本日、2025/8/29にエメラルド夏の号が発売されました!
今年で11周年、おめでとうございます!
エメラルド刊行からセカコイを本誌で追うようになったのですが、あれからもう11年経っているとは驚きです……。
2014年3月公開の『劇場版世界一初恋〜横澤隆史の場合〜』きっかけでセカコイのオタクになったのですが、時が経つのはあっという間ですね。
ということで、以下ネタバレ感想です。未読の方はご注意を!
今回はスペシャルミックスでした。
2020年冬の号以来(のはず)なので、約5年ぶり……!
わりと最近だった気がしたのですが、全然そんなことなかったですね。
スペシャルミックスは小野寺律の場合・羽鳥芳雪の場合・雪名皇の場合・横澤隆史の場合の4作品が同時に読めるので、めちゃくちゃ豪華です。
特にトリチアと桐横はこういうタイミングでないと読めないので、とってもありがたいです!
さて、小野寺律の場合。
ナンバリングされていないので正確な時系列は文脈的に判断するしかないのですが、春の号に掲載されたNO.40の後日だと思われます。
ようやく正式にお付き合いを始めた二人の、朝のワンシーンという感じのお話でした。
告白からやり直したNO.40。「高校時代の初恋に囚われていた二人が、過去を上書きするように乗り越えている」と感想に記載したのですが、今回のエピソードもその続きにあたります。
乗り越えるのは律のイギリス時代ですので、0日以前と同様に、尚くんがキーマンになってきます。
イギリス編は嵯峨先輩のことを忘れたい律のお話でした。
ということで、今回までの流れをおさらいするため、以下に嵯峨律=高律がお互いを忘れようとするシーンについて時系列でまとめてみます。
(ぜひお手元に13・15巻をご用意ください。難しければ過去記事も参照していただければ)
①イギリス時代の初期/香川時代→忘れたい
13巻p.38(小野寺律の場合NO.25)
「もう 見る必要ねーよ」
嵯峨先輩から目を背ける=忘れるように尚が促す
13巻p.159(高野政宗の場合NO.1.5)
「………早く」「忘れられたら いいのに」
二人揃って、相手のことを忘れたいと桜に願っているのがとても辛い……。そのしんどさに拍車をかけるのが、桜の花言葉「私を忘れないで」なのですが。忘れないでと願う花に忘れたいと願う歪さが、想いがすれ違う嵯峨律らしいなと思います。
②イギリスから帰国→忘れたはず
15巻p.157(小野寺律の場合NO.29.5)
「嫌な事はもう 忘れて 嫌いだった自分も 全部忘れた」
15巻p.158(小野寺律の場合NO.29.5)
「お互いもう 忘れてしまって」「忘れたはずで」
どう見ても覚えている表情でモノローグが語られました。律の独白でしたが、p.158ですれ違う高野さんも同じ表情をしていたので、「忘れたはず=忘れられなかった」のはお互いに、だとわかります。
③恋に(完全に)堕ちるまであと24日→忘れられなかった
15巻p.46(小野寺律の場合NO.29)
「早く」「忘れないとと ずっと思って いた」「忘れたい」
15巻p.47(小野寺律の場合NO.29)
「それでも 忘れることが できなくて」「振り向いて ほしくて」「俺を見て ほしくて」
NO.25で忘れようとした結果、夢に出てくる嵯峨先輩は後ろ姿しか見えなくなっていたわけですが、忘れられなかったりつは振り向いて欲しいと願います。
このシーンは織田律と小野寺律、二つの視点で捉えることができるかなと。
織田律は「夢の中の先輩に振り向いてほしい」ですが、小野寺律は「(好きな人として)振り向いてほしい/俺を見てほしい」。
NO.29は喧嘩してすれ違っているエピソードです。高野さんからただの部下として扱われたことに対しての本心が描かれたのかなと感じました。
そして今回、p.607の3コマ目のモノローグで「そして 10年 離れていた時も」「ずっと 貴方を好きだったと 伝えたいと思ったのだ」と語られます。
ストレートな言葉で書かれると、想いの強さが伝わってグッときます。
織田律にとって、嫌な事=嵯峨先輩の象徴とも言える桜の木を、今度は高野さんと一緒に見たいと思えるくらい、精神的に成長した律。
お互い忘れようとして過ごした10年を、これから一緒に埋めていってくれたらいいですね。