【ネタバレなしの記事です】
珍しく月曜日から休みをとれたので、朝一番で『駒田蒸留所へようこそ』を観てきました。
予告編を何度か見ていたものの、特段観に行きたい!!! って訳ではなく、早見沙織が声やってるし、行ってみるか~ ってぐらいのテンションだったんですが……
途中、何度か泣いてしまったぐらい、心に刺さる映画でした。
どんな映画かといえば、
崖っぷち蒸留所の再起に奮闘する、若き女社長が、
家族の絆をつなぐ“幻のウイスキー”復活を目指す!
って映画です。(この「若き女社長」が演:早見沙織)
本作はW主人公で、もう一人主人公がいます。
25歳の若きライター、高橋くん(演:小野賢章)が駒田蒸留所の取り組みをいやいやながら取材していくところからこの物語が始まっていきます。
蒸留所の再起と、高橋くんの覚醒がこの物語の2つ目の軸になっていて、彼がいい味出してます。
この高橋くん、転職を繰り返してwebマガジンのライター職に就くも基本的にはやる気なし。
好きでこんな仕事してるんじゃねーよ、みたいな誰しもが一度は思ったことのある台詞を言えちゃう、
事前の予備知識も仕入れてこなければ、取材先の名前間違えちゃうしで、
「やる気ありませんゾ」なヤツなんです。
失われた幻のウイスキーの復活を目指す駒田蒸留所の所員たちに感化されて、
ライターの「伝える」という仕事を通じて復活に携わっていく…ってところなんですけども……
この「伝える」ってことに対する熱意、本当に大切だよな……と改めて感じさせてくれました。
私を含めブロガーの多くは目標を別にしても、「伝えたい」って気持ちをもって今日も構想をノートに取りまとめたり、キーボードを叩くわけですが、
目に見える成果が出ないとどうしても「伝えること」に自信を失っていきますよね。
誰か読んでくれているんだろうか、こんなこと意味あるんかなぁ……と。
実際、このオタク夫婦の「○○が好き」も開設から5年経っていますが、途中でそんなスパイラルに陥りそうになって更新をなかなかしない時期がありました。
そんな誰しもが抱くマイナスな気持ちが、この映画の主人公である高橋くんと共鳴したんですよね。
もちろんこの物語そのものの主軸は蒸留所が復活していくことなわけで、
ライターの高橋くんがいなければ色々なピースが嚙み合わず、
蒸留所が復活しなければ高橋くんは覚醒せず、
といい塩梅に物語ができています。
高橋くんの伝えたいという気持ちが糸となって物語を紡いでくれた……と
とすっきりした気持ちで観終えることができました。
まったく、うらやましい限りです。
このブログのように小さい規模でやっていると、PV増えてる! とか感じることはあっても、
「この記事が役立ちました!」って知れることはほぼないと言っても過言ではありませんから。
『駒田蒸留所へようこそ』、ブロガー・ライターだけではなく、youtubeやラジオなどのコンテンツ等、伝えるに取り組んでいる人たちにぜひ観てもらいたい作品です。
ここまで書いて蒸留所の人々やウイスキーについて全く触れてないんですけど、
ものづくりに取り組む人が観た時の感想は、別の人が書いてくれると思うのでそちらに期待します。
(開封後に途中で飲まなくなったウイスキーが家に何本かあって、後ろめたい 笑)