イデオンTVアニメ版を観切った勢いで劇場版も見ました。
『接触篇』はTV版完走したので必要ないかなと思って未視聴。
まぁ、レイズナーOVAだって3作品目しか見てないし…
とにかくすごい
視聴する前は、「そうは言ってもTV版と同じように、最終的にはイデが発動して終わりなのでは?」と思っていました。
スパロボのバッドエンドしかり、ニコニコ動画での切り抜きしかり。
でもそんなことはなかった。
主要メンバーが、ロゴダウから一緒に逃げてきた皆々が倒れていく、もはや洗練された狂気としか形容できない描写…
特に驚いたのはカララが結局は死んでしまうところで、それまでイデの力によって奇跡を何度も導き、またベスとの子、メシアもいるわけだから…
「裏切り者の女の撃つ弾が当たる物かよ!」 バキューン
あぁっ…
イデによって導かれる可能性の高かった子どもたちもがっつり倒れていくじゃないですか。
特にアーシュラ。(ちびっこ3人組のお姉さん)頭吹き飛んでたし…
カーシャの死だって、本当にあっけない。
コスモとのヘルメットゴッツン、のシーンよかったのになぁ。
黒富野黒富野!と今までキャッキャしていた自分がちょっと恥ずかしかったり。
「これがホンモノやぞ」と目の前にたたきつけられたような全滅エンドでした。
本当はもっと一人一人のキャラクターの最期を描写してくれれば…と思いもしましたが、それをしないからこその「ホンモノ」なんでしょうね。
発動編は、姉妹であって全く別の道を歩むことになってしまったハルルとカララの物語でもあるのかな、と。
ハルルが吐露していましたが、父に「ハルルが女だったらなぁ」と思われ、自分は恋人を失ったのにも関わらず、妹は好きな男の子を身ごもる。
気強い娘、姉妹の姉を演じ続けねばならなかったハルルの悲しみがひしひしと伝わってきました。
だから最後、魂となってダラムと結ばれてよかったねお姉さま…
多大な影響をクリエイターに与えた作品
これも先人たちが何千回も語っていることでしょうけど、この映画のラストはのちの『エヴァンゲリオン』にめちゃくちゃ影響与えてますよね。
イデが叶えたかった思想というマクロなものから、突然の実写のカットが入るミクロなものまで。
観終わった後に二人で「これ人類補完計画の元ネタじゃん」と言い合ってしまいました。
富野監督は『ガンダム』を生み出したからすごい、ということになってますけど、『ガンダム』と『イデオン』を生み出したからすごいんだと言いたい!
そして、とにかくこの発動篇のすごさを語りたい、語りたいんだけど周りに見たことある人0人という悲しみ。
ネットに広がる論評等はこのブログを書き終わった後、じっくり読もう。
『伝説巨神イデオン』を完走して
『イデオン』を見て思ったのは、やはり作品には哲学がないといけなくて、また受け手の私たちも哲学のある作品を求めなければならない、ということだと思うんですよね。
社会人も長いと、ついついインスタントな作品(アニメに限らず)を求めがちなんですが、
監督が伝えたかったことはなんなんだろう、私たちは何を汲み取るべきなんだろう
と考えることを「オタク」としては避けて通ってはいけないかなと思っています。