでみました。

 

これは1位とるだけの漫画だな、って思いました。

 

主人公シタラがトルイの妻ソルコクタニ・ベキに会うシーン、すごくないっすか。

学問を修めてきたシタラにとって、学問は生きるために必要なもので、生活を豊かにしていく、してくれるためのもの。

妃とはいえど初戦は野蛮人…「学問の価値」なんかわかりっこねえんだよ! 的な構え方をしてたと思うんです。

 

しかし実際に会ってみると妃は「学問の価値」をちゃんとわかっていて、それを妃という立場で最大限に利用すべく考えていた…

 

同じ学問を修める女であっても、向いている方向は全然違うことが明示され、

「絶対に屈しない!」と誓うシタラ。

 

この展開アツいっすよね。生きるためには妃に取り入るしかなく、妃に取り入っていれば学問を続けることができるでしょうけども、今まで豊かにしてくれた学問に砂をかけるような付き合い方にとなってもしまうわけで。

その苦悩と現実とのギャップが今後彼女の人生にどう影響していくのか…

 

2月に発売される続刊が楽しみです。

 

『乙嫁語り』とは時代も設定もいろいろと違いますけど、私たちは持っていなかった感性「遊牧民族らしさ」とでもいうんでしょうか、が垣間見えると面白いですね。

漫画『機動戦士ガンダム ラストホライズン』1巻 感想 "ガンダム漫画"の難しさ

『機動戦士ガンダム ラストホライズン』1巻の感想です。

一応、ネタバレあり。

 

 

実は去年ぐらいからガンダムの漫画をいくつか買っては読んでるんですが、この作品については1巻だけでは面白さが伝わってこないなぁ、と感じました。

 

「知恵で難局を乗り切る」系の作品は王道のストーリー展開であるから故に、読んだことないのにどこか既視感を覚えます。

 

ガルマの遺児を巡る戦いを描くのであれば、それについてのストーリー展開が早いに越したことはないと思うんですね。

1巻では「あ、帯のあおり文はそういうことだったのね」で済んじゃってるんで、読者の心をつかみ切れてないのではないかなぁ。

 

ただ、ミネバ・ザビと並んで政治的利用価値があるガルマの遺児について、ぽっと出の設定とキャラでいきなりロケットスタートって訳にいかなくて、登場人物を丁寧に描くには助走をつける話がないといけないってのも十分わかるんですけども。

いつの間にかデカくてヤバい話に巻き込まれている!! って展開にしていくためには、それこそ1話のラストで使ったような「この時はまだ知る由もなかった…」的な文言もいれないといけないでしょうし。

 

後、表紙のガンダムタイプのMSが1巻収録の話では全く活躍しないのも物足りなかった。

これもガンダム好きだからこそのジレンマみたいなのあって、(ガンダムが味方のMSでも敵のMSであっても)いきなりガンダムは出てこないンだワ に囚われちゃう感ありません?

主人公機乗り換えのときの高揚感の副作用というかなんというか。

自分でも作品を書くとするなら絶対に主人公にガンダムは乗せないでしょうけども、いざ丁寧に描くってなるとただ丁寧に描くだけじゃもはや娯楽を消費するスピードについていけねえな、ってのを感じます。

 

「おいおい、いきなりオールレンジ攻撃かよ!!」って『水星の魔女』を見たときは面食らったんですが、つまりそういうことだよなぁと。

有名な話сが、富野由悠季監督が『Vガンダム』ですぐにヴィクトリーを出さないようにしたのも当時でもあれだけ反感を食らったのだから、今じゃ100%アウトでしょうね。

 

ってことで2巻を買うかどうかは今のところ保留です。

ガンダム漫画ってマジで難しいと思いますね。

IPの持主側としては才能ある人たちにガンガン新しい作品、新しいMSを出してもらってほしいというところでしょうが、作品の数に読者・視聴者側が追いきれないってところありそう。

漫画『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』感想

タイトル、79文字もあってすげえな…

 

はい、『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』コミカライズの1~6巻の感想です。

 

 

 

 

こういうパーティ追放系って今まで一度も読んだことなかったので、試しに読んでみました。

 

主人公が題名のとおり手に入れている特別能力を使って強い仲間をゲットしたり、強い呪文を手に入れたりして復讐をしていくわけですが、(まんまタイトルどおりの説明)

6巻まででとりあえず元パーティメンバー8人のうち、2名まで「ざまぁ」が終わり、テンポよく読み進めることができました。

 

異なる9つの種族(エルフ族だったりなんだり)が力を合わせて冒険するパーティで、一番非力な人種(ヒューマン、人間族とでもいうべきか)の主人公は使えないやつだと冒険中にわかったので役立たずはポイーで、されちゃうわけです。

 

主人公が無能だからポイーされてしまうんではなくて、作中世界では人類そのものがほかの種族から格下・被差別対象として存在しているわけです。エルフ族に奴隷にされちゃったり。

主人公が人類だからポイー、されてしまうわけですね。

 

このあたりがうまいなぁと思います。

例えば勇者パーティから追放されるだけだったら、はっきりいって逆恨みで終わるわけじゃないですか。

特殊なスキルが追放される主人公たちにあろうがなかろうが、パーティの中では不要な存在になってしまっているわけですから(例え強制的に離脱させられることになったとしても)

 

この物語の主人公は自身が人類だってことでひどい目にあってて、自分以外の人類もそれが理由でひどい目にあっているんで、単なる逆恨みではなく人類にとっての救世主感もあるんですよね。

 

「自分の実力を認めてくれない周りの連中をぎゃふんと言わせたいよな~俺もな~」という気持ちで漫画を読むときに、自分以外も迫害されているんだ、というノイズがあったほうが変なことを考えずに済むじゃないですか。

勇者(イケメン)、僧侶(かわいい)、魔法使い(美人)、主人公(うだつの上がらないやつ)で追放されると、割と直球に読者の心の傷を攻撃してくるので、あんまり…という感じですけど

竜人、エルフ、獣人、人間 だったらほかの種族がイケメンであろうが美少女であろうが追放されてもフィクションといい距離感ができるからヘンなこと考えずに読めるよね、といったところでしょうか。

 

復讐するにしても、そもそもやり返すこと自体に不慣れな私たち読者でも、

「まぁ、種族で差別するようなやつはひどい目にあってしかるべきなんやな」というバリアを張れるので抵抗感なく読めるかもしれません。

 

「ざまぁ」したい、という気持ちは多かれ少なかれ、誰にでもあると思うので試しに読んでみるのはアリかなと思います。

 

最後になりますけど、漫画の絵についてもちょっとだけ。

レベル9999でカンストするぐらいなんでとにかく物理にしても魔法にしてもド派手さが求められると思うんですが、作画担当の大前貴史先生のナイス描写で迫力は申し分なしです。

個人的には、35話「蜂の巣」で魔弾の攻撃を受けたシャープハットさんが弾が当たるたびに状態異常を食らっていくシーンが好き。

 

漫画『南風原カーリングストーンズ』 完結 感想

3つ前の号だったと思いますが、ビッグコミックで連載されていたなかいま強先生の『南風原カーリングストーンズ』が最終回を迎えました。

 

九州予選の2回戦目で敗北して、そのまま漫画自体も終了。

ちょっと唐突すぎたので、いわゆる打ち切りエンドってやつでしょうか。

地元の悪友(名前が出てこなかった)も本当はカーリングチームに合流するはずだったことでしょうね。

 

最終回では、コーチの二風谷直歩が辰平の幼馴染の喜屋武竜虎を誘って、チームメイトの元引きこもり中学生、上間尚人がクラスメイトを誘ってカーリングを新たに始めようとしてますが、

これは打ち切りにならず、作品が続いていたとしても予定された展開だった気がする。

 

 

「そだねージャパン」が18年の平昌オリンピックでいっきにカーリングを有名にしてから馴染みやすいスポーツになったかなと思ったんですが、

前作のゴルフ漫画、『黄金のラフ〜草太のスタンス〜』が続編も含めて15年近くやってたのと比較すると、ビッグコミックの読者層にはあんまり受けなかったのかな。

 

今、同時にバスケの漫画や野球の漫画も連載されてますが、スポーツやらない自分にとっては面白みが感じられず読み飛ばしまくってるので、カーリングぐらい知られてないものだと丁度よかったんだけどなぁ