今年30本目の映画です。アマゾンプライムで視聴。
原作は未読です。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずというすんごい四姉妹が鎌倉で大暴れ…いや、大暴れはしませんが。
鎌倉って絵になる街だよなぁ、ってつくづく思いました。
以下ネタバレ含む仮想。
姉妹の恋
物語の前半までは長澤まさみ演じる次女・佳乃がダメな男ばっかり引っ張ってきて「アハハ~」なんて思っているところに
綾瀬はるか演じる長女・幸が実は不倫してました、ってのが物語の中ではどんでん返しで結構好き。
更に広瀬すず演じる四女・すずが「奥さんがいる人を好きになる奴ってクソだよね!」ってごくごく普通なことを言って、それに傷つく幸の場面が一番好きなシーンなんですが笑
何がいいって、「不倫はよくない」ということを言ってしまうことが幸を傷つけることになってしまったすずが動揺する場面があるんですが、
一般的な価値観でも否定につながればここに居場所がなくなってしまうかもしれない、というすずの立ち位置の不安定さが力強く描かれるシーンでもあると思うんですよね。
そして、その「不安定さ」をズームアウトしていくと、古民家で暮らす姉妹そのものが持つ不安定さを構成する一つの事象に過ぎなかったり。
夏帆演じる三女・千佳の恋愛については「なんか一番デカい球投げてくるんだろうな~」と思わせつつ大きく描かれることはなく物語は終わるんですが、
wikiみると原作では千佳が一番ウェイしてた。
でもこの要素まで入れると映画めちゃくちゃになっちゃうから省かれてよかった。
不安定さ
そう、この映画の面白さって常に不安定さが見え隠れしてるところなんですよね。
長女としての役回りを演じ続けなければいけず、時折キレることがある、と見抜かれる幸に男運の悪そうな佳乃、不安定さそのものと言っても過言ではないすず、
と来ると、千佳だって…
いや、千佳は前述のとおり映画では彼女自身の進退は描かれていなくて、なんなら匂わせで終わってしまっているんですが
他の三人がそうであるなら、彼女だってそうであるはずだ、と思い込ませるような仕掛けになっているところも好きです。
淡々と"前へ進む"映画
今作のようなスタート地点から主人公たちの立ち位置は大きく変わらない作品が結構好きなんです。
今作も最終的には三姉妹+一名が四姉妹になる、という話はあるものの、古民家で始まり、古民家で終わります。
こういう内面重視の映画って絵面として地味になってしまうからか、あるようでないし、あっても面白くないこともあり、なかなか出会えないですよねぇ。
小説なら結構あるんですけど。
もしオススメをご存じの方がいらっしゃったら教えてください。
次見るべき映画は
同じ鎌倉が舞台の『ビブリア古書堂の事件手帖』ですね。
『ビブリア』原作は面白いのに映像化は結局あまりぱっとせずに終わってしまいましたね。
もちろんドラマは論外です。