オタク夫婦の「○○が好き」

20代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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『ガサラキ』全話観た感想 SFの潮流の中のガサラキ

しばらく前ですが、ガサラキを観ました。

レイズナー、ボトムズと見たので、さてお次は、って感じで見たのですが、高橋良輔作品に興味があるぞ!って方でも、ガサラキは正直見るのがしんどいと思います。

結論としては、別に無理して見なくてもいい作品ってところでしょうか。

 

 

 

ロボットアニメ(活躍するとは言ってない)


ガサラギに出てくるロボットは、TA(タクティカルアーマー)で、リアルロボットでありながら万能ではない(戦車や戦闘ヘリに負けるときは負ける)というもので、ここだけきくと、

 

 

 


「わぁ~、現代版ボトムズだ!」って思うんですが、(実際私もそう思って見始めた)
ガサラキはロボットが活躍するシーンが想像以上に少ないです。

わかりにくいたとえをすると、『MADLAX』で1~3話を見て、魅了された人がその後苦しむ構造と同じです。ガンアクションものかと思ったら全くそんなことはなかった(しかし後半にはちゃんと用意されている)ですかね。

 

特に、ニコニコ動画等でTA対横田基地のF22戦闘機が戦うシーンが有名で、ガサラキ本編を見たことがなくても「ロボットアニメ名戦闘シーン」なんてまとめられた動画では見たことあると思います。
体感的には、TAが活躍するのは物語全体の3割程度といったところでしょうか。


本当に惜しいなと思うんですが、TAのデザインはすごいいいんですよね。
ボトムズにあった異世界の兵器っぽさが薄れて、よりリアルロボットであると言えます。前にビックカメラでTAのROBOT魂が売ってたのを見かけたことがありますが、放映から20年以上経っても、商品化できる力はTA自体にはあると思います。


パトレイバー2、エヴァンゲリオン、そしてガサラキ

ガサラキは大きく分けると3パートあって、
中央アジアの某国への軍事介入に主人公属する特務自衛隊が巻き込まれるベギルスタン紛争編、
主人公、豪和ユウシロウとヒロイン、ミハルの”過去”に迫る平安編
自衛隊がクーデターを企てるクーデター編

こんな感じですが、平安編がロボットアニメとしてみるとほぼロボが出てこないので退屈です。
この平安編は、主人公のみならず、巨大コングロマリットでもある豪和家の過去に迫りながら、ユウシロウの隠された謎に迫っていく物語の根幹を担うパートでもありますが、
舞台は平安時代までさかのぼるので、TAのドンパチは一切ありません。
このあたりがエヴァに触発され「ロボットアニメ」での内なるモノを描くパートであるので、物語としては必要であることは確かではあるんですが……

 

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

 

エヴァンゲリオンと比較すれば、ガサラキはいたって普通の話の作りです。
そりゃあ主人公は1話から「なんかありそうな」キャラクターではあるものの、所属は自衛隊ですし、TAは量産型です。
エヴァがなぜああまでに内面を描き切れた(そして、視聴者がそれを受け入れた)のかは、旧約聖書をモチーフとした、物語のナゾがいたるところに散らばされていたからであって、ガサラキのように「実はこの因縁は平安時代までさかのぼるんじゃ……」ではちょっと薄いんですよね。
後はこれもwikipediaにも書いてありますが、主人公の影が薄いので、彼その人にあまり興味が持てないってのもありますかね。

 

クーデター編は、アメリカに経済戦争を吹っ掛けたりと時流を反映させていますし、取り扱う題自体は面白いんですが、そこに上手にTAや主人公たち特務自衛隊のメンバーが関われて来られなかったのが残念。
後半に「日本はどうあるべきなのか」というテーマをぶつけてきたのは、『パト2』への返答でもあると思いますし、作品が発表された98~99年、世紀末という時代は振り返るには絶好のタイミングであったことは間違いありません。
『パト2』や富野由悠季の『リーンの翼』のように作品をとおして、現代日本が抱えているねじれにクリエーターとしてどう論じるのかというはもっとやってくれ! ってところですが、それにしてはガサラキはお膳立てが力不足だったかな。

 

 

pisuke9190.hatenablog.com

 


じゃあどうすればよかったのか


世界中で頻発する紛争、それに介入する米軍の梅雨払いとしてうまいこと利用される自衛隊。
そして敵対する組織のTAとのバトル。
対米従属からの離脱……
こんな感じですかね。平安編が持っていた物語のシカケは、回想シーン抜きで、シカケを知っている主人公の家族の口を借りて説明させればよかったのでは、と思います。