話題になっているんだか、なっていないんだかよくわからないスタジオジブリの最新作、『君たちはどう生きるか』を遅ればせながら観てきました。
起承転結の「起」の場面で思ったんですが、カメラワークが64時代の『ゼルダの伝説』っぽくありませんでした?
アオサギが塔の窓からするっと内に入っていくシーンや、夏子さんが森へ行くところを主人公が目撃するシーン、あのズームアップの感じがゼルダっぽいよなと。
(特に『ムジュラの仮面』のでっかいフクロウのことを思い出した)
以下、ネタバレありの感想です。
物語としては王道の「少年が大人になる」系で、一本道の話の筋なので、話の筋がどっかにいってしまって、よくわからない、ということにはならないんですが、
起承転結の「承」に移動するあたりから、シカケの謎が提示されたままで終わってしまうのがもったいないし、「…?」で終わってしまうのにモヤモヤ。
例えば海のシーンで、主人公がペリカンに押し出されるように「学ぶものは死ぬ」門を開けましたけど、あの門って結局なんなんですかね?
その後に出てきた魚を買いに来ていた、船に乗った集団の正体は?
別に『千と千尋の神隠し』だって全ての謎が明かされるわけではないので、説明が不足してるのがどうのこうの、なんて野暮なことは言わないんですが、なんか未回収のまま放置されたシカケが多かったよなぁと。
Twitterで感想の海を漂っていると、興味深かったのが
「宮崎駿の遺作兼挑戦状」説。
私はアニメ大御所でいえば、ガンダム・イデオンの富野由悠季の一党に所属(?!)しているので、作家としての宮崎駿のことは詳しくないのですが、
大叔父の話していた13個の石は作品のことで、あの世界はスタジオジブリのこと、と考えるとなるほどなぁと思えてしまう自分もいたり。
自身の結論としては、「うおー! 面白い!!」と手放しで褒める作品ではなかったよな、この作品…という感想。
「宮崎駿監督の作品だから」「CMを打ってない、ツウ好みの作品だから」等々、もはや言い出せない雰囲気ありますよね。
「考察すればもっと面白いぞ」と思えるようになるカベみたいなのが作品にはあって、自分は今回の作品ではそのカベが越えられなかった、ってところなんですかねぇ。
映画を見終わった後、このモヤモヤに既視感があって、『TENET テネット』のことを思い出しました。
公開当時はみんなで躍起になって感想を述べたり、考察を披露したりしましたよね。
自分の中では『TENET』はカベを越えられて、わからないながらも考察したりと楽しめたんですが、
『君たちはどう生きるか』は内容を語ってはいけない雰囲気が今も強すぎて、ソーシャル的な楽しみ方が出来ずに終わってしまうんじゃないかな。
Twitter(X)でもこれ関係のツイート、全然流れてこない。
パンフレットの内容がなさすぎる、ぐらい?