漫画すら積読するようになってしまった昨今ですが、この本も買ってから半年ぐらい積んでいました笑
知ったきっかけは、ビッグコミックオリジナルに広告が載ってたのかな?
鉄道の話×米ソによる東西分割された日本が舞台ということで、買うしかねえだろこれ! とジュンク堂で買いました。
1巻はネタバレなしで感想書いていきます。
舞台…1962年、東トウキョウ
北海道東北・東京23区北区文京区を境にその東側、埼玉千葉が日本人民共和国として独立しております。
今まで私が読んだ中では、日本の分断統治といえば『太陽の黙示録』(かわぐちかいじ)ですかね。(米ソじゃないけど)
村上龍の作品でも米ソ分断統治のヤツあったと思いますが、読んだことはないので忘れちゃった。
ちゃんと東日本が共産国であるエピソードも描かれていて、ゾクっとする。
主人公エミーリャ
東日本から西日本への亡命請負人が主人公杉浦エミーリャ、19歳。
彼女は駅の食堂で給仕係としてはたらいております。
表紙の彼女のとおり、すました顔で色々な事情のある亡命を請け負っていくのがいいっすね。
仕事の内容もそうだけど、私たちが東独に持つイメージと同じように、息苦しい世の中を生き抜くには笑顔は余計なのかな。
鉄道ネタも濃い
上野駅が「十月革命駅」になっちゃったり、東北本線と函館本線が広軌(1524mm)になっちゃったりと(でも支線や地方の路線は狭軌のままらしい)鉄オタ的にもワクワクな舞台設定。
石川啄木がそを聞きに行った上野駅のあのホームにも、ソ連の血が流れている車両が止まってるシーンがあって、「おっ!SFゥ!!」って感じでエモいんですよね~(エモくはない)
他にも、東北本線の複線電化事業がばっちり物語に絡んでくるのが面白い。
都内では市電が廃止されトロリーバスが走ってるのも、なんか東欧っぽいよね。
21年の1月に3巻が出て、結構ハイペースで出てて嬉しい作品。
1巻ではまだ東京の様子だけしか描かれていませんが、今後は東北や北関東が舞台になるのかな。
1ページ丸々使って壁を挟んだ東西東京が垣間見えるシーンがあるんですけど、また寂しさを誘うのよね。西側は東京タワーも立ってピカピカなのに、東側は監視塔でうすぐら~く…