オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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映画『スターリンの葬送狂騒曲』感想

今年22本目の映画です。

 

amazonプライムでなんか吹替で面白そうなのないかな~~~ って探してたどり着きました笑

 

さて感想。当然ネタバレあります。

いや、ソ連の歴史にネタバレもクソもないな・・・

 

 

一歩間違えれば粛清

いや~、この常に監視下の元にある、って本当に怖いっすね。

スターリン本人と酒飲むような間柄(の地位)にあるにも関わらず飲み会終わりに「あいつはリスト入り(粛清対象)やな^ν^」って言われたらもう終わり。

 

この映画ではまだまだ一般人まで粛清対象が広がっていないように見えるので、ギリギリ遠目から見てられるからいいですけど、

これが進んでいって『善き人のためのソナタ』に繋がるんだよな・・・ と思うと怖い。

 

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ほんと、 通り過ぎた過去だからこそ不条理でも飲み込めるんであって、

実際問題、明日の私たちの姿にいつなっても話的には全然ありえちゃうんですよね。

 

シベリアで一人ずつ片っ端から刑を執行していって、執行人のところに「執行ストップだって!」って連絡があった以降の人はセーフで、もう撃たれてしまった人はアウト…

 

一貫して悪役だったNKVD(秘密警察)は悪役らしい最期でした。残念でもないし当然。

ベリヤが失脚させられる前に「俺はお前らのことを何でも知ってるんだぞ!」と半狂乱に言っていたのが印象に残ってます。

 

 

 

 

「みんなで賛成してやってます」という滑稽さ

委員会方式とでも言うんでしょうか、この「みんなが賛成したのでやったんです(だから誰にも責任があるわけではない)」

ってこの映画ではものすごく滑稽に描かれています。

描かれているので、私も「馬鹿だな〜」なんて見ながら思ってたんですけど、

これって日本人もほぼ毎日やってますよね?

よく「もっとも成功した社会主義の国は日本だ」なんて言われることありますが、

やはり外国から見るとこんな感じで滑稽に見えるんでしょう。

私達日本人にも、そしてこの映画で描かれているソ連人たちにも、この「委員会方式・全員一致方式」が合理的であると言いたくなるけどぐっとガマン・・・

 

それと、腹心の部下っぽかったベリヤ含め、スターリンの死については、ほとんど誰も悲しんでいなかったのが笑った

 

 

登場人物のその後

これはすべてwikipedia調べですが、

ベリヤを追放し、ソ連共産党のリーダーにのし上がったフルシチョフも、エンディングで暗示されていたとおり自身もまた権力闘争によってブレジネフにその地位を譲ります。

 

スターリンの息子のワシーリーは大方の予想通り一度逮捕された後、最終的にはアル中をこじらせて長生きせず死んでしまいます。

娘のスヴェトラーナは、劇中ではウィーンに留学してね、とフルシチョフに言われていましたが実際は留学の話はなかったようです。アメリカへ亡命し、2011年まで存命だった模様。

 

まとめ

とにかく全体としてシニカルな笑いが続く作品です。

しかし、例え冷笑的であったとしても、この映画を笑っていられるような世界で私は暮らしていたいなと思います。

 

 

 

 

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