『機動戦士ガンダム ラストホライズン』1巻の感想です。
一応、ネタバレあり。
実は去年ぐらいからガンダムの漫画をいくつか買っては読んでるんですが、この作品については1巻だけでは面白さが伝わってこないなぁ、と感じました。
「知恵で難局を乗り切る」系の作品は王道のストーリー展開であるから故に、読んだことないのにどこか既視感を覚えます。
ガルマの遺児を巡る戦いを描くのであれば、それについてのストーリー展開が早いに越したことはないと思うんですね。
1巻では「あ、帯のあおり文はそういうことだったのね」で済んじゃってるんで、読者の心をつかみ切れてないのではないかなぁ。
ただ、ミネバ・ザビと並んで政治的利用価値があるガルマの遺児について、ぽっと出の設定とキャラでいきなりロケットスタートって訳にいかなくて、登場人物を丁寧に描くには助走をつける話がないといけないってのも十分わかるんですけども。
いつの間にかデカくてヤバい話に巻き込まれている!! って展開にしていくためには、それこそ1話のラストで使ったような「この時はまだ知る由もなかった…」的な文言もいれないといけないでしょうし。
後、表紙のガンダムタイプのMSが1巻収録の話では全く活躍しないのも物足りなかった。
これもガンダム好きだからこそのジレンマみたいなのあって、(ガンダムが味方のMSでも敵のMSであっても)いきなりガンダムは出てこないンだワ に囚われちゃう感ありません?
主人公機乗り換えのときの高揚感の副作用というかなんというか。
自分でも作品を書くとするなら絶対に主人公にガンダムは乗せないでしょうけども、いざ丁寧に描くってなるとただ丁寧に描くだけじゃもはや娯楽を消費するスピードについていけねえな、ってのを感じます。
「おいおい、いきなりオールレンジ攻撃かよ!!」って『水星の魔女』を見たときは面食らったんですが、つまりそういうことだよなぁと。
有名な話сが、富野由悠季監督が『Vガンダム』ですぐにヴィクトリーを出さないようにしたのも当時でもあれだけ反感を食らったのだから、今じゃ100%アウトでしょうね。
ってことで2巻を買うかどうかは今のところ保留です。
ガンダム漫画ってマジで難しいと思いますね。
IPの持主側としては才能ある人たちにガンガン新しい作品、新しいMSを出してもらってほしいというところでしょうが、作品の数に読者・視聴者側が追いきれないってところありそう。