オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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「諸君らの愛したエヴァは死んだ!」映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』感想

今年9本目の映画、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の感想です。

以降、ネタバレありなのでまだ見てない方注意。

 

一言感想としては、「あ、エヴァってもう死んでいたんだな」ってところでしょうか。それについては後程。

 

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

 

 

 

本編の感想

まずは冒頭のパリでの上空戦。

マリがよくわかんないエヴァに乗って、襲い掛かるネルフの何かから戦艦を守るシーン。

圧倒的な物量を淡々とエヴァンゲリオン的なシークエンスで捌いていくのは圧巻。

シン・ゴジラでもありましたが、

「結局は現場で一つ一つやっていくしかねンだわ」っていう感じのやつね。

 

第3村の登場にはちょっと驚きました。

ニア・サードインパクト後の世界がちゃんと語られていて、Qで全人類がおいてけぼり食らったのがちゃんと解消されてた。

トウジやヒカリ、ケンスケもちゃんと登場してて、みんな大人になっていてトウジも言っていたように「おてんとうさまに顔向けできないような」こともやって、14年という歳月を乗り越えてきて。

 

だからこそ、そっくりさんの喪失によってシンジ君も大人になれたシーンはよかったですね。

 

ヤマト作戦は割愛。

 

エヴァンゲリオン/碇ゲンドウの物語の終焉。

誰もが待ち望み、描いていた父子の葛藤の解消がちゃんと今回の最終回で消化されたのは正直意外でした。

なんかなあなあで終わると思ってので、最終回なんだなと実感した瞬間でもあります。

ネタバレを回避しながらも感想を書いていた人をTwitterで何人も見かけていて、みんながみんな「ちゃんと完結してよかった」って言ってたのはこれか~と。

 

シンジ君がそっくりさんの喪失を鍵にして、アスカやカヲル君を救えたように、ゲンドウもユイの喪失を鍵にしてシンジ君をもっと前に救えたはずだったのではないかな。

 

逆に予測できたのは、ラストですからエヴァの今までの名場面をなんとか持ち込んでくるだろうなってとこですね。

あのエヴァンゲリオンとしての第三新都心東京に、シンジ君の生活の一部であったミサトさんの部屋や学校の教室、そしてレイの部屋と闘いの場所を移していくのは見事でしたね。

「残テ」もかかるかなと思ったけど、こっちは逆に外れた。

 

 

 

 

エヴァってもう死んでたんだなと気づいた

はい。

今回、『序』の公開から13年と半年、前編の『Q』からは9年経っていて、完結をみんなが今か今かと待っていて、それでもなかなか公開されない中で、

もう気がついたら『エヴァ』って死んでいたんだな、って見終わって思ったんですよね。

死んだっていうとなんか物騒な物言いでもありますが、『エヴァ』は燃料切れを起こしていて、本来の目的地ではないところで着地してしまったんじゃないないかなってところでしょうか。

少なくとも、時間の経過によって生まれた時の形を保てずに、最初のエヴァからは姿を変えてしまったなぁ、と。

 

私が思う、着地点は何なのかというと、「ポストエヴァ」作品という時代の区切りにまでに界隈の人を引き寄せてた、エヴァンゲリオンが持つ、あのオタク的、SF的な小難しさを追求した作品であって、

実際に着地したポイントというのは、そういうのを消し去った単純な消費のされ方とでもいいましょうか。

「ガンダム」がその先達だと思っていて、今も年がら年中「シャア専用○○」とかいっていろんなものが赤く塗られたり、3倍なんとかだとかいってコーヒー缶のオマケになったりしています。
多分、ガンダム放送時の、あのころのオタクが感じた(と思われる)「ガンダムは今までのアニメとは違う、すげえロボットアニメなんだ!」という湧き出るような感動も、時が経つにつれて、その物語的な特異性・優位性は損なわれて、キャラクター商品として消費されていく姿に涙をのんだオタクもいたはず。

 

エヴァも同様に聖書やドイツ語なんかでオタク心を擽り、「考察」させてきた頃の勢いは、我々が待っている間に気がつくとなくなっており、アパレルブランドとのコラボや、遊園地の室内アトラクションの一つになったりして、

そのコラボの物量の前に、多くの物語の謎や、碇シンジや碇ゲンドウを通して見ていた心の内側の葛藤も
「いや~、とりあえずきれいな形で終わってさ、よかったよな!!」という風になった人、私以外にもいるんじゃないかな。

(唯一ガンダムとは違うのは、『シン・エヴァ』でエヴァMkなんとかだとか、何号機みたいなのをめちゃくちゃに出して一瞬で葬ったところか。)

 

ただし、エヴァンゲリオンがロボットアニメとして背負っていた役割は、シンカリオンのエヴァ回と劇場版で見事に回収されているので、まだ見てない人は絶対に見たほうがいい。

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

ここまで「エヴァは死んだ!w」とか言ってる私ですけど、私が見たかったエヴァンゲリオンってのも、結局はシンカリオンに客演したようなパイロット・碇シンジだったりするので、自己矛盾っていうか、自己批判でもあるのだけれど。

 

 

 

最後まで見るとQでわけのわからなかったところがちゃんとつじつまが合うようになっていて、ちゃんとしたスケジュールでシン・エヴァが公開されていれば、Qはもう少し感じで語られていたんじゃないでしょうか。

ミサトさんの「シンジ君、オメーは何もするんじゃねえ」とか、Qの時点では???しかなかったはず。

 

 

 


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さらば、全てのエヴァンゲリオン。

どうでしょう、皆さんのエヴァは終わりましたか?