今年28本目の映画です。
これも『時をかける少女』同様、ホイチョイプロダクションで薦められていたので
Amazonプライム(有料)で見ました。
薬師丸ひろ子は『あまちゃん』、松田優作はコーヒー噴き出してるイメージしかない貧弱な私でしたが、
うーん、よかった。
探偵物語面白かったです。
以下ネタバレ有りの感想。
主演の二人について
薬師丸ひろ子
恐らく40年前からずーっと議論されてきた手垢つきまくりの話題だとは思うんですけど、原田知世に比べたら薬師丸ひろ子って「かわいい!」系の女優ではないですよね。
『あまちゃん』のときぐらいしか現代の比較対象がないんですけど、芯のある女優さんだなという印象。
それは『探偵物語』でもおんなじです。
2020年から見れば、かもしれませんが、芯の通った印象があるけれど、まだ雰囲気がおいついていないので、少女から大人への移行期間であるこの物語の主人公にぴったりなのがまたすごい。
松田優作
とにかく松田優作がかっこいい。そりゃ亡くなってもなおファンが増え続けますよ、私みたいに。
それに、キムタクって松田優作絶対意識してますよね?
なんかボソッと台詞をつぶやくのが「これ…キムタクじゃね?」ってなりました。
たぶんコードギアスのKMFを知った後にボトムズのAT見て
「ローラーダッシュの元祖ってこれだったのか・・・?!」って気づくのと似てる原理だと思います。
キムタクじゃなくてもこりゃあ真似したくなるよなってぐらいかっこいい。
年上のしがない探偵で、同世代なら誰しもがあこがれた「キョン」タイプの立ち振る舞いにアラサーは狙われているとしか思えない笑
探偵っていつだってかっこいいのはなんなんですかね?
ただの昼行灯ではなく、ちゃんと愛についても知っている、
「もう二度と会わないよ」
なんて台詞も言いたいし言われたい…
探偵物語が「物語」であるために
「最後には渡米する。それまでのお話」
このゴールが既に定められている中でどうしていくのか、という物語の枠組みがこの作品の人気を息の長いものにしているのかもしれません。
『ムジュラの仮面』のように、あとたぶん『24』みたいに刻一刻と、というわけではありませんが、私たち観客は常に「物語の終わり」を意識しなければいけません。
どうなるどうなる? という緊張感が物語足らしめているのかな・・・と。
その中で『探偵物語』が一つ抜けているのは、
「主人公の精神的成長が完了した時点が渡米のタイミングになる」と暗黙の了解を観客が無意識のうちに受け取っている、ところ。
門があるような、田園調布に住むような主人公が、アパートのベランダをつたって隣の部屋に逃げ込んだりとか、ラブホテルに初対面のお兄さんと入っていったりと、
主人公の成長を前へ後ろへと揺さぶりながら、少しずつ前進させて、物語結末へともっていく、
まるで蛹から成虫へと羽化していく姿を見守るのに、主役の薬師丸ひろ子がすげえ合う。
長谷沼さんの立ち位置が好き
主人公、新井直美の家のお手伝いさんである長谷沼さんは直美にとっては完全に対極の存在なんですよね。
現実しか見ない、冒険的な恋愛はしない、けれども男女の関係は知っている…
ラストシーン、
「長谷沼さんってパパのこと愛してるの?」という問いかけに
「そういうことを軽々しく口に出していくと逃げていくから(言わない)」
台詞はうろ覚えですがこんな感じだったはず。
ここまで書いていうのもなんなんですが、実際制作されてから40年も経つと、現代に至るまでの作品の中でそのエッセンスが使われていて、物珍しさはぶっちゃけないんです。
ただし、その「普遍的」が「普遍的」であるための要素ってやっぱりすげえんだな、って再確認することもまたできます。
うがった見方かもしれませんが、とにかく言いたいことは
『探偵物語』面白いよ。
『探偵物語』を観終わったら次は同じ「お嬢様がアメリカに行っちゃう」
『ハイスコアガール』見ましょう 笑