アマプラで視聴しました。ずっと気になっていた映画だったんですが、GWの力を借りてみました。
面白かったですね。ビートルズのことを詳しく知らなくても、出てくる曲の半分以上は聴いたことある曲でしょうから、特に問題はございません。
ビートルズの音楽がもしもこの世にいなかったらどんな音楽シーンになっていただろうか、というIFを取り上げたこの映画。
かわぐちかいじが2010年に描いた『僕はビートルズ』とアイデアは全く一緒なんですが、どの仮想戦記もミッドウェー海戦に自衛隊の護衛艦をタイムスリップさせるのがお約束なように、ビートルズがいなければ、というのも世界的なアイデアなのかもしれません。
※『僕はビートルズ』って最後どうなったんだかな。
主人公の歌う歌が盗作ってばれちゃったらどうするんだ、と劇中の主人公以上に見ている私たちもハラハラしっぱなしの2時間体験です。
ビートルズ楽曲の力を借りてガンガン成長していって、それこそやってることは
「ビートルズのいない世界でイエスタデイを歌ったら世界一の歌手になった件」みたいな異世界転生よろしくなタイトルがつけられちゃいそう笑
楽曲の持つ力に溺れずに、主人公は終始びくびくしながら話が進んでいきます。
だからこそ、気持ちよく観られます。(最後にはよいように事実が発覚しちゃうだろうな、という疑似結末を想像できる)
どこで調子乗ったしっぺ返しを食らうか、というハラハラはしなくていいだけ、安心して鑑賞できるといってもよいかもしれません。
この作品が面白いのは、世界から消えてしまったのがビートルズだけではなく、元いた世界(私たちが住む世界)でナンバーワンだった作品や商品が全て消えていること。
例えばコカ・コーラがなくてペプシしかなかったり、ハリーポッターがなかったり。
これはスパイス程度の扱いで、本筋にはあまり関わってこないので、一見スパイス程度の扱いに見えるものの、この作品のテーマが「ナンバーワンが誰にとってもよいとは限らない」なので、重要な仕掛けでした。
他にも、ビートルズの60年代の価値観をそのまま現代に持ってきて「いや~、それはないでしょ」と言われるシーンも見物。