妻が飲み会に行ってる間に机の上に置かれていたのを見つけて、勝手に読みました笑
なんで急に置いてあったんだろうと思ったら、続編の新刊が出てたんですね。
実はこの『海辺のエトランゼ』、題名のとおり私にとって初めて読み切ったBL作品です。
オビ文の
心が、洗われるようなボーイズラブ
わかる。
boy側が読んでも面白い作品だと思います。
さてせっかく通しで読んだので感想。
ネタバレあり??以下、作品の内容に言及した内容です。
南国という舞台
主人公の駿って北国出身じゃないですか。この「北国出身」ってのがいい味だしてるなと思って。
というのも、なんとなく北国って保守的・厳格なイメージがあって、駿は自らを偽らずに生きていくには向いてない土地だよね、と私たち読み手は想像できます。
北国の反対は南国。(今作の舞台でもある沖縄)
これがまた、南国は色々とゆるやかだというイメージありますしね。
南国に同性愛カップルが男女それぞれ1組ずついても、
「そりゃそのぐらいいるでしょ」 という気持ちにさせてくれます。
(別に北国にだって同性愛のカップルが2組いるでしょうけれど、「北国」という舞台設定が、同性愛者の前向きな恋愛を描くには(前述のとおり)ちょっと向いていない感じにさせます)
ラストで駿と実央は駿の実家のある北国に行くわけですが、
北国の両親を説得する(のかな?)のは大変そうです。
というのも、
これが例えば「東京の両親」だったら、駿の両親は同性愛のことを納得はしなくても理解はしていて、無関心を装うことで心の均等をとるでしょうから、
駿と実央は親の無関心を相手にしなければいけないと思いますが、
「北国の両親」は、同性が好きなことに対して(普通ではないことに対して)、
心配している感じを読者に上手に伝えるシカケにもなっている
ので、ハッピーエンドになりつつも二人の将来はに一抹の不安を残していった…とも読めるのかなと。
婚約者・桜子さん
駿と、病気になった駿の父との復縁を叶える名目でやってきた桜子さん。
「昔の女」アピールをキメてくるところなんかは恋のライバルっぽさ出してますが、
婚約破棄されたとはいえ、駿に想いを伝えた結果のある桜子さんと
今一つ駿から確実に気持ちを伝えきれてない実央
桜子さんと実央が相反する存在なことに注目できます。
2話のラストから桜子さん登場の3話冒頭で、「おあずけ」を食らっていることによって彼の自信のなさが明示されてます。
(しかもその後に桜子さんに「私はしたことある」とマウント取られるわけで)
不安の正体、「(駿に)認められたい」は両親に先立たれ、引き取られた家にも馴染めなかった実央が如何に承認を得ていくかというこの物語の核ともいえるでしょうから
桜子さん離島時からのラストの畳みかける展開が上手に決まって読んでるこちらもほっと一息。
その「上手に畳みかけていく展開」に心が洗われるのかなーと思いました。
結局、恋するという本質には性別は関係ないのだ ってことですわ。
映画も評判いいみたいなので、近々観に行ってみようかな。