オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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『HUGっと!プリキュア』 全話観た感想 セラムン世代初めてのプリキュア

先週最終回を迎えた『HUGっと!プリキュア』、やっと見終えました。

実はプリキュアシリーズで全話視聴できたのは今回が初めて。

セーラームーン直撃世代なので、「プリキュアよりセーラームーンのほうが面白いから!」とプリキュアそのものに対して積極的に関わろうとしていなかったというのも理由でした。

が、今回は子育てや仕事をテーマに描かれるということで、自分の仕事に重なる部分がありそうだな、と思い視聴することに。

結果、一年視聴し続けることができました。

本当にいい作品なんですよ。大人になったからこそ考えさせられたり、励まされるシーンがたくさんあるんです。

仕事で疲れきったときに観るとガチ泣きします。はなちゃんがいい子なんだ…!「フレフレみんな!フレフレわたし!」ってセリフでもう泣けます。はなちゃん頑張ってる、私も頑張る…!ってなります。

というわけで、下記、ネタバレ感想です。

 

 

 

 

 

なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!!


キャッチコピーをこんなにも体現した最終回ってある?って感じでした。

はなちゃん、輝く未来(はぐみちゃん=はぐたん)を抱きしめましたね。

「なんでもできる!なんでもなれる!」という言葉は、イケてない自分から脱却するためのおまじないのようにも聞こえました。

才能ある仲間に囲まれていたけれど、はなちゃんはホントに『普通の女の子』でした。それが最終回では社長になり、母になった。なりたい自分になるために、頑張った結果です。

はなちゃんはいわば「持たざる人」でした。絵は上手い、けど超上手いわけじゃない。特別秀でた何かがあるわけじゃない。それでもくじけなかったのは、周りの才能ある人たちの努力や悩みを知っていたからでしょう。

みんな、なりたい自分になるために頑張っている。それを知っていたからこそ、大人になったはなちゃんは、自分を励まし、努力した結果、なりたい自分になれたのです。


はなちゃんの次に印象的だったのがアンリ君。彼、スケートリンクに帰ってきましたね。自分自身で滑ることはできないようでしたが、もう一度氷上で表現することができたんだな、と思うとグッときます。

元々「なんでもできる!なんでもなれる!」を体現するかのように才能に満ち溢れていたアンリ君ですが、努力の末フィギュアスケーターとして復活したほまれとは対照的に、二度と競技ができない身体になってしまいました。

動かない足は、努力でどうにかできる問題ではありません。絶望にくれクライアス社の誘惑に負けてしまったこともありましたが、正人君と一緒にリハビリを続けていたアンリ君、2030年にはあんなにステキな笑顔でリンクの上にいるんですよ。

時を止めてしまいたくなるほどの絶望から立ち上がって、「なんでもできる!なんでもなれる!」を再び体現したのです。

アンリ君は本当にすごい。

 


ルールーとえみる~『未来で待っている』彼女とはもう会えない~

 

最終回Aパートでは、はぐたんとはなちゃんのお別れシーンを描くために、ルールーとえみるのお別れはきちんと描かれませんでした。(41話でお別れまでの決意を描いていたから、最終回で過剰に演出する必要がなかったのかもしれませんが)

個人的にはもうちょっとセリフとかあっても良かったのでは、と思いましたが、Bパートを観て考えが変わりました。

41話では丸々1話使ってルールーとえみるがお互いを思う気持ちについて改めて描かれたわけですが、それがBパートでめちゃくちゃ活きてる。

トラウムによって造られた‘幼い’ルールーとえみるが出会うシーン。号泣です。

このルールー、正確にはえみるとともに過ごしたルールーじゃないんですよ。造られたタイミングとか、形態とか変わってますから。なので『名前と見た目はルールーだけど中身は別人』なんです。

ルールーがやってきた未来とえみるが生きる2030年は、クライアス社の介入(過去への干渉)によって別軸の世界になってしまったと思われます(ルールーの製造タイミングが変わっていることから、どこかの地点から分岐したと推測)。そのため、未来で待っているはずのルールーには、えみるはもう会えません。

えみるちゃんもきっとそのあたりのことはわかっていて、それでも『大切な友達』として彼女に会いにいったのではないでしょうか。

だからこそ、えみるのことを知らない、幼いルールーに歌を聴かせたあのシーンがとてもいい。お友達を、またイチから始めるためにえみるが歌い、始めてその歌を聴いたはずのルールーが、一緒に口ずさんで。

彼女の中に、ルールーを見つけた瞬間です。

アンドロイドに魂はありませんから、生まれ変わりとか、そんなものじゃないんですけど、それに近しいようなものを感じてあたたかな驚きがありました。

泣く!

尺としては長くはないんですけど、41話があったからこそこのシーンは格別でした。ルールーとえみるの友情のありかたが、この短いシーンにぎゅっと詰め込まれていて、たまらなく切ない、けれど幸せな時間でした。

 

 

『HUGっと!プリキュア』、語りきれないほど素敵な作品なので、皆さんもぜひ!

 

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