1巻を読んだ後、2巻、3巻、4巻と一気に読んでしまったので、感想もひとまとめにしちゃいます。
ほんとタイトル名のとおりで、マンガ大賞は節穴じゃないなと実感させてくれました。
(本屋大賞みたいに形骸化しないのを望む…)
さて、異世界物は最初の設定を使い倒す3巻以降が勝負なのですが、
フリーレンについては、問題ない、追い続けて大丈夫な作品だと確信しました。
※ここからネタバレ有り。
一番良かったのは、2巻~3巻で繰り広げられるVSアウラ編。
勇者ヒンメルと共に、かつて戦った相手と再び戦うって話ですが、話の構図がすごいできてるなぁと。
「魔族は言葉で人を欺く」これは作中の台詞ですが、よく言ったもので、確かに魔族は人間と交渉する必要ってないんですよね。
(この”確かに”という前提条件も実際には別に作中で語られている話ではなくて、今までの「異世界物」が積み上げてきた作品としての常識に則ってますね)
今のところ私たち人類には同等以上の知的生命体はおらず、他の種族と意思疎通を取ることもありませんが、もし宇宙人とコンタクトすることになったとしても、私たちが他の知的生命体から受け取る「言葉」というのは策略の道具以外の何物でもないでしょう。
魔族が人間と殴り合うための武器が言葉だとすれば、人間が魔族と殴り合うための武器が魔力であるのが「フリーレン」。
「言葉が通じるんだから、常識も我々と一緒なんだろなァ」という思い込みからグラナト伯爵領も危機に陥るわけですが、
アウラもまた「魔法を使えるんだから、常識(魔法力の誇示が魔族の存在を示す方法)なんだろなァ」という思い込みからフリーレンに敗北します。
この、「人は魔力で魔族を欺く」が決まった瞬間がめちゃくちゃきもちいいんですよね。
フリーレンが、勇者一行になる前の過去、(大過去とでも言っておきます)が勝負の決着を決める重要なカギになっていますが、この差し込み具合が絶妙です。
『葬送のフリーレン』の物語の核は過去への追憶ですが、追憶されるのは勇者一行との旅路の中で得た「感情」の原点です。
恐らく今後も、フリーレンが強大な敵に立ち向かう場面が来て、その度に勇者と旅をした伝説の魔法使いとしての力を見せてくれるでしょう。
そのタイミングでは必ず「技」の原点である師匠のフランメとの大過去の回想が入ってくると思います。
楽しみ楽しみ。
アウラ戦以降は大きな戦いはなく、新しい人との出会いと別れがメインストーリーでした。
その出会いと、出会いから思い起こされるヒンメルたちとの思い出がどうフリーレンに影響を与えていくのか、今後も目が離せません。
5巻は7月頃かな・・・?