本屋の平台に積まれてあって、あっ、これは面白そう! と思って購入。
田中角栄といえば、鉄道オタク的には上越新幹線の漢というイメージしかなかったり。
『ムダヅモ無き改革』の大和田秀樹先生の描くマンガですから、
面白くないわけないだろうな、ということで期待していたのですが、期待以上の面白さでした。
以下ネタバレ含む感想。
ん? でも田中角栄の伝記マンガにネタバレも何もないかな?
マンガ的面白さがここにある
『ムダヅモ無き改革』はまさにそうだなってとにかくド派手な絵が読んでいて勢いを感じさせます。
台詞一つ言うのにもこの(ナゾの)迫力…
なんでも名言に聞こえてきますね笑
正直言って、『ムダツモ』の印象が強かったので、怖い顔しておバカなこと言ってなんかすごみを出す感じで、
もっとギャグ味にあふれている内容になってるんじゃないか? って思っていたのですが、
おバカさが抜け、迫力が残ると何か高尚なものを読んでいるんじゃないかと思えてきます。
田中角栄ってこんなにすごいの?
いやいや、まだ1巻でこんなに面白いのってすごくないですか?
天才的な人たらしであったといわれる田中角栄ですが、二十歳そこそこでこんなマンガ的な活躍本当にしてたの? って思っちゃいます。
上京、いくつもの仕事を経験し実力をつけ、そして大河内先生に見初められ、理研の職員として故郷に錦を飾る…
雑な言葉でいえば、リアル「なろう」ですよね。この成り上がっていく感じ。
大河内先生に気に入られていく過程も、ちゃんと段階を踏んでいってるので、
角栄が着実に力をつけてきている、色々な人から学んで器のでかい男になっているのがよくわかります。
・・・段階を踏んでいる、ってそんなのあたりまえじゃん。って一瞬我に返ったんですが、最近そういう過程をすべて吹っ飛ばして
「でかい結果をいきなり出して雑に認められる」
が流行でもありますしね。
続きに期待
『角栄に花束を』は続けば続くほど面白くなっていくと思うんですよね。
設定でスタートダッシュを切る漫画が多い中で、続けば続くほど話のスケールがでかくなっていくと確約されている伝記漫画ですから、続きが楽しみです。
あと、尊敬するのが参考文献の多さね!