今回は『高野政宗の場合』ですが、待ちに待った本編(小野寺律の場合)の続きです!
冬の号が12月発売だったので、8ヶ月ぶりですね。長かった!
というわけで、以下ネタバレ感想です。
2019年12月28日追記
最新号の感想です!
律っちゃんとのすれ違い
『小野寺律の場合 no.29』の続きである本編軸パートの冒頭、高野さんのモノローグが『no.29』での行動の理由を示します。
『付き合うことがデメリットだと言われ躊躇した』律ちゃんのことが許せなかったが故の行為でしたが、これは完全に高野さんの勘違いです。『no.28』を読み返していただければわかるように、律っちゃんは全く躊躇していません。それどころか、デメリットと言われたことに対してきちんと不満を抱いていて、それを高野さんと共有しようとしただけでした。
しかし、高野さんは律っちゃんの話を最後まで聞いてくれない人なので(ちゃんと話を聞いていればとっくにハッピーエンドなのに!)、勘違いで律ちゃんを傷つけました。
余裕をなくし傷つけるような抱き方をしたことに対して、謝らなければと思っている高野さんですが、そもそも勘違いであんなことをしてしまったと知ったらどれほど辛いことでしょう。今後描かれるかはわかりませんが、そうなったときに繊細な高野さんの心は無事でいられるのかな、と心配になります。まあ、自業自得と言ったらそうなんですけど……。
高野さんと尚の張り合い
律っちゃんが尚に『心を許している』事実を認めた上で、『体をつなげることを許している』律っちゃんを回想する高野さん。
自分だけしか知らない律っちゃんを思い返すことで、尚よりも自分のほうが律っちゃんに『許されている』=高野さんを『好きでいてくれている』ことを実感できるのです。
もちろん、自分のことについては客観的に見られる高野さんなので、「嫌がってねえって俺が思いたいだけなのかもね」というセリフにもあるとおり、あくまで律の本心についてはきちんと本人から聞くまでわからない、というスタンスでいるようです。強気なことばっかり言ってますけど、心の中は結構ナイーブな高野さんです。
一方の尚は、全力で高野さんに張り合います。
清々しいまでの『俺のほうが律にふさわしい男ですから』アピール!律っちゃんの気持ちが高野さんにあることをわかったうえでやってますから、本当にメンタル強すぎです。それだけ律っちゃんのことが大切で、大事にできると信じているからこその言動ですけど、尚に対して強く出られない高野さんと対比したときに、高野さんが押されているように見えてしまってちょっと悲しくもあります。
まあ、尚は少女マンガでいう恋敵ですし、セカコイ初期の頃の横澤さんポジション(高野さんが好きで律の恋路の邪魔をしてましたね。尚はその律っちゃんバージョン)ですから、押され気味の構図になってしまうのは仕方ないんですが……。
織田律という存在
高校三年の時点で、嵯峨先輩は「自分の理想を押し付けてくる奴ら」に嫌気がさしていました。
コミックス6巻収録『高野政宗の場合 no.1』で描かれていた「高校生は高校生らしくしろ」という父親からの言葉からも伺えるように、理想の押し付けは家庭でもそうですし、学校生活でもそうだったのでしょう。
そんな中で、嵯峨先輩に何も求めず、ただ好きだと伝えた織田律っちゃん。
「俺は それが欲しかった」
というセリフにもあるように、織田律っちゃんのその素直さこそが、息のしにくい・生きづらいような日々から嵯峨先輩を救いあげたのではないかなと思いました。
だからこそ、「一人で勝手に盛り上がっていただけ」だと気付いてからは自暴自棄になったし、織田律を思い起こさせる桜を見たくなくて、やたらと桜を嫌ったりしたのでしょう。
そして、これは本当に高律の大好きなところなんですが、海を越えたイギリスで律っちゃんも同じようなことを思ってたんですよね。
イギリス編である『no.25』で嵯峨先輩について話すシーン。何度も寝言で言っていた『サガ先輩』が彼氏だと尚に告白したところで、律っちゃんはこう続けます。
「……でも それは俺一人で勝手にそう思っていただけで」「結局 付き合ってなかったのかもしれなくて」
想いがすれ違うにもほどがあります。
桜を見ながら忘れたいと願うのも一緒だというのに、結局気持ちのベクトルがかみ合わなかった二人。
もどかしくて、悲しくて、だからこそずっと応援し続けたいのです。
ただの感想
はやく好きって言いなよ!!!
って思い続けてきましたが、ようやく律っちゃんが陥落しそうですね。
あとは高野さんがきちんと最後まで話を聞いてあげられるかどうかですよ?
好きって言い切る前に我慢の限界が来て襲いかからないでください!
次回も楽しみー!!!
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