今年4本目の映画です。前情報一切なし。映画館のHPでちょっとあらすじ見たぐらい笑
ナチスを題材とした映画は言わずもなが現代社会に対する警鐘で、ジョジョラビットもそうであるんだけど、
そのことにどこまで自分の気持を寄せるかはおいておいても、映画として面白かったです。
ネタバレってほどでもないと思いますが、見終わった方向けに書いておりますので、よろしくお願いします。
冒頭の Komm, Gib mir deine Handはよかった。
ビートルズのI want to hold your handの独訳と言われてますが、歌詞見たらほとんど歌ってる内容が違っていて面白かった。
でも映画としてはこの曲名そのまんまだよね、って、感じ。
確か1月後半の「ジェーン・スー 生活は踊る」内コーナー「高橋芳朗のミュージックプレゼント」でも流れてたな…って今調べたら、映画のことも思いっきり語ってた。
ナチスに「熱狂する」ジョジョと、話が進むに連れ、反ナチであることがわかってくる母親との会話も面白かった。
『1984年』的に母親を密告して終わり、みたいな嫌な映画になったらどうしようと思ったけど、そんなことはなかった。
主人公の第二の親友とユダヤ人に関する話をするときの「見かけじゃユダヤ人かどうかなんてわかんねーよ」とか、「(ジョジョの彼女がユダヤ人なことについて)へー、いいじゃん! それよりロシア人のほうがよっぽど怖いよ笑」と話す姿が印象的。
まだ子供の空想家として描かれるジョジョと対象的に彼はリアリストな考えなんだけど、考え方に安心した。
特に今日においては世界中で顕著ですけど、「知らないから恐れる(知ろうともしない)」ってのがありますよね。
この映画においても、10歳のジョジョには「ユダヤ人」というのはみんなが敵として、つるし上げている名前だけしかわからない悪魔のような存在ですが、
いざ目の前にいるのは一人のお姉さん、エルサ。
訓練の時やそれまでの日常シーンでのイマジナリーヒトラーがエルサとの交流を重ねていくつれに語調がキツめになっていくのが印象的でした。
ナチス(ヒトラー)の持つ何か引き付ける力の本質は暴力であることがうかがえて来ますね。
何かとジョジョを機にかけてくれていたヒトラーユーゲントのリーダーの大尉もかなりいいキャラしていましたね。
ジョジョ宅がゲシュタポに乗り込まれるシーンでの機転の利かせ方、ジョジョとの別れのシーンはぞわぞわっとしました。
ゲシュタポと対立(もちろん表立ってではないですが、作中からは決して仲が良いわけではないことがうかがえますので)させることで、「ドイツの良心」を表していたんではないか、と思います。
エルサ役のトーマシン・マッケンジーさんめっちゃ美人でしたね。
両親も死も恋人も死に、明日の自分もそうなるかもしれないという状況での、気丈夫さをあんな上手に表現できる演技力に驚きました。
ラストカットはダンスがスタートするところ。
人生はやっぱり踊りたいときに踊れるようなものにしたいですね。