僕は鉄道オタクなんで、三陸の自治体が鉄路での復旧を諦め、BRTを受け入れたことについては「えー、鉄道の文化が〜」と言った極めて都市部の鉄道オタク的な考えをしていた。
そう、乗るまでは。
昨年の9月に北上〜遠野〜釜石〜大船渡〜陸前高田〜気仙沼と回ってきて、初めてBRTに乗った。
盛駅では鉄道の駅に、本来なら鉄道車両が並ぶプラットホームにバスがでーんと停まっていて不思議な感覚だった。
あー、ほんとに線路ないんだなぁ〜と思わせるような、さみしい感じがした。
大船渡駅(バス停)の目の前にあるホテルに泊まった。
ホテルに泊まって驚いたのは、旅の途中のどこかで手に入れたBRTの時刻表通りに、バスが走っていく音がすることだ。
窓の外をのぞいてみると、確かにバスがそこを走っていた。
(ホテルから駅と専用道路を見下ろす。バスの写真はなかった笑)
僕の住む街を走るバスは、当然だがバスは時間通りに来ない。もちろん時間通りに来なくてもなんとかなるような本数ではあるのだが、時間通りに来ないということは誰もがわかっているように予定に組み込みづらいので、僕は駅へいくときは滅多にバスは使わない。
街中で感じるバスの弱点をBRTなら気にせず、地元の人以外でも使いやすい公共交通機関としての役割を果たしているのには大変驚いた。
二日目、気仙沼からは前谷地を抜け、仙台へ移動しようとし、14時ぐらいに気仙沼を出るBRTに乗った。気仙沼〜柳津は70kmぐらいある。東京駅からだと高尾・相模湖の先ぐらいだ。
石巻線はとにかく本数が少ないので、少しの遅れがその後の計画を全てパーにしてしまう。
一日目の大船渡線BRTは距離も短かったけど、実際気仙沼線は…と思っていた。
でもそれも杞憂で終わった。結果的には1.2分の遅れで70kmを走破したのだ。
これには、線路跡を使った専用道路の影響の大きさを強く感じた。
一般車両との共有道路で多少渋滞や信号に引っかかっても、専用道路で簡単に巻き返せる。(そもそも混むところなんてのはないのだが)
明らかに線路が通っていたと思われる場所をバスが走っていくのはなんとも言えない寂しさは正直あったが、公共交通機関としてのBRTの凄さは実際に乗ってみないとわからないと思う。
どこかで誰かがまとめてくれると思うのでここでは割愛するが、
BRTになった後のほうが本数も2〜3倍に増え、地元の人の足としての役割はもちろんのこと、我々旅行者としても次が30〜45分後に来るならここで途中下車して散策してみようかな、という気にさせてくれるはずだ。
(欲だけを言えば、気仙沼〜柳津間を通しで結ぶ本数は少ないので、そこはもうちょっとなんとかしてほしかった笑 本当は南三陸町にも寄ってみたかった)
私が旅行客として街を訪れるとき、何が一番楽しみかといえば、名所旧跡めぐりはもちろんのこと、やはりその土地に住んでいる人たちが活気よく生活しているかどうかだ。
多くの人が行き交い、集まるところが好きだ。
BRTによって交通の便がよくなるのなら、人が集まりやすくなるのであればBRT転換もアリだなと思った二日間だった。
山田線の海線がこの3月に復旧し、三陸鉄道に移管される。
当然乗り鉄なら全線乗車を狙うはずだ。
そのときはもちろん、気仙沼をスタートかゴールにして、大船渡線BRTに乗るはずである。
ぜひ、ちょっと抵抗がある人こそ乗ってほしいと思う。その合理性に気持ち良さすら感じるはずだ。
(もちろん、鉄道オタクとしては快速南三陸に乗ってみたかったなぁ、という気持ちはあるよ!)