今、スフィアの四人組が女優として、テレビドラマに出演している。
10年代前半をかけぬけたオタクとしては、声優ユニットのスフィアというのは少し感慨深いものがある。
私自身は特段好き! というわけではなかったけど、熱中している友人は何人かいて、それが強烈に印象に残っているという感じだ。
だからこそ、ファンではなかったとしても「我らが」と言いたくなってしまう。
そんな彼女らがドラマをやるとのことだったのでとりあえず録画だけはしておいた。
正直あまり期待せず見始めたのだが、想像以上に面白かった、そして薦めやすいので記事に残しておきたいと思う。
前後編30分というフォーマット
一番薦めたい理由でもあるのが、これ。
アニメやニチアサの見すぎかもしれないけれど、一時間ドラマは長いと感じてしまう。
劇団スフィアは前後編の各30分で、ちょうどよい長さだ。
11月6日が放送4回目で、話としては2話目の後半が終わる。
仮に今までの回をすべて見逃していたとしても、話に連続性はないので、11月13日の5話目から見始めてもいいわけだ。
こういうフォーマットのドラマってあまり見たことがないので、そういった点でもイッチョ噛みするのにも優しい。
舞台設定が面白い
例えば、2話目の話を取り上げてみる。
ある神社で働く巫女さんたちがスフィアの役回りだ。職場の人間関係はギスギスしている。そんな中、血まみれになったブラジャーが見つかった。そのブラジャーの持ち主は働く巫女さんの中の一人だった…一体盗み出した犯人は…
なんという話のつかみだろう。
この「血塗られたブラジャー」というレアすぎる組み合わせの小物を巡って話が進んでいくのが面白い。推理ものだが人は死なない。でも気持ち悪い血まみれのブラジャー
この記事を書くのにあたって、初めてHPを見たのだが、
あ、本当に劇作家の人が書いてるから「劇団」なのね、という自分の無知を恥ずかしく思った笑
実は「このドラマは、街の劇場で演劇を見るような楽しみがある」(キリッ
と書こうと思っていたのだが、恥ずかしすぎるのでやめました。
……と、いうこともあって、どこに着地するのかわからないドラマは面白い。
誰しもがそうなのかもしれないけれど、創作を鑑賞中における、その創作の着地点の予測が立ってしまうことはなんとなく寂しい気もする。
例えば我々世代なら必ず通過したであろう「ガンダム00」と「コードギアス」ならどちらが好きかと問われれば、、ギアスのほうがブランドがない分、展開が毎週手に汗握る感じで好きだった
00は「とは言ってもガンダムだからな」という見えない枠があり、物語の結末は予測できなくても、無茶な展開にはならないだろう、という暗黙の了解みたいなのはあったんじゃなかろうか。
もちろんその逆も然りで、ブランドがないと新規顧客獲得できないということだってある。
(かと言って、安牌に走りすぎると叩かれて終わってしまうのだけれど)
何にでもなれる女優としてのスフィア
話をもとに戻すと、こういった実験的な作品をスフィアという「演技力は未知数だが、キャラクターとしては安定していて、かつ色がついていない」キャストを使うことで、無理なく入り込んでいける、素敵な試みだと思う。
声優としてならある程度のこの人はこういうキャラを演じてきたので、こういう役回りが多い(から想像がつく)というのがあるだろうけれど、まだ女優としてのスフィアメンバーは無色なので、あまり気にせずに楽しめる。(対義語がキムタクはキムタク)
次回の放送の舞台はオタクから最も遠いあの場所だ。
どういう化学反応を見せてくれるのか、今からとても楽しみ。

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