オタク夫婦の「○○が好き」

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白棚線バス乗車レポート_福島県棚倉町に行ってきた

23年の2月に、白棚線(はくほうせん)跡を走るジェイアールバス関東の路線バスに乗って、新白河駅から水郡線磐城棚倉駅まで移動しました。

前半はその簡単な乗車レポートと、後半は棚倉町の公共交通について調べたので備忘録程度にまとめてみました。

 

 

 

前編:白棚線バスについて

 

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新白河駅東口 2月だからまだ少し雪が残ってる。

棚倉町行のバスは右側の停留所から出発する。

 

 

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南湖公園というのは、白河から棚倉までの道を1/5ぐらい行ったところにある公園。

 

 

 

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JRバスが路線バスを走らせているというのも、なんとも面白い感じがする。

案内図の中で白でガッツリ消されているところについては、おそらく2009年3月の改正によって廃止になった路線だと思われる。

 

 


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バスが来た。

 

白棚線は地方を走るバスにしては1時間に1本と、ものすごい便数があるので、普通に「使える」バスである。

磐城棚倉~磐城金山~白河 | ジェイアールバス関東

 

当然学生や高齢者が多く乗っていたものの、この時も普通なら家族が迎えに車を出してくれるぐらいの若い人がスーツケースと一緒に乗り込んできたし、白河と棚倉で人口7万人ぐらいだが、走らせれば人は乗るんだなぁ、という感想。

 

 

 


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お目当ての看板 笑

乗ったことないオタクからすると、「白棚線といえばバス専用道!!」というイメージしかないが、実際はそんなにずっと走ってるわけではない。

 

 


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関辺バス停

このバス停から、バス専用道が始まる。

道路の位置関係からして、バスが通常の道路と違うところを走っているのがわかるだろうか。

 


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番沢バス停

この辺りの直線が一番長い。

 

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専用道の終わり

 


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乗ってきたバスと棚倉町よりさらに東にある鮫川村町営バスのバス停も。

 

 

町立図書館の中で呼んだ、『棚倉町史』の中で面白い記述があったので忘備録のために記録しておくと、日本鉄道(東北本線)開通後、白河にエリアでの地位を取られた棚倉だったが、白棚線の構想にたどり着く前には、

福島を横断する鉄道として白河~棚倉~高萩(茨城県)の鉄道を模索していたり(結局磐越東線に負けた)、江戸時代からの結びつきが強い水戸に注目し、「白河~棚倉~水戸」の白水線計画なんてのもあったそうだ。

白水線計画については、明治44年3月の国会に「鉄道建設に関する建議案」として提出され、採択されたそうだが、同年12月で「白河・郡山地方に接続する路線」となってしまい、最終的にその後水郡線として完成し、白棚鉄道を苦しめることになった、とあった。

水郡線が棚倉まで延伸すると、東白河郡の南部と茨城県との結びつきが再び強くなり、白河→棚倉→東白河郡と影響力の中間地点であった棚倉の影響力が低下していったらしい。無念。

 

 

 

 

後半:町内の公共交通について

新白河駅~磐城棚倉駅はバスが走ってるから便利なんですけど、町内を走る福島交通と、東へ抜ける鮫川村町営バスは日祝走ってない。

福島交通路線図:棚倉・矢祭

村営バス「あおぞら号」 | 鮫川村公式ホームページ

 

驚いたのは町役場に公共交通が通ってないところである。

棚倉町役場のホームページ見ると、福島交通や福島空港ホームページへのリンク切れが放置されたままだったりするので(ってか、2015年から更新してないのか…笑)

街の公共交通に対する意識は低そうである。

時刻表 | 棚倉町公式ホームページ

 

棚倉町議会の議事録を見てみると、令和3年6月議会の答弁で、町民の中でも6名はスクールバスに乗れるように登録しているらしい。

検索しただけでは本当にそういう制度があるかわからなかったのだが、人口13000人の町ならば「ホームページに乗せてなかったから自分がスクールバスに乗れるなんて知らなかった!」と騒ぐ住民もいないということだろう。

 

あと、面白いなと思ったのが、白河市の東側(平成の大合併で白河市になった、旧東村)にある刈敷坂(かりしきざかと読む)から棚倉町の北部、堤地区を通過し、棚倉営業所まで走るバスが1日に3本(県立修明高校へ通う学生が利用する時間帯のみ走ってる)あるのだが、その堤地区にバス停がない。

コンビニがあるぐらいなので、バスが走っているならバス停があってもいいだろう、と思ったのだがよくよく調べてみるとちょっと面白い。

 

実は、2019年の9月末をもって、それまで福島交通が白河駅~刈敷坂~棚倉ってバスを走らせていて、そのバスは堤地区も止まっていたようなのだけれど、おそらく廃止するしないという話になったのだろう。

しかし、修明高校に通う学生もいるわけで、通学需要を賄うためにその路線に対して白河市が補助金を出して走らせることになったようだ。

白河市から棚倉町も通るんだから、運行経費への補助金出してよって持ち掛けられたけど、利用者がゼロの路線には補助は出せません、と断ったらしい。

じゃあ棚倉町になんか止める必要ないよね、ってことで白河市と棚倉町で揉めたっぽいですね。

(令和元年6月議会議事録より)

 

令和2年9月議会でも、堤地区にスクールバス走らせて町の中心部へ生徒を運ぶんだったら、その路線バスを使えるようにしたらいいじゃん、って話になってるんだけど、あいまいなまま終わってるので、ここは棚倉町としても譲れない何かがありそうだ。

 

実際、人口減少が続く中で、定時定路線(いわゆる路線バス)を税金を投入してまで走らせる意味はもはや…ってところで、スクールバスだとか、介護タクシーへ助成金を出したほうが結果的に安上がりで済むだろう、ということなんだと思う。

これは福島県の田舎の話だけではなくて、おそらく私が住んでいる首都圏でも公共交通がタッチ出来ていない「街の中でも不便なところ」にとりあえずコミュニティバス走らせてるけど、実際に利用している連中は少ない問題と一緒でしょうな。

 

 

福島県棚倉町には1泊2日して、徒歩で回れる範囲はそこそこ回ったつもりなので、この後もレポートを書いていこうと思います。