それこそ20年ぐらい前の雑誌になるんですが、『ジョー&飛雄馬』という、隔週で『あしたのジョー』『巨人の星』だけを掲載する雑誌がありまして、それを読んで以来2作品のファンです。
コミティア131、今日やるんだ~ なんて感じで見てたんですが、
なんとちばてつや教授 マンガの授業なんてのが企画されてるのを知り、
慌てて有楽町線に飛び乗り行ってきました。
講義は2部構成になっており、1部がちば先生の実際の作品を用いて漫画における「間」の大切さ の講義
2部が文星芸術大学の学生さんの作品をちば先生が講評&会場の聴講生から質問を受け付けるという形でした。
2部とも聴講したんですが…
いやぁ、ちばてつや先生ってすごい。改めて思いました。
私は漫画を読みますが、描くことについてはそれこそ小学校の自由帳に書いた4コマ漫画が最後に描いたことぐらいで、全くの専門外なんですが、
漫画の読み方の新しい目線を学ぶことができました。
例として出されたちば先生唯一の?ホラー漫画は16ページの短編でしたが、漫画でも「間」って大切なんだなってしっくりしました。
物語進行には関係ないんですが、
間のあるなしで引き込まれ方が本当に違うな、と。
その間の大切さがさらに身に染みてわかったのが、
2部のちば教授が講評した2人の大学生の作品。
「ここにね、こんな感じで「間」を入れてあげると…」てな感じでちば教授がさらさらっと絵を描いていく(自分にとっては雲の上の人が目の前で描いてることにめちゃくちゃ興奮した)と、
うぉ、作品に厚み出た!
ってなるんですよね。
学生さんの作品もこんな大舞台で超巨匠に講評してもらえるぐらいなので、
ベースがしっかりできていて、そこに絵を一つ足すだけで違ってくるんだぁ~~って。
その後、聴講生の我々からの質問にちば先生が答えてくれたのですが、
ちば先生の回答には「読者がどう漫画を捉えてくれるのか」が大切だ
という哲学が根底に流れていました。
特に印象に残ったのが、
「長期連載をしている中で、当時の流行りに影響されたことはあるか?」という質問に対して、
「戦後15年ぐらい経ち、(60年代)戦記物が流行り、戦争が美化されていた風潮があった。私も『紫電改のタカ』を描いたが、戦争賛美にならない作品にしようと描いた。(その結果、いまいち流行らなかったけど…)」という回答。
私も当然『紫電改のタカ』は中学生のころ読んだんですが、終わり方が悲しいんですよね。(まだ読んでない人読んでください)
それまでは愛機乗り換えだとか、強敵の出現だとか男子大好きイベントがモリモリなんですけど、その終わり方が今までのかっこよさをすべて無へと還すので読後はどんよりするんですよね。
でもそのどんよりこそが、ちば先生が読者に期待するものだったんだろうなぁと感じました。
講義は全部で90分ぐらいありましたがあっという間に終わってしまいました。
創作とは、
自分の気持ちを誰かに伝えるという熱意と、
それを受けた人がどう感じるだろうか想像する思いやり
この二つがあってこそなんだな、と強く思った次第です。
あぁ、参加してよかった。