今年25本目の映画です。アマゾンプライムで視聴。
原作は未読。有村架純がかわいいだけの映画やろ!w と思っていましたが、案外そうでもなかったので、2時間めいっぱい楽しめました。
舞台名古屋だって全然知らなかったので、サカエのオアシス21とかおぉ~ってなりました。
以下ネタバレ有りの感想
親の期待を背負う子どもは辛い
私は主人公のかすみよりも弟の龍平、甲子園に行けなかった父親の期待を一身に背負って野球だけで育てられた彼が難儀だなぁと感じ入ってしまいました。
自分の周囲にもまさに龍平みたいな感じに、夢を叶えられなかった父親に幼少期から連れまわされて苦労していた人がいたので、
きっとあの人もこんな風に色々苦労することがあったんだろうな、と。
でも、私たちの友人にもちょろちょろと親になっていく人が増える中で、
私自身にも叶えられなかった夢があって、劇中の父親ほどではないにせよ、
今も完全に鎮火させられていないので
父親のことを完全に責められない自分もまた画面の前にいることに気づいちゃうんですよね
「塾」というシステムについて
教育の理想というのは、
「みんな学校という"同じ"列車に乗って最初は前に進むが、自分の好きな道に進むため早い段階で駅で降りたり、速達列車に乗り換えたってかまわない」と教えること
だと思ってるんですが、
ただこれは理想であって、結局は自分の道に進むんだという自発的な意思とやりきる力がない限りはみんなと同じ列車に乗って、皆が降りるタイミングでよい位置で降りられるか、降りたあとどうするかで勝負するにこしたことはないんですよね。
結局学校では何に起因するかはわかりませんが、「みんなと同じタイミングまで乗り続けられること」が、「乗り続ける意志を示せる人」が優先されてしまうので、
かすみのような生徒には時としてツラい場所になってしまいます。
そういった点では、今回の塾のようなのはある種の社会保障とも言えるかもしれません。
大学時代に塾でアルバイトしていた友人がいましたが、友人の塾もトップを狙うよりは、学ぶ習慣を身に着けにくるものだったと言ってたのを思い出します。
子に期待を背負わす親も辛い
でも、友人にもちょろちょろと親になっていく人が増える中で、
私自身にも叶えられなかった夢があって、劇中の父親ほどではないにせよ、
今も完全に鎮火させられていない自分の存在をこういう創作物を通じて気づかされちゃうんですよ。困ったことに笑
父親のことを完全に責められない自分もまた画面の前にいることに気づいちゃうんですよね
父親が野球グッズをお焚き上げするのが印象的でした。 なかなかああはできないですよ。
野球チームのために自分でマイクロバスまで所有するような「子供の夢を応援する父親」の役を予期せぬ「降りろバカヤロー!」の声で降ろされてしまうんですから。
かすみと父親は物語後半まで仲直り、お互いを認め合えませんでしたが、
ちゃんと最後に母親の言っていた父親の良いところをかすみ本人に見せることによって、家族仲の平穏を暗示させる展開も好きでした。
でも、映画化するほどだったかな? とも思ったりします。
前後編の120分2日連続でテレビ放送してもよかったんではなかろうか…と思ったり。