ちょっと前になると思いますが、JUNKのCMで流れていたので、読んでみようかな~ ってずっと思っていて今になりました。
常に斜に構えているオタクの端くれとして、異世界物を読むことにどうしても抵抗があるというのは正直に申し上げておきたいと思います。
でも、『本好きの下克上』もそうなんですが、読むと面白いんだよなぁ…
ネタばれありだけど大ヒットシリーズだから問題ないよね? の精神
なんだかんだ医術ものは面白い
『薬屋のひとりごと』の1行あらすじとしては、
突然後宮に入った主人公が、自慢の知識で問題を解決していく
って話ですが、
やっぱろ医術ものって面白いですよね。安定した面白さがあります。
私、あまり医療もののケガしてるシーンとか手術シーンとか得意でないんです。
『JIN』なんかも実際の手術シーンは光速で読み進めてたりします笑
だから、医術もの やれ手術だなんだと言わなくても体が治る方向に持っていくのが好きです。
『信長のシェフ』なんかも、薬膳を出して諸大名の悩みを解決してますから、ジャンルは違えど、似ているかも。
どちらかを読んだことない人はハマると思うので、ぜひ読んでもらいたい。
古代の化粧品に有毒な白粉があるってのは、わりかし有名な話かもしれませんが、それでも面白いものは面白い。
主人公の猫猫(マオマオ)は今ドキ
なんだかんだ、主人公猫猫もヤレヤレ系だから好き。
ワイは出世したくないんじゃ~ のんびりやらせてくれ~~
とかはヤレヤレ系? それともいわゆる「なろう系」?
そばかすが大人びた女の子のキャラ演出にぴったりですよね。そばかすを考えた人は偉大。
キャラデザインや性格がちゃんと大人びて描かれているので、ヤレヤレ系でもあまり気になりません。
そうそう、物語の中でちょいちょい見せる「ナメクジを見るような目」がクセになります。
作画の倉田三ノ路先生には感謝。
病人を気遣うたった一つのさえたやり方
1巻最終話、換気も食事にも気を遣えない女官にブチギレの猫猫。
常識を常識と描かないことで成功する「異世界もの」の醍醐味です。
異世界異世界、というものの、私たちの住むこの世界だっておそらくこの物語の時代設定と同じぐらいのときはこんなもんだったわけですから、人の叡智が作り出していく「常識」というものは偉大だなと思います。
今、新型コロナで三密を避けるのは(満員電車以外では)もはや常識となりつつあり、そして「病気から人を守る」方法として、今後もどんどんと日常に溶け込んでいくと思われます。
私たちが『薬屋のひとりごと』で「換気ぐらいしろw」「病人に油たっぷりのお肉はキツいっす」って思うように、
多分一世紀後ぐらいの私たちも
「うわぁ、当時ってこんなにも無神経だったんだね…(呆れ)そりゃあ人も大勢罹患するわ」
って思われることでしょう。
確かにこの物語は異世界ではあるものの、魔法だドラゴンだなんだのいない私たちの世界をベースに作られていますから、
そういった発見もできるなかなか興味深い作品だなぁ、と思った次第です。
ガンガン