本日、12月28日に『エメラルド冬の号』が発売されました!
大抵仕事納めの日と発売日が重なるので、毎年さっさと本屋に行きたくてそわそわしながら仕事を終わらせてます。
さて、前号の『世界一初恋』は『小野寺律の場合no.33』だったわけですが、
「春の号は雪木佐」という慣例が破られて以降、一体誰の場合が掲載されるのか本当に予想がつかない……!
2020夏→冬→2021春→夏と一年続けて『小野寺律の場合』が掲載されているので、
(2020冬はスペシャルミックスの中に『小野寺律の場合』が掲載。夏の続きのお話でした)
もうそろそろ他の人になるのかな……?
それともラストスパートで引き続き律っちゃんなのかしら……?
表紙にも載せず、Twitterでも告知をしない徹底ぶりなので、扉絵を見るまでわからないのが最近のセカコイ。
果たして今回は誰の場合なのか?!
ということで以下、ネタバレ感想です。
(夏の号の感想はこちら↓)
今回もスペシャルミックスじゃないかと思ってたんですけどね、
『小野寺律の場合no.34』でしたね!!!
一年以上高律を摂取してる!!!すごい!!!
でも恋に完全に堕ちるまであと8日なので、この緊張感を途絶えさせないために連続で掲載なのかなと思うと、終わりを感じてしまって寂しくもあります。
0日後も続いてくれますように!
律っちゃんの自己肯定感について
今回一番印象的だったシーンは、34ページ2〜4コマ目です。
「自分は 高野さんのような天才ではないから」
「ただ 愚直に」
「ひたすら 頑張るしかなくて」
このモノローグが律っちゃんの自己肯定感の低さを物語っています。
目標が高すぎて、倒れるほど頑張っているのに、それでも頑張りが足りないと思ってしまう。
律にとって、高野さんは好きな人であると同時に追いつきたい目標でもあります。
出版社の御曹司であるが故に、小野寺出版時代から自分の力で認められたいという思いが強い律。
新人にも関わらず大物作家を担当できていたのは親の力。
担当した作品の売上が良いのは作家の力。
周囲からそう思われてきたせいで、律自身の努力は認められませんでした。
負けず嫌いで努力家だから「見返してやる」という気持ちで邁進できていましたが、
新人のころにそういう環境に置かれたら、仕事に対しての自己評価は低くなって当然でしょう。
これが尾を引いて、転職してエメラルド編集部で働くことになっても必要以上に無理をしてしまったのではないかな、と。
(頼ることに慣れていないのは、文芸時代に部署の先輩に頼れなかったのかも……?)
エメ編での頑張りは、高野さんの存在が大きく影響しているのは間違いありません。
元恋人で、高校時代の人となりを知っているからこそ、編集長としてバリバリ働く彼の天才ぶりを強く感じるのではないでしょうか。
もちろん、ジャンルは違えど文芸編集としてのキャリアがあったからこそ、その凄さをより理解できていたはずです。
たった二歳差。
それなのに、必死に頑張っても追いつけないほど才能の差がある。
自分は天才ではないから、とひたすらに努力をする律のことを、高野さんがきちんと評価してくれているのが救いです。
焦って追いつこうとする必要はないと言いながらも、頑張りはしっかり認めてくれる。
高野さんのいい上司ぶりは素晴らしいの一言に尽きるんですが、
好きな人から認めてもらえるという経験が、律にとってポジティブに働いているように思います。
外で手を繋ぐことを許してみたり、うっかり本音をこぼすことが多くなったり。
高野さんへのライバル心(というか警戒心というか…初期の頃はツンデレのツンが強かったですね)が和らいで、律も少しずつ素直になれているんじゃないでしょうか。
もうすぐ0日ですが、告白するころには律自身が自分の頑張りを認めて、もっと肯定的に自分を受け止められるようになっていたらいいですね。
(作中ではあと8日しかないんですけども……)
律っちゃんは高野さんと対等になりたい?
打倒高野さん!みたいな感じの律ですが、高野さんを超えたいというよりは対等になりたいのかなぁ……と思いました。
好きな人に認めてもらいたい、期待されたい。
仕事の目標=好きな人というのもあるのでしょうが、超えて追い抜くというよりも、
高野さんの隣で、並んで歩けるようになりたいんじゃないかと。
そのポジションにつくにはまだ頑張りが足りないから、自分のキャパ以上の仕事をこなそうとして無理をしてしまうのかなぁ、なんて考えました。
高野さんと律っちゃんは上司と部下で、先輩と後輩という関係性ですが、
恋人は上下関係ではなくて、対等な関係だと思うのです。
その「隣に寄り添える関係」になれるように、(無意識的に)律っちゃんは頑張っちゃうのかな、と思いました。
雑感
とても良かったの一言に尽きます。
ここでは書けないあれやこれやが起きたわけですが、
律っちゃんが高野さんに対して自然に振る舞えてるのがすごくぐっときました。
上司と部下、というところである程度の礼儀というか、口調こそ砕けることはあっても
結構ちゃんと「それっぽく」振る舞ってるよなぁ、という印象が強かったんですが、
0日が近づくにつれて心の距離も近くなって、気心知れた相手といるときのようなフランクさが出てきたんじゃないかなと。
あと、最後のシーンで普通に高野さんのお部屋にいるの好き。
ちょっと前までは「泊まってしまった……」みたいな後悔に苛まれつつ朝を迎える感じでしたが、
もう全然気にしてないじゃん、と。
高野さんにコーヒー淹れてもらってるし……!
もうこのまま同棲しちゃいなよ!!!と思いました。
このまま春の号に続いてもらいたい気持ちもあるんですが、
結構キリ良く終わったので、次は雪木佐でしょうか。
きっとまた告知されないで春の号の発売を迎えることになると思うので、
扉絵を見るその瞬間までどきどきしながら4月を待ちます!!