本日12月28日にエメラルド冬の号が発売されました!
毎年仕事納めの日に発売されるのですが、そわそわして仕事どころじゃない一日でした。
今回も誰の場合か発表されないままでしたしね。
ここ数年、冬の号で掲載されているエピソードは
2020年スペシャルミックス→2021年高律→2022雪木佐
でした。
以前は「春といえば雪木佐」のようにある程度予測しやすかったのですが、
最近はその規則性もなくなってしまったのでドキドキです。
ということで、以下ネタバレ感想です。
未読の方はご注意を。
今回は『高野政宗の場合』でした!(途中からナンバリングされなくなったんですよね)
15巻に掲載されて以来久々ですね。
ストーリー的には18巻『小野寺律の場合no.34』から『no.35』の間のお話でしたが、回想がメインで描かれていました。
高校時代のこと
高校時代のエピソードは、6巻掲載の『高野政宗の場合No.1』と『No.1.5』でも描かれていましたが、織田律に回し蹴りされるシーン(嵯峨先輩視点)は初めてだった気がします。
織田律視点だと、律っちゃんの心理的なもの(やさぐれたという言葉のニュアンスから、1巻の時点では憎しみというより怒り)を表しているのか、遊ばれたと勘違いする場面はデフォルメされた絵柄になっているのでコメディテイストな雰囲気があります。
が、今回の『高野政宗の場合』ではがっつりシリアスでした。
嵯峨先輩からしてみれば、初恋の幸福な時間を過ごしていたのに突然回し蹴りされるわけですから、何が起こったのか理解できなかったに違いありません。
その衝撃や困惑が、セリフどころかモノローグもない本編31ページ目に表現されているのかなと。
そして、高律エピソードで「好きだと言う/言われる」がテーマとされているのは、「好きだと言わなかった/言われなかった」が故に初恋が終わった二人だからこそだよなあ、と改めて思いました。
社会人なりたての頃のこと
少年アース時代の高野さんがしっかり描かれたのは、これが初めてな気がします。
横澤さんも初々しいですね。
編集としての意識の高さは新人の頃からだったのだな、とわかるエピソードでした。そりゃあ、この若さで編集長になれますよね……。
さて、この頃の高野さんも桜を見て律のことを思い出していました。
高校時代の記憶と桜はお互いに結びついているようで、13巻『小野寺律の場合no.25』イギリス時代の律もまた、桜から嵯峨先輩を連想していました。
高野政宗の場合で桜が出てくるのは、時系列的に
13巻『No1.5』高校三年の香川時代→15巻(ナンバリングなし)大学時代→今回の新社会人
となります。
どのエピソードも、忘れたいのに、桜を見ると思い出さずにはいられない苦しさが描かれていました。
個人的には、13巻冒頭でイギリス時代の律の苦しみを描き、巻末で香川にいる先輩のエピソードを掲載するという構成がとても好きです。
158ページ4コマ目で明かされる桜の花言葉「私を忘れないで」が、高律桜エピソードのしんどさを強めます。大好き。
社会人になってもなお、桜を見ると織田律の亡霊を見つけてしまう高野さん。桜の花言葉にとらわれているようにも感じられます。
高野政宗の場合をまとめてみた
今回の記事を書くのに資料を用意したので、せっかくなのでまとめておきます。
6巻 『No.1』 高校時代 恋を自覚するまで
6巻 『No.1.5』 No.1の続き
7巻特装版小冊子 ナンバリングなし(一緒に掲載された他の話も話数記載なし) 『小野寺律の場合No.2』の続き
13巻 『No1.5』 高校三年の香川時代(ここで同じ話数にしてしまってナンバリングをやめたのかも?)
15巻 ナンバリングなし 大学時代
2023冬の号 ナンバリングなし 高校時代・新社会人
『小野寺律の場合』で、恋に完全に堕ちるまであと3日になったいま読み返してみると、嵯峨先輩の不器用な恋心が初々しく感じられます。
0日まで間も無くということもあり、本編でも二人の過去エピソードが深掘りされているので、余計にグッときますね。
セカコイ、最初は完全に律っちゃん視点で読んでいたんですが、読み返すごとに高野さん視点に寄って行って、進展があるたびに「高野さんよかったね……!」という気持ちになります。
なので、不意打ちで『高野政宗の場合』が掲載されてとても嬉しいです。
本当に、あとちょっとだよ高野さん!
春の号の予告では大々的に「恋に堕ちるまで、あと——」と書かれているので、本編が進みそうな予感です。
最近めっちゃ刻んでいるので、次回掲載であと2日とかでしょうか?
楽しみにしつつ、春の号発売を待ちます……!