日高ショーコ先生の新作が発売されました。
最近の作品だと『花は咲くか』『憂鬱な朝』『日に流れて橋に行く』を買っていたので、本屋さんで新作を見つけてそのままカゴへinしました。
掲載雑誌(ルチル)は読んでいないので、新刊・新作情報は大抵追えずに、本屋の平積みで知るという。
通常版と特装版があったので、特装版の方を購入。カラーイラストブックが付いていました。とても良かった……!
ということで、以下ネタバレ感想です。
『アンチロマンス』は不定期掲載だったので、第一話掲載から単行本発売まで4年4ヶ月ほど経っているそう。
『花は咲くか』のときにも思ったんですが、日高先生のお話は一話一話をじっくり味わうほど良さが染み込んでいくよなぁ、と。
完結してから一気に読むのも悪くはないけれど、【次】を待ちながら雑誌掲載の一話ずつだったり、単行本の一冊ずつを読む方がお話をより楽しめるように感じました。
作中、登場人物たちの気持ちの揺れ動きに合わせてゆっくりと流れていくような時間の感覚を、読んでいる側も擬似体験するというか。
丁寧に読み込む楽しさを感じさせてくれる作品を生み出される作家さんだなと思うのです。
今作は、幼馴染み同士の恋でした。
歳の差じゃない……!
過去作だと、年齢の差や立場の差で気持ちが揺れ動いて、みたいなところ(超ざっくり)が萌えポイントでしたが、今回はそれがないわけです。
どうなるの……!とそわそわしながら読み進めました。
幼なじみで、そのうえ6年に渡る同居生活。お互い好きなのに、友人として【何事もなく】過ごしてしまった期間があまりにも長すぎたから、もだもだするほど臆病で。
会社の先輩に(やり方はちょっと意地悪感もありつつ)背中を押され、主人公・亮がようやく均衡を崩しますが、そこからがまた、もだもだ。
二人が築き上げてきた【一緒にいたい友人】という関係性は、
亮の同居人(であり好きな相手)・周防にとっては、居心地が良くてラクだったわけです。それを壊すのが嫌で、逃げてしまう。
押してダメなら引いてみろ、じゃないですが、
それまでは【逃げる周防を亮が追う】シチュエーションばかりだった二人。ここにきて亮が逃げ出そうとしたとき、ようやく、関係が動き出します。
さて、ここまできて【受け・攻め】という単語が出ませんでしたね?
1巻を読み終えてもどっちがどっちかわかりませんでした!!
好きだという感情に向き合って、それを相手に伝えること。それを1巻で描き切ったので、受け攻めが必要になるのはこれからなんですよね。
しかも、二人とも男性との経験はないわけで。
どうなるんだろう……。
2巻が出るまでしばらくの間、気になり続けながら待つことにします。
もちろん、個人的にはどっちがどっちであろうと無問題で楽しめるんですが。