オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』感想 振り上げた拳の行き先がない

人生初ドラクエテリーのワンダーランド(GB)だけど、本編はドラクエ5SFC)

SFCでやってたときはブオーンが強くて倒せなかったのでそこで終了してる系ドラクエファンです。

公開初日に期待と不安が混じりながら見てきました。以下感想。当然ネタバレあり。


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よかった点

映像がきれい

当初このグラフィックはどうなんだ〜? って話題になってましたが、仮面ライダーと一緒で動けばどうということはない。デフォルメされてるだけあって、表情も豊かです。

この映画の見所は、こっちが気恥ずかしくなるぐらい主人公たちの表情が豊かなところ。照れくさい場面ではこれでもかー! くらえー! ってぐらい照れてるし、悲しいときは悲しい顔してます。いきいきとしてると思う。

バトルシーンも迫力ある。モンスターのやられ方も真っ二つになってウギャアア! ってなるわけではなく、やられたら煙になってドロン 的な感じ。

 

BGM燃える

やっぱりBGM聞くと、ブラウン管の前に座っていたあの頃を思い出しますよね。

でもちょいちょい4の音楽混じってたよね。5でいけよ。余計なことすんなよ。

 

話はわりとすんなりまとまってる

マジでここからネタバレあり。

 

映画は当然短いんで、

幼年期:レヌール城はSFC画面で再現。(ビアンカはいばらのムチのエフェクトなのに主人公がブーメランじゃないとか嘘だろと思った。)

ヘンリーと出会ってすぐ誘拐→パパス「ぬわーっ!」っていう

青年期:奴隷になる(マリアカット)→サラエボ行ってブオーンいきなり倒す⇨ビアンカと結婚、息子生まれる(娘カット)→(グランバニアカット)ゲマに襲撃され、二人とも石にされる

青年期(後半) 息子助けにくる。 マスタードラゴンと一緒にビアンカ助ける。 ゲマ倒す

てな感じ。

カットされた部分に関しては特に不満なしです。なしでも話進むよな、って。天空の勇者関連だったら娘もかかわってこないですしね。

 

 

マスタードラゴンとのくだりで、ドラクエ屈指の名場面である、過去に戻ってオーブを取り替えてくるシーンもちゃんとあります。

ここはすごいよかった。ゲームでは結構簡単に済まされてるように見えてても、きっとこういうやりとりがあったんだろうなって感慨深いものありました。

ビアンカとやっぱり結婚しますっていうシーンも、時間をかけずあっさり終わったものの、それでもよかったと思う。動的な物語にするためには悩む時間とかそんないらないわけで、仕掛けで悩む時間を短縮できているのは筋も通っていてよかった。

 

悪かった点

オチ

いや、なんでこんなオチにしちゃったんだろうね?

 

以下オチ

大魔王復活しちゃうかもと思った? 

あ、すみません、僕はこの世界をめちゃくちゃにしたい人が送り込んできたウイルスです。

はいーこの世界は仮想現実でした〜 ほら見て? ビアンカとか全部データだよ

てか、こんなゲームいつまでもやっててバカじゃないの笑

いい加減「大人になれよ」w

うるせー! ドラクエはみんなの現実(my story)だろうがー!(殴って終了)

みんなが寝てる間に大魔王は倒した! 世界は平和に戻ったんや!!!

おわり

 

 

あああああああああああああああああああああああああああああ

うるせーーー!!!!!!!!!!

あのさぁ、こっちはさぁ、

「えっ?! 昔宿題をやる間も惜しんでプレイして、休み時間や帰りの時間に友達と「昨日は〜〜まで進めてさぁ、ほにゃららが仲間になってサァ^^」のドラゴンクエストが映画に?! よし! 公開初日は金曜日だから仕事終わりに見に行くぞ!!」

ってなんだかんだワクワクしながら見にきてんだよ!

映画も面白くて「はい、仮想現実です〜」が来るまでワクワクして見てたわけですよ!

「私はミルドラースに擬態した、仮想現実にハマるやつらにムカついてる人が作ったウイルスです。データぶっ壊しにきました」とかいう…顔もわからねえぽっと出の悪意になんでそんな説教されなきゃいけねえんだよ!

こういう「ゲームばっかりしてるやつうぜーw」「ゲームも人生の一部だろが!」っていう話にしたいなら、その悪意がたどり着くまでに助走が必要だろ!

憎むまでの過程が! 百歩譲って過程はなくても理由は必要だろ! 急に出てくるんじゃねぇ! その哲学のない悪意! 

ほんととってつけてきたようなオチ? これ考えたやつバカじゃないの?

 

何が一番頭にくるってウイルスくんが製作者から預かった伝言の

「いい加減大人になれよ」って台詞ですよ。

この台詞考えたやつだれ? 考えたやつ、お前二度とこういう作品に携わるなよ!! お前は一生ろうそくチャートだけを録画したものを映像作品としてファイナルカットで垂れ流して見てろ!!

 

(想定される反論)

『こういう強めの言葉を使うことによって、ショックを与えながらも、みなさんの中のドラクエの思い出(your story)を剣に変えて打ち払ってほしい、そんな思いで台詞を用意してみました』

まぁわかるよ。こういうひねったことやらないと、ただゲームなぞっただけで終わっちゃうもんな。わかるわかる。

仮面ライダーの冬映画も「ライダーはテレビの存在だゾ」ってやってたしな。

でもなんつうかなぁ、何度も繰り返しますけど、「理由あっての悪」じゃん。

「理由なき悪」はそのこと自体に震撼することが目的のパニック映画じゃん?

 

作り手のみなさんが大人になってもわ〜いって言いながら1800円握りしめてドラクエの映画を見にきてる僕らを「きんもー☆」って思ってもらっていても一向に構いませんけどね、

それでも我々の中のリアルであったドラクエを「大人になれよ」の一言でぶった切るのはやめてほしい。

いや、ぶった切ってもいいんですけど、再三繰り返しますけど「なぜそういうことをしようと思ったのか?」はこの要素を加えるのであれば絶対必要だったと思うんですわ。

仮に結局は仮想現実オチで済ませるんだったら、

世界救う→お疲れ様です〜終了でぇ〜す→一緒に来てた友達と語り合いながらゲーセンをさって終了

でいいじゃん。(これはつまんねえけど)

あまりに突然今までを否定されて、見てる人間が消化しきれずに、

結局主人公(見てる我々)の「うるせー! 俺たちのドラクエはリアルなんじゃぼけー!」でおわり

ってそんなの全然気持ちはいりません。もっとそのことについて考えさせるか、一切考えさせなくするかどっちかにしてほしかったです。

 

総論 振り上げた拳の行き先がない

ここまでお付き合いしていただいた方、誠にありがとうございます。

読みにくい文章、感情のまま書きなぐったのでめちゃくちゃになっています。申し訳ありません。

 

何より楽しかった部分には自分のドラクエの原体験が重なるので、

「俺(この映画)を叩くとお前の大切なものも壊れるぜ?」という、

カクレンジャーのドロドロよろしくかなり卑怯な戦法を使ってきており、振り上げた拳の行き先がありません。

映画もほんとこの1点、オチ以外は楽しい映画なのでそれを叩くのもなんか違うんだよなって感じでしょうかね…

ドラクエ5小説版の著者ともいきなり揉めちゃってますし、(小学校の夏休みに家の玄関の外に椅子を出して読んでました。面白かったな)どうしてこうなっちゃったんだろう…って悲しい気持ちでしかないです。

ドラゴンクエストあなたの物語なんだ」というメッセージをもう少し素直に届けてほしかったなぁという感じですかね、まとめると。

 

一番は? ってなったシーン

そのウイルス倒すときロトの剣が出てくるところ

映画作ったやつ、ドラクエ5やったことあるか?