オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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エメラルド春の号2024『世界一初恋』感想

本日4/30にエメラルド春の号が発売されました!

セカロマ公式アカウントより、2/9に春エメの掲載予告動画が一時的に公開され、0日を迎えることが予告されました。

あれから二ヶ月半、狂喜乱舞で過ごしてきました。

最近は誰の場合かも告知せずに掲載されることが多かったので、小野寺律の場合であることだけでなく、ついに0日を迎えることまで事前に発表されるとは思いませんでした。

アニメイトさんとのフェアもありますし、公式が大々的に高野さんと律っちゃんのことをお祝いしてくれているようで、一ファンとしてもとっても嬉しいです!

ということで、以下ネタバレ感想です。未読の方はご注意を。

 

 

 

 

展開のはなし

 

二人のこれまでを思い返すような展開でした。

①高野さんのことを好きだと言う相手に感情を揺さぶられ→横澤さん

②落としそうな原稿の手伝いに駆り出されて、缶コーヒーを奢ってもらう→『小野寺律の場合』NO.1のエピソード

どちらも懐かしさはありつつ、けれど律の成長を感じられる描写になっていました。

 

①では、横澤さんのときとは違い「高野さんは律のことが好き」だと理解しています。そのため、不安にはなりつつも、横澤さんと比較して卑屈になって……みたいなことにはなりませんでした。あくまで、自分が行動しなかったせいで……と感情の起爆剤となっています。

ちなみに、横澤さんと高野さんの関係について、高野さんからきちんと言及されたシーン(4巻 NO.6)の天気は雨からの雪でしたね。

 

②は仕事面での成長を感じられました。

NO.1は入社したばかりの頃だったので、印刷所との交渉は高野さんが行っていました。原稿の手伝いも、律は手が空いていたから連れて行かれただけ。

けれどそれから一年ほど経ち、印刷所への泣き落としは律が担当しました。高野さんの指示のもととはいえ、何とか入稿の日にちを伸ばせたのはさすがです。早朝に叩き起こされて原稿の手伝いに連れて行かれたのも、高野さん直々のご指名みたいなものです。日頃の頑張りを認めてくれているからこそ、なのかなと感じました。(一緒にいる時間を少しでも確保したいという下心ももちろんあるでしょうけど)

 

さて、告白までのシーンも過去のやりとりを彷彿とさせます。

③駅の出入り口で相合傘をする二人(p.509~510)→高校の昇降口で二人並んで傘をさす嵯峨律(6巻 高野政宗の場合NO.1)

④駅を出てから部屋に戻る→尚と同居していた頃のシーン(14巻 NO.28)

⑤告白して部屋に戻る→土砂降りの雨で告白の声がかき消される(6巻 NO.10)

 

まず③ですが、高校生の頃は手を繋ぐだけで奇声を上げて逃げてしまう律でしたが、十年経ち、相合傘で手を繋ぐことまでできるようになりました。

律の傘に入る、という同じ行為をしていても、高校時代は律が持ってきた別々の傘で、今は一緒の折り畳み傘。状況が違うとはいえ、心の距離がぐっと近づいたんだなと感じられました。

 

④は、同じ帰り道・部屋なのに感情の動きがNO.28と逆だと感じたシーンです。

急に降り出した雨の中、手を繋いでマンションまで走った二人。けれどエントランスで尚に会い、苛立った高野はびしょ濡れのまま律と言い争う。

NO.28は、ポジティブな感情からネガティブな感情へ変化していきます。手を繋いで走る高野さんの無邪気な表情(p.99)があるからこそ、その後の展開が大変辛いです。

けれど今回のNO.38では、ネガティブな感情のまま駅から駆け出した律が、追いかけてきた高野に告白することで、次第にポジティブな感情へと変化していきます。雨に濡れて体が冷えてしまうことを気遣えるくらい、高野さんの心に穏やかさがありました。

NO.28のしんどさがあったからこそ、今回の展開はより感動的でした。

 

そして⑤。

④のシーンと重なっていますが、6巻 NO.10とも比較ができます。

雨の中で告白したのが、NO.10のリベンジのように感じられました。(律本人の気持ちではなく、あくまでストーリーとして、ですが)

告白とその後のシーンですが、どちらも『雨に濡れていることが気にならない』=『余裕がない』ということなのかなと。

NO.10では雨宿りしたままの告白でしたが、NO.38では終始雨に濡れたままです。今回は傘が一本あるのに。追いかけて、手に傘を持っていたはずの高野さんですが、差す余裕もないくらい動揺していたんだろうな、と。最初はネガティブな意味で、告白からはポジティブな意味で。部屋に戻ってからは、NO.38の高野さんは律のことを気遣えています。

一方NO.10の高野さんは、雨で濡れた服を拭くことすらしません。律の告白未遂(聞こえなかったので)で余裕がなくなったため、せっかく雨宿りしたのに濡れながら帰宅して、そのままだったのかもしれません。

 

 

これからのこと

最終回じゃなかった!!

0日で終わってしまうのではという不安もあったのですが、最終ページの「つづく」の文字にほっとしました。夏エメの予告ページでも最終回とは記載されていなかったですし。

正社員登用試験やエメラルドの紙面リニューアルもあるので、ストーリー的にはまだまだ先がありそうだとは思っていたのですが、続くのだとわかって一安心です。

小野寺律の場合No.1の初出が2006年11月なので、付き合うまでに17年半かかりました。

付き合い始めた高律をどのくらい堪能できるのか……せめて20周年はお祝いしたいところです。

いや、もっと末長く!!

せっかくなのでアニメ三期もぜひやってほしい。ずっと待ってるから……!

 

 

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