連載開始のときからすごく話題になっていた作品だったので気になってはいましたが、中々手が伸びず。今更ながら読んでみました。
まだ一巻なので、ストーリ的に云々みたいな段階ではないため、雑感を書きます。
ネタバレしますのでご注意ください。
りぼんでこれをやるか…!
内容的には、りぼんよりもマーガレットとか中高生向け雑誌のほうがウケそうなのにな、と思いました。登場人物も高校生だし。
それでもりぼんに掲載する意味ってなんだろうと考えたとき、りぼんのメイン読者層である小学生って、近年起きたアイドルへの傷害事件のことを知らない世代なんですよね。(握手会でのアイドル傷害事件は2014年。12歳の子でも7歳の頃に起きた事件)
あの事件を知っている世代からすると、フィクションであるにしてもどうしても生々しく受け取ってしまう部分があるのですが、知らない世代ならフィクションの中の出来事としてある種割り切って読むことができるのかな、と。
主人公が『襲われる』ことはストーリーにおいて重要な出来事ではあるものの、それによる心の動きだとか、スカートを履かないことへの周囲の反応だとか、『女の子』というものの描かれ方とか、そういうことのほうがよっぽど重要なので、事件については「こんなことあったら怖いな」くらいの気持ちで読んでもらったほうがお話の本質的なところを伝えられるのかもしれません。
誰のために『かわいい女の子』をするのか
作中、『かわいい女の子』像として本物のアイドルとクラスのアイドルが出てきます。
どちらもかわいさの象徴としてミニスカートを履いているわけですが、それぞれキャラクターがわかりやすく違っているのがいいですね。
これから物語が展開されていくにつれ、『女の子』ってなんなのか、誰のために『女の子』するのか、といったところも描かれていくかと思うので、ミステリちっくなストーリーのなかでどう表現されていくのか、楽しみです。
スラックスを履いていた女子高生だった
私自身、高校時代はスラックスも履いてました。少し特殊な学校だったので、他校に比べて女子のスラックス着用率は高かったと思います。
普段はスカートでしたが、気分を変えたいときはスラックスでした。学校にいるときは浮かないんですけど、通学中は人の視線を感じました。特に駅の女子トイレに入ったときの視線の痛さは忘れられません。女子高生がスラックスを履いている、ということが世間的には『異質』であることをひしひしと感じたあの頃です。
そんな経験がありますので、髪を短く切ってスラックス履いたくらいじゃ『女の子』から逃げられないよ、と思うのですが、そこはまあフィクションですのでゆるく楽しみます。
ちなみに、スラックス履いても痴漢されてしまう子はいましたよ。主人公に対して「痴漢なんかされない」みたいなセリフが投げられていましたが、現実はそんなことありませんので、念のため。
(担当:妻)