こちらもHonto異世界転生福袋に入ってました。でもこれ、2020年の福袋にも入ってたんですよね。(というかほとんど被ってる)
注意書きに書いてよ! ってところなんですけど…
さて、ネタバレありの感想。
福袋に入っていた異世界物を読みまくってますが、今のところ一番面白いです。
先行作品としては、超有名な『信長のシェフ』がありますが、仕掛けはそれとおんなじです。
料理の腕がある高校生のサブローが遊牧民のエルフの世界に転生して、「料理」という概念をその世界に持ち込んで自分の世界を勝ち取っていくというお話。
「文化」を持ち込むに丹念に設定を作っていないといけないのですが、ちゃんとしたストーリーになっています。(もちろん現実世界の中央アジア遊牧民の文化を下敷きにして作ってはいるでしょうが)
現実世界でのサブロー君は野球部だったのに怪我をしてしまい、選手の道を断念しています。故にマネージャーとして選手を食事でサポートする立場。
この「食事でサポートする」という設定、プロローグの1コメに書かれているだけなのですが、ちゃんと書かれているだけで、異世界での立ち位置が腰が据わったものになっています。
私が1巻で一番好きなのは、他の部族に嫁に行く女の子に対して、彼女の手先の器用さをちゃんとわかったうえで料理を教えてあげる話なのですが、
「支える」という考え方ができる主人公だから、こういう話ができるのだ、と納得できるので、異世界転生の話にある(良くも悪くもの)勢いがなくて素敵です。
第五話で「街」が舞台になり、主人公のスキルがより広いステージで認められていくようになります。
この展開、王道ではありますが、やっぱり好き! 王道だから!笑
更に、同じく転生してきた人の存在も明らかに… といったところで次巻に。
※amazonレビューでは、主人公の俺ツエーを演出するためにエルフ文化の中で「食」に関するレベルを下げているのが不自然すぎる、とありますが私はあまり気になりませんでした。
俺ツエーするために料理しているわけじゃないというのと、今のところ高校生なのでやたらすごいスキルですごい料理を作ってるわけじゃないからいいんじゃないかな…?