タイトル、79文字もあってすげえな…
はい、『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』コミカライズの1~6巻の感想です。
こういうパーティ追放系って今まで一度も読んだことなかったので、試しに読んでみました。
主人公が題名のとおり手に入れている特別能力を使って強い仲間をゲットしたり、強い呪文を手に入れたりして復讐をしていくわけですが、(まんまタイトルどおりの説明)
6巻まででとりあえず元パーティメンバー8人のうち、2名まで「ざまぁ」が終わり、テンポよく読み進めることができました。
異なる9つの種族(エルフ族だったりなんだり)が力を合わせて冒険するパーティで、一番非力な人種(ヒューマン、人間族とでもいうべきか)の主人公は使えないやつだと冒険中にわかったので役立たずはポイーで、されちゃうわけです。
主人公が無能だからポイーされてしまうんではなくて、作中世界では人類そのものがほかの種族から格下・被差別対象として存在しているわけです。エルフ族に奴隷にされちゃったり。
主人公が人類だからポイー、されてしまうわけですね。
このあたりがうまいなぁと思います。
例えば勇者パーティから追放されるだけだったら、はっきりいって逆恨みで終わるわけじゃないですか。
特殊なスキルが追放される主人公たちにあろうがなかろうが、パーティの中では不要な存在になってしまっているわけですから(例え強制的に離脱させられることになったとしても)
この物語の主人公は自身が人類だってことでひどい目にあってて、自分以外の人類もそれが理由でひどい目にあっているんで、単なる逆恨みではなく人類にとっての救世主感もあるんですよね。
「自分の実力を認めてくれない周りの連中をぎゃふんと言わせたいよな~俺もな~」という気持ちで漫画を読むときに、自分以外も迫害されているんだ、というノイズがあったほうが変なことを考えずに済むじゃないですか。
勇者(イケメン)、僧侶(かわいい)、魔法使い(美人)、主人公(うだつの上がらないやつ)で追放されると、割と直球に読者の心の傷を攻撃してくるので、あんまり…という感じですけど
竜人、エルフ、獣人、人間 だったらほかの種族がイケメンであろうが美少女であろうが追放されてもフィクションといい距離感ができるからヘンなこと考えずに読めるよね、といったところでしょうか。
復讐するにしても、そもそもやり返すこと自体に不慣れな私たち読者でも、
「まぁ、種族で差別するようなやつはひどい目にあってしかるべきなんやな」というバリアを張れるので抵抗感なく読めるかもしれません。
「ざまぁ」したい、という気持ちは多かれ少なかれ、誰にでもあると思うので試しに読んでみるのはアリかなと思います。
最後になりますけど、漫画の絵についてもちょっとだけ。
レベル9999でカンストするぐらいなんでとにかく物理にしても魔法にしてもド派手さが求められると思うんですが、作画担当の大前貴史先生のナイス描写で迫力は申し分なしです。
個人的には、35話「蜂の巣」で魔弾の攻撃を受けたシャープハットさんが弾が当たるたびに状態異常を食らっていくシーンが好き。