本日8月28日にエメラルド夏の号が発売されました。
今回はギリギリまで公式からのアナウンスがなかったんですが、昨日、突然情報公開されましたね!
夏の号は『小野寺律の場合 no.31』ということで、冬の号以来の掲載です。
『no.30』はコミックス15巻には収録されていない話数ですので、バッチリ復習してから挑みました。
エメラルドもあっという間に刊行6周年!おめでとうございます!
ということで、以下ネタバレ感想です。
尚と律
今回は、高野さんと向き合うために尚との関係に決着をつけました。
ストーリーの前半が尚とのお話です。
律が気付いていなかっただけで、高校時代から律に想いを寄せていた尚。けれど嵯峨先輩とのことを知っていたから、決して律を傷つけるような振る舞いをしませんでした。
ナンパをあしらう為にデートという言葉を使って、冗談っぽくデートする関係(=恋人)を「アリ」だと言う。それなのに、大人になって再会するまで恋愛感情を抱いていたことを伝えませんでした。
それは友人としての関係を壊したくない、臆病な気持ちがあったからかもしれませんが、一番の理由は尚の優しさ故なんじゃないかと思いました。
強引に律の部屋で寝泊りし始めたにもかかわらず、荷物はきちんと片付けられていて。
9ページ5コマ目の律のモノローグ「違う 「最初から出て行くつもりで準備をしていた」んだ」
にもあるように、尚はそう遠くないうちに出ていかなければならないことをわかった上で、ほんのひと時でも律と一緒に過ごすことを選んでいたのです。
高野(嵯峨)と付き合うことを「デメリット」と言い、付け入る隙を狙っていた尚ですが、
15ページ1コマ目「やっぱ最初から俺が付け入る隙なんかなかったじゃん」
という尚のセリフから、律が自分に恋愛感情を抱くことはないだろうと、本当のところはわかっていたのだと読み取れます。
無理やりキスしたことは自分勝手な行いですが、尚は基本的に律を傷つけないことを第一に考えていて。
だからこそ厳しいことを言って現実を突きつけるし、驚くほどの気遣いで律のことを見守り続けてきたのでしょう。
尚が登場したとき、律が経験した『横澤と高野の関係』を、今度は高野が経験することになるのだと思いました。
自分の知らない時間を知っている恋敵の登場、というやつです。
律が自分の感情に向き合ってその困難を乗り越えたように、高野もまた、困難を乗り越えて『律を諦めないこと』を選びました。
最初、横澤さんのことがあまり好きではありませんでしたが、ストーリーが進むにつれどんどん好きになっていったように、尚くんのことも大好きになりました。
尚くん、本当にいい人……。
辛かったイギリス時代、こんな素敵な人と友達になれてよかったね、律っちゃん。
感情の変化
好きという感情を認め、それを伝えたいと思えるようになった律。
負けず嫌いな彼が、自分の臆病さを認めて胸の内を打ち明けます。
その言動は織田律だった頃のような初々しさもありつつ、律本来の優しさや思いやりの心が感じられました。
けれど、最後はやっぱりワタワタしてしまって。
好きだと伝えようとしたはずなのに、どうしてだか業務連絡のようになってしまったものの、律の精一杯の気持ちを高野はわかっていてくれました。
そして、律の大きな変化。
高野からの気持ちを素直に受け入れて、自分からも求めました。
受け取った分だけ『好き』のお返しをするみたいに、能動的に動いた律。
あんなに幸せそうな顔の高野さん、初めて見ました。
言葉で直接伝えなくても、律の『好き』十分高野さんに伝わっていて。
二人にとって一番幸せな夜だったんじゃないかなと思います。
0日への期待
結局好きだと言えなかった律っちゃん。
やけになってムードを考えずに告白してしまおうとしますが、高野さんにバレバレで。
あんなに『好き』を欲しがっていた高野さんに止められるくらいですがら、よっぽどです。
ラスト5ページ、高律の良さがギュッと詰まってて大好きです。
カウントがなくなり、ついに『あともう少し』になりました。
負けず嫌いの律ちゃん、まんまと高野さんに煽られて……。
次の掲載は冬号でしょうか。
律っちゃんがどんな素敵シチュエーションを用意するのか、ドキドキしつつ待つことにします。
雑記
今回はここで書けないドキドキに溢れていましたね。
気持ちの変化によって体の反応も変化して行く様子は、本当に流石の描写力でした。
カウントダウンが進んで残りの数字がどんどん少なくなってくるにつれ、高野さんと律っちゃんの関係性や、お互いを想う心のあり方は変化してきたわけですが、ようやくここまで来たなあ、と。
もはやハッピーエンドじゃないかと思うくらいの展開でした。
けれどそれで終わらないのが世界一初恋ですよね。
ラスト5ページが本当に大好きで……!
これぞ高律!って感じです。