土佐くろしお鉄道中村線・宿毛線、通称四万十くろしおライン。
土讃線の窪川駅から終点の宿毛駅まで約70km、往復すると140km
窪川~中村まで特急を利用しても行って帰ってくるだけで2時間はかかる。
乗りつぶしを趣味とする乗り鉄にとってはなかなかキツい旅路である。
(中村線は途中海岸に迫るので車窓も楽しめるが、宿毛線になると長大トンネルもあったりして、あんまりおもしろくない)
宇和島バスで宇和島に抜ければよいものを、当然予土線とセットに乗りつぶしを狙うだろうから、往復は避けられない(性)だと思うので、
宿毛線に乗ることを以下に自分の中で肯定できるかを主題にしてブログを書きあげたいと思う。
宿毛市は徒歩120分でも見どころがある!
まずこれだけでも先に言っておきたいと思う! 宿毛市は面白い!
Googleで宿毛 観光 と調べると、市観光協会のHPが出てくるが、スマホからアクセスしてもトップページには釣果の情報しか出ていないように見える。
また、駅でレンタサイクルは借りられるが、要事前予約だったし、シェアサイクルもやってるっぽいが、現地では全然わからなかった笑
宿毛駅で降りて、東宿毛駅から乗って帰る
なので、実際に宿毛駅構内にある観光協会の方が薦めてくれたこのルートを推したいと思う。
(宿毛駅発の特急は東宿毛駅には止まらないが、その特急に乗れる時間帯は観光とは無縁の早朝か日没後なので、今回は考慮しない)
宿毛市街の構造が、そもそも東宿毛駅の位置に宿毛駅が来るはずだった、ってぐらいなので、宿毛駅周辺は観光地としての見どころは何にもない。
(とはいうものの、国道56号線が川と街のぎりぎりを攻めているので、東宿毛駅付近に宿毛市の顔となる駅を造るのは非常に難しかったのではないだろうか。国道56号を一度またぐと二度跨がなくてはならなくなるので)
東宿毛駅~宿毛城址のあたりが城下町だったので、市役所や郵便局、小中学校など、街としての機能が備わっているのだ。
後述するが、城下町だったので道が面白い。
駅を出て、高架をくぐり、ひたすらまっすぐ歩く。
写真で何の気なしにとった宿毛市コミュニティバスのはなちゃんバスも時間帯によっては駅~市街地を結んでいる市内循環線がまぁまぁな本数走っているので使うのも一つの手かもしれない。
ちなみに土休日運休
バスの話題が出たのでこちらにも触れておくが、宿毛駅~(宿毛市中心地)~中村駅 を高知南西交通バスが結んでいるので、
「片道乗れればそれでいいんだ」勢の乗り鉄はこっちを使うのもありかもしれない。
電車の合間に出ているので、実用性はあるかも。
途中ドラッグストアコスモスや、コーナンホームストック(小さい商圏用のミニ店舗だ。コメリでいうH&Gみたいな)があったりする。
国道56線を越えると、旅の者には見慣れないスーパーのサニーマートが2件連続で見える。
SUNNYMART[サニーマート]高知のご当地スーパーマーケット・サニーマート
どちらもFC店舗のようだけど、名前に「くりはら」がついているのが面白い。
隣接するホームセンターダイキもくりはら がついてるところを見ると、同じところがやっているようだ。
県道4号を抜けると、いよいよ人家が増えてくる。この県道4号から内側が宿毛の街の元の姿と考えられる。県道4号がいつ開通したかは調べてもでてこなかった。
T字路を右に曲がると、右手に見えてくるのが宿毛市歴史館だ。
うーん、この写真、へたくそすぎる。
東北にいくとよく見かける、公民館と市役所となんだかんだが一緒になった文教施設があるが、あれのハシりな感じ。
3階が歴史館になっている。入館料200円。
龍馬パスポートのスタンプ押してもらえるのでもらい忘れないようにしよう!
正直に行って、この歴史館自体は宿毛市の街の歴史(縄文時代から明治ぐらいまで)をずら~っと取り上げている常設展があって、企画展が他にちょろっとなだけで、
何かこう、うお!! すげえ~~~! 的な感動はない。
でも、宿毛市の歴史を少しでも知っている市外の人がどれだけいるだろうか? という話で、ほとんど知らないことばかりだったので興味深い内容だった。
自由民権運動のメッカとしての宿毛市の顔なんて、ここに来なければ一生知ることなく終わったかもしれない。
また、資料室中央に江戸時代の宿毛の城下が再現されていて、少し上がったところから俯瞰的に街を見下ろせるスペースがある。
ボタンを押すと、解説が流れて、今ここの話をしてますよ~とミニチュアの街並みにスポットライトが当たる… という感じなのだが、
城下町「宿毛」が令和の今日においても形をしっかり残しているのがすんごいエモい。
例えば、城下の暮らしの利便性を上げるため、近くを流れている松田川から引き込まれた水路は今も残っているし
道の大きさを変えることによって、守りやすくしている構造も見受けられる。
(特にこの写真の場所が歴史館のミニチュア宿毛城下町でもそのまんまで、すごい感動した)
江戸時代から歴史として脈々と受け継がれているんだよ~
すげえよ宿毛市。 ここ、もう少し推していったほうがいいと思うんだよなぁ。
林邸という古民家&カフェで休憩する
長くても30分あれば十分見て回れるので、お次は休憩としゃれこもう。実際宿毛駅からここまで2kmぐらいあるので、まあまあつかれているはず。
歴史館のすぐ隣に、林邸という建物がある。
林邸は農商務大臣や逓信大臣を歴任し、宿毛の偉人21人にも名前を連ねる、林有造氏が明治22年に建築した邸宅であり、当時は幡多地域における自由民権運動の本拠地として重要な役割を担っていました。
また、林 有造氏、譲治氏、迶氏と近代日本初となる3代にわたって大臣を輩出した政治家の家であり、本市を代表する歴史的建造物です。林邸は長年、林家の方々が大切に守ってこられましたが、この貴重な資産をご寄附いただける運びとなり、歴史的価値を尊重しながらも最新の建築技術を駆使して改修し、新たな歴史観光施設として、また市民の交流拠点施設として平成30年4月21日より供用開始いたしました。
宿毛市の新しい交流拠点施設としてお気軽にご利用ください。
無料で入れる古民家なんですが、自由民権運動に妨害が入ったときにすぐに逃げられるように床の間から下に飛び降りられるようになってた。
書生さんの部屋が見張り部屋の役割もするようになっていたりして面白い。
坂本龍馬といい、高知出身の偉人はいつも命を狙われているから大変だ笑
他にも
こんなかわいいちゃめっけもあふれる林邸なので、結構気に入った。
お部屋も事前に予約すれば1時間数百円で貸してくれるらしい。
ここで昼寝できたら最高じゃないですか?笑
んで、林邸の中にはカフェがあるんですけど、このカフェの雰囲気がいいんですよね~
今回はここでアイスコーヒーをいただきました。ほかにもサンドイッチなどの軽食や、近くのケーキ屋さんのお菓子が売っているオシャレさもありながら、
ちゃんと高知新聞も読めるように置いてあるところが個人的に好き。
特筆すべき点はなんとこの林邸、
ワンコインシャワー室完備!!!
使いませんでしたが、施設自体ができたばかりなのできれいでしたよ。
宿毛市はサイクリストにも優しい街を目指しているみたい。
ここで時間調整して、東宿毛駅を目指しましょう。
もちろん、街中を散策しながらね。
城下町が道としてしっかり残っているので普通に歩くだけで楽しいです。
東宿毛駅周辺を散策する
wikipediaにも載っているが、この駅には早稲田・梓駅という愛称がついている。
早稲田大学の前身の設立である東京専門学校の設立に尽力された小野梓氏の功績を称えるため~ とのこと。
駅周辺には何もない。ついたら最後、待合室で待つのみである。
しいていうなら平田川の雄大な流れ。これだけは見ておきたい。
駅から歩いて2~3分ぐらい。
行こう宿毛市
人口2万人の小さな街かもしれないけれど、宿毛市には立派な歴史があった。
乗った電車にすぐに乗り返すのではなく、せっかくだから歩いてみよう。
もう一時間あれば、宿毛城も見に行けたのにな~ というのが少し心残り。
最後は東宿毛駅入口にあった謎の絵でこのブログを終わりにします。
改めて思ったんだけどなんだこれ