6月23日に公開された映画『君は放課後インソムニア』感想です。
アニメはまだ全部追いかけられてなくて、漫画は最新刊まで追ってる感じです。
原作未完の青春ものを映画化するにあたり、一番悩ましい「どこまで描き切るか」問題に加え、
実写化につきものである、なんとなくファンの中で共有されている「演者がどこまで介入してくるか」問題がありますが、
今回の『君ソム』両方ともクリアできてる、いい映画ですね。
ストーリーラインとしては、00年代にオタクやっていた我々からすれば王道の「部活やる、女の子の秘密知って仲深める」をやっているわけですから、よっぽどのことがない限り失敗はしないストーリー(逆を言えば大成功もしない)で、静的な恋愛漫画を丁寧に実写化しているので原作ファンからしても文句なしの出来だと思います。
以降、ネタバレなしの感想です。
主役、森七菜がよい これに限ります。
実写化発表されたときに森七菜が主演って聞いて、まさに適役of適役では?!と思ってたんですが、本当に適役でした。「曲伊咲が本当に出てきたな…」と。
主演の映画もドラマも見る機会がなく、多くの方同様にオロナミンCのCMのイメージの人で、今回が初めて彼女の演技を見る作品だんですが、彼女のみずみずしさがたまらなかったっすね。
みずみずしさを感じるのと同時に、捜索において常にその人物像の裏に隠された鬱屈した何かをマゾヒズム的に探してしまうわけでもあって、実際に森七菜も週刊誌を賑わせた、プラスにはなかなかならない出来事が彼女の経歴に現状ついています。
それが伊咲の持つ「あまり人に言いたがらない自分の事」に「繋がっていく」のが見事だなと感じました。
(もちろん、主演女優のそういう事情を見込んでキャスティングしていることは明白ですね。)
※そもそも、純粋たるみずみずしさは成り立つのかは謎ですけど。(三島由紀夫の『潮騒』っぽい疑問)
主演の森七菜も今後も大いにテレビに映画にと活躍していくことでしょう。
実際のところ、週刊誌報道があったとしてもそんなことは気にならない、例えるならwikipediaの章立ての中に位置するぐらいのキャリアを積んでいかれると思います。
今作は彼女のそんな過渡期で揺れ動くように見えてしまう我々のある種下世話な目線が、ぴったりと作品の波長に合ったと感じます。
これを5年後、10年後に見ても「週刊誌報道…?へぇ~、あったんですね(無関心)」となるわけで、主演と主人公の化学反応が起こらないことでしょう。
当然2023年の今見ても知らない人は