今年34本目の映画です。Amazonでレンタルして視聴。
もちろん以前『探偵物語』を観たので、同じように評価が高い今作を観よう!と観たのですが、
薬師丸ひろ子、やっぱりすげえなぁ…
以下ネタバレを含む本編感想。
でも40年近く前の映画だからネタバレもクソもないよ!
『探偵物語』のように、今作も主人公は少女から女に歩んでいく主人公ですが、探偵物語が歩んでいく過程を描写しているとすれば、Wは歩み終えて後ろを振り返れば…ってところでしょうか。
大女優の身代わりになることへの葛藤が物語の一つの山場ですが、身代わりになることで得られる「舞台に立つ」切符をつかむか・・・
この決断を迫られるにいたるまで、主人公の三田静香はいろんなものを見てきてるんですよね。
キャスティングはカタいと思われていた仲間が急に産気づいてレースから落ちたり、大女優に「いつか必ず追い付いてやる」と闘志を見せる仲間の中で確固たる自信がなくどことなくぼやっとしている自分。
世良公則演じる森口昭夫が演劇を辞めた後はこんな生活を送っているんだ、という自分のすぐ先のifルートも見せつけられている中で、身代わり話を持ち掛けられる。
どうするのがよかったんだろう? なんて考えたくもなりますが、この作品こそ「正解なんてないんだ」って感じですよね。
子どもを産むことにして演劇から降りるのも、大女優の口先一つで降ろされたことをメディアの前でぶちまけるのも、喜劇的とも悲劇的とも取れるのかなと。
ほんとはラストシーンまでは探偵物語>Wの悲劇 だなって思ってたんですが、
ラスト別れのシーンを見て探偵物語<Wの悲劇 、逆転しました。
ラストシーンのためだけでも観てほしい、と自信を持ってオススメできます。
wikipediaを見ると色々な作品でオマージュされていることがわかったのですが、特に『あまちゃん』で薬師丸ひろ子と能年玲奈の関係性とか、メタ情報として『Wの悲劇』知っていれば更に面白かっただろうなと後悔。
こういうのがあるから名作は必ずおさえておきたいんですよね~