今年9作目の映画です。
公開されたのってもう8年も前なんですね。『序』も『破』も劇場に観に行きましたが、今作に関しては結局行かずじまいでした。
当時観に行った弟にどうだった? って尋ねたところ
「よくわかんなかった」 と返ってきたので
じゃあ観に行かなくてもいいかぁ と思って終わり。
さて、感想、そして考察。
ネタバレ有り。
序・破の役割
今私たちと同世代の20代後半~30代前半の人たちは
「新世紀エヴァンゲリオンがすごいアニメだと知っている」が「どうすごいのか」については知らない、という世代だったと思います。
『エヴァ』はTV版しか存在しない、もはや古典だったのです。
(この点はガンダムシリーズやマクロスシリーズと大きく異なると思います。私たちの世代は『SEED』や『OO』、『F』を私たちの「ガンダム」・「マクロス」として捉えることができたのです。)
07年『序』・09年『破』を当時高校生や大学生でという立場で見た私たちにとっては、
「ついにエヴァンゲリオンが私たちのアニメになったのだ」
と、熱狂と興奮をもってそれを迎えました。
特に旧シリーズに登場しなかった「真希波・マリ・イラストリアス」と「エヴァンゲリオン5号機」の存在はそれを裏付けるものだったと思います。
Q:そしてエヴァンゲリオンが牙をむいた
『Q』は私の弟だけが「よくわかんなかった」と言ったわけではなく、公開当初から今に至るまで「賛否両論」
特に「否」のほうが大きかったと思います。なんJの有名なコピペなんかでも揶揄されています。
確かに、今回見て『Q』難しいわ…と思いました。
そりゃあそうです。『破』までのシナリオはTV版19話(ゼルエル戦)までをなぞっていたにすぎず、19話はTV版のターニングポイントであり、
以降、もちろん25・26話を含めて「・・・?」となった人も多いのではないでしょうか。
Qを見て我々を襲う「・・・?」
しかし、この「・・・?」こそが、当時のオタクが楽しんだ(と伺っている)エヴァンゲリオンの醍醐味であったはず
なのではないでしょうか。
文化として大衆化したエヴァンゲリオンとその本質
『序』『破』の人気っぷりは社会現象になり、エヴァンゲリオンは大衆による消費が顕著になりました。
エヴァンゲリオン芸人が現れたり、なんちゃらコラボがあったりと。
しかし、エヴァンゲリオンとは、いわばアニ研の部室で持論を語り合うようなものであったはずです。
放送終了後の世代の私たちですら「TV版の最終回」は意味不明、という薄らぼんやりとした認識を共有していたわけですから。
我々に許されたのは「残酷な天使のテーゼ」をカラオケで歌うまでだったはず・・・!
そんな古のオタクの疎外感が、『Q』のショックを起こしたのではないでしょうか。
我々の望んでしまったエヴァンゲリオンとはなにか
残念ながらQは多くのエヴァファンにとっては、望んでいた形とは違う作品だったことでしょう。
では、ファンが望んだエヴァンゲリオンとはなんだったのか?
そりゃあもちろん、
皆さんも当然見たと思いますが、『新幹線変形ロボ シンカリオン』第31話、「エヴァ回」のような
スーパーロボットとしてのエヴァンゲリオン
でしょう。
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「残酷な天使のテーゼ」がバックで流れて、
「汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン初号機 EVA-01」がプログレッシブナイフやポジトロンライフルで戦う、スパロボ的な展開です。
いえ、そもそも私たちオタクはTV版放送後割と早い段階から
ブライトさんに殴られるシンジ君や、量産型に囲まれる2号機を助けに来る兜甲児やアムロ・レイを望んでいたわけです。
また、エヴァンゲリオンも『序』・『破』や、『劇場版シンカリオン』における「ロボットアニメの先輩としての碇シンジ」を通してそれに応えてきたわけです。
しかし、繰り返しますが、オタクが本当に求めていたエヴァンゲリオンの形というのは、「TV版25・26話」であったはずなのです。
『Q』はその路線に戻ったにすぎないと思えば、
エヴァンゲリオンはこのぐらいがちょうどいい、とイキれるはず。
最後に映画の感想
・序盤の宇宙空間での戦闘、そして「Wille」と巨大戦艦「ヴンダー」起動シーンでの『シン・ゴジラ』的なあのやり取り的なシーンは映えるので盛り上がった。
(とはいえ、急にああいうことが起こったので置いてかれた感ありありでしたけどね)
・というか、14年も時が流れてた。さすがにびっくりした。
上記のジェットコースター的な展開から、難解な印象を受けるけれど、全編を通して話は繋がっているので、いうほど難しくはなかったと思います。
・覚醒した13号機が食べたリンゴの正体は・・・のはず。
ここまでばーっと書いて、すげえ尻切れトンボなんですが、『Q』の話はここでおしまい。
いつ次回作が公開になるかわかりませんが、
『マジンガーZ』でも『ガンダム』でも『マクロス』でもない、『エヴァンゲリオン』としての幕引きを望むばかりです。