『機動戦士Vガンダム』3クール目の感想です。
24話を見終わってから大分時間が経ってしまいました。
なんか色々と映像コンテンツを消化していかなければいけなかったり、そもそも見る時間がなかったりで、年末年始のお休みを使ってがっと見ました。
Vガンは『ザンボット3』『イデオン』に並ぶ「黒富野」だ、とよく言われますが、3クール目から本領発揮といったところ。
本格的にカテジナさんが「クロノクルの女」兼、ザンスカールのパイロットとして動き始め、ネームドキャラとしてガンガン目立つようになってきています。
印象に残った回:どんどん追い込まれていく
27話、「宇宙を走る閃光」
「カテジナさん! おかしいですよ!」が出てきましたね
おかしいのはカテジナさんだけじゃなくてみんなです。
ウッソくんの目の前でジュンコさんが戦死→ビックキャノン(コロニーレーザー的な)を手動でウッソくんが発射し、ザンスカール艦隊が壊滅する
ウッソくんの目の前で、彼の成長に重要なポジションを占めていたジュンコさんの最期、ものすごい表現でしたね
正直あれはビビりました。「え、映像飛んだ?」と思ったぐらいです。
29話「新しいスーツV2」
V2ガンダムの初陣。やっぱり強いぞ。
最後、コアファイターを囮にして敵を撃墜したのはいい感じだったと思います。
これが過去との決別を意味するんでしょう。
『ダンバイン』でビルバインに乗り換える時のダンバインの扱いひどかったですから、こういう印象的な描き方になってるのはよいです。
すっぽんぽんのウッソがコアファイターからホワイトアークに乗換えるシーンも「ウッソをハロが出すシャボン玉に入れたらええんや!」で解決するのが好きです。
V2ガンダム初陣だけど、ハロもフランダースも大活躍すぎるよね。2人で救出作戦を完遂するとか、もはや犬とハロの役割を超えている。
30話「母のガンダム」
母、ミューラ・ミゲルとの再会する回はいわゆる総集編ですが、ここでヴィクトリーの軌跡を振り替えれるのは割とアリなんじゃないかと思います。
Vガンダムは総集編の入れ方が良く考えられてるなぁと思います。
母に今までのことを語る、という形で総集編を打ち込んでくることは自然ですし、ヴィクトリーガンダムって斜めに倒れながらドッキングしたり、ボトムだけ破壊されたりとほんと苦労しながらもリガミリティアやウッソを支えてくれていたんだなぁと感心します。
31話「モトラッド発進」
でオリファーさんが敵艦に特攻して戦死。
その最期もオリファーさんの立ち位置も『1st』リュウ・ホセイとかぶりますね。
28話「大脱走」でマーベットさんと結婚してからしきりに「俺の子を産んでくれ」という台詞が出てきましたが、この生々しさがこの物語の生と死を色濃く感じさせますね。
思い出したようにおとぼけ描写を入れてくるんですが、もはや焼石に水なので、そのアンビバレントさがもはやすごいとしか言いようがない。
36話「母よ大地にかえれ」
はもうタイトルが直球過ぎてキツかったっすね
クロノクル側も人質になっているウッソの母を助けなきゃ、という気持ちで動いているのに最悪な結果を迎えて終わり
そして名言の「これ・・・母さんです」。
これ、93年の本放送を見ていたキッズたちはどういう気持ちで見ていたんだろうなって素直に思います。
モビルスーツに関して
ザンスカール帝国の研究者「せや、ドラゴンみたいなモビルアーマー作ったら強いんちゃう? 胴体部分が破損されたらそこだけ分離してまた合体したらいいんよ!」
クロノクル「ドッゴーラが量産されたら地球連邦軍とかイチコロや!」
こいつらみんなおかしいでしょ。
結局大した火力があるわけでもなく、数で押し切られた撃破されてたのは笑った。
でも、火薬が入っているダミーバルーンを出しまくって、『まんが日本昔話』のOPみたいにした描写は褒めたい。
アインラッド装備のMSが意外と理にかなっていたのは自分の中でも驚きでした。
ミノフスキークラフト装備? で単独の大気圏で空中行動できるMSには逆に地上装備が必要だった、ということにしたいです。
カウボーイみたいに拘束具として投げつけたり、ガンダムハンマーみたいに振り回したりと
マーベットさんが「宇宙でタイヤはおかしいやろ!」って言いながらビームライフル打ってましたけど、全面的に同意。
V2ガンダムはかっこいいんですけど、劇中での活躍は今のところイマイチかなと思います。
Ζのように変形するわけじゃないし、ΖΖのように特大火力で参る、ってわけでもなく、
全体的にヴィクトリーガンダムよりパワーアップしていることは間違いない、ぐらいで落ち着いてるのはもったいないですね。
この後ゲームでよく見るアサルト・バスター装備で違った動きをしてくれるのでしょうが。
カテジナさんについて
ガンダム3大悪女にエントリーしているカテジナさんが敵のエースパイロットとしても、ウッソをかどわかすお姉さんとしても火がついてきていい感じのキャラクターになってきましたね。
一人の人間として抑圧されてきたカテジナさんがマリア主義に自分の生き方を見出して、クロノクルを上手に使いながら成り上がっていくわけですが、
カテジナさんを悪女たらしめる原因として、その心理描写がほとんど描かれていないってところだと思うんですよね。
ウッソからすると、急に思想に(クロノクルに)かぶれちゃって理想のお姉さんが破滅した件、ってところしか認知できなくて、それがそのまま視聴者目線になっている。
うまいなぁ、と思います。
ただし、カテジナさんに抱く不気味さを視聴者と違ってウッソがうまく処理しきれていない、これもうまいポイントだと思います。
視聴者の一人としては、ウッソ君、最後には幸せになって…と願うばかりです。