Twitterを見ると、シンカリオンZ 微妙 というなんとも微妙な検索ワードが表示されます。
うーむ。
確かに、Zは今のところ微妙なのは否めないと私も思っています。
ただ、6話で作品を微妙!と言い切るのはちょっと違うかなとも思います。
Twitterを見ると、キャラクターに愛着が持てないってのがよく出てきますが、それは作品を微妙と言い切るには的外れだと思います。初代は76話+劇場版までやってる化け物コンテンツなわけですから、そりゃ今の段階で比べるのは酷です。
とりあえず6話でメインパイロット3人+1人の話が終わったところなので、ちょっと言葉にして今思っているもやっと感を言語化しておきたいと思います。
主人公は同じオタクでも別のオタク
初代の主人公ハヤト君はガチの鉄道オタクでしたが、Zの主人公、新田シンはオカルトマニアであって、鉄オタではありません。鉄オタ成分はパートナーである碓氷アブトに引き継がれていて、
作品を形成する一つにもなっているいわゆる鉄分は前作からは少なくなったものの、損なわれないようになっています。
この鉄分の少なさが、鉄道要素から入った初代ファンには受け入れられてないのかなぁと思っています。(口述しますが、Z合体はちょっと鉄オタ視点から見ても微妙なのもあって)
なぜ主人公がオカルトマニアになったのかというのは、TBSからテレ東に放送局が変わったことが大きく起因していると考えられます。
土曜朝にやっていた初代と、金曜ゴールデンタイムにやっているZでは求められるものが異なっていて、
金曜の時間帯は、一昔前であればドラえもん→クレヨンしんちゃんの黄金バッテリーがやっていた時間帯ですし、今でも前の時間帯はあのポケモンがやっているような時間帯です。
好きなもの全開でやってみましょう、から始まり、エヴァコラボをして非鉄オタのアニメ好きにも認知されて、天下のJRにも愛されるようになった初代とは違って、Zには国民的アニメと同じぐらいの普遍性が求められていると考えることもできます。
残念ながら、ディープな鉄オタ知識がタイムライン上をにぎわせても、ポケモンの流れで見ている視聴者の興味を引くことはなかなか難しいでしょう。
そういうところから考えると、オカルトマニアという設定は(正直、6話時点ではまだまだ使いこなせているとは言い難いですが)門戸を広く開けている印象あります。
あの作品のように、と具体的な作品名はがでてこないのですが、90年代後半の夕方にやっていたアニメの持つ雰囲気、Zにはありますよね。当時のあの時間帯のアニメがテーマに掲げていたSFさというかオカルト要素というか、そういうものの残り香がZからもするような感じがします。
例えば、6話で実際に洞窟に隠されたナゾに接触するシーンがありますが、これも初代にはなかった演出ではないでしょうか。
Z合体、ザイライナーがあんまりおもしろくない
かなり鳴り物入りで始まったザイライナーとのZ合体システムですが、今のところあんまりおもしろくないです。
この、「追加アイテムでうまいことやっていく」仮面ライダーシステムは単純に作品を楽しむ側としては、そろそろ限界が来てるんじゃないかと思っています。
現実のものをモチーフとしてるシンカリオンでいえば、E5とE6がなぜあの車両とZ合体するのかの理由が欲しかったです。
NEXとE6の合体は特に顕著で、秋田新幹線と成田エクスプレスが合体する理由が作中で語られていないのがもやっとします。いきなり盛岡にNEXが来ててもおかしいでしょ、単純に。
あくまでも現実の地続き上であるように感じさせる物語の仕組みを取っていて、それが実際に成功しているシンカリオンには、ここは守ってほしかったなと思ってます。
オタク的には大爆死してる仮面ライダーセイバーもそうですけど、昨今はこの「モチーフ」が物語で生かされていないことにかなり敏感になっていると感じています。
※ただ、商業的な側面が重要視されることを否定する気持ちは全くありません。
同じ秋田繋がりで特急つがるや特急いなほと合体しろ、なんて言っても首都圏ユーザーにはウケないですし、いくら物語的に整合性が取れていたとしても、おもちゃの展開にケチがついてはいけません。
前述のとおり、「シンカリオン」は実際に触れ合えるロボットアニメでなければならないと個人的には思っています。
理想はE7とE353あずさのようなわかりやすいZ合体ですけどね。
シリーズものとちがって、前作のモチーフを生かしながら続編を作るってかなり難しいと思うんです。
ロボットアニメの先輩だとΖガンダムとガンダムΖΖや、種と種死なんかそうですよね。
シンカリオンの初代とZの関係性は、ΖとΖΖの関係にかなり似てるのではないでしょうか。同じロボットが出てきてるけど作風や登場人物が全然違うからなんかもやっとしちゃう、目新しさのなさだけが鼻についてしまう感じ。
Zはかなりいろんなものを背負っていると思います。
放っておいてもJRがガンガン宣伝してくれますから、それに見合った人気を確保せねばいけないでしょうし。
オタク的な見方でいえば、ロボットアニメ不作が続く昨今では大切に育っていってほしいコンテンツでもあります。
最後に一言
つまんない情報番組を始めるから初代を打ち切りにしたTBSはほんと…