語学界隈のTLを賑わせた「спа шива」からはや一ヶ月・・・
『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』1巻の感想です。
大学時代に1年間週1コマ、ロシア語を勉強した私としては履修しないわけにはいかないだろう、と思って100年ぶりにラノベの新シリーズをラノベで買ってきました。
面白いので買って損はないと思う。(特に私のようにラノベから離れてしまったかつての読者の皆様)
以下、感想。ネタバレはなし。
ロシア・ロシア語要素はない
特に語学界隈TLの方々は残念がると思うんですけど、
普通の学園ものラノベです。
なんか皆さん、「ガルパン」のプラウダ高校から戦車要素抜いたような感じやろなぁ…って(私も含め)うすぼんやりと思ってるんじゃないかと思うんですが、
「ヒロインのアーリャさんがロシア人ハーフで、主人公にデレるときだけロシア語を話すよ」
「主人公はロシア映画が好きだった祖父の影響もあってロシア語がわかるよ」
という以外、ロシア要素ありません。
ボイスドラマで声を当ててる上坂すみれのように共産趣味者でもないですし、学食でボルシチ食べたりしません。つばさ君というおとぼけな学友もいません。
ロシア要素一切なし。一か所だけ、ロシアの地名が出てくるぐらいかな?
超・高嶺の花の彼女の内面をわかっちゃうオレなのだ!
という設定にロシア語が使われているだけで、別にアルメニア語であろうが、インタースラヴィクであろうが、ヒロインと主人公の間だけにわかる共通のサインがあればなんでもよかったのだ~、という感じです。
ドイ語だのチャイ語だの言われてしまうようないわゆる第二外国語ではあんまり秘密にならんしな…ってところでのロシア語。(後、最近のオタクはドイツ語を厨二病と馬鹿にされすぎたので、ロシア語のほうを好むと思う)
ただ、そういうこというのはヤボなんで。
前述のとおり、ハルヒ以来のラノベ全然読んでないので、(調べたら大学生の時に三上延の『モーフィアスの教室』を読んだのが最後だった)昨今の流行がわからないので、他の作品と比べるといった、批評ができないのですが、
ヒロインのために努力するやれやれ系主人公、というのがアラサー世代の私たちにとっては王道で非常になじみやすいストーリー構成なので、ロシア語要素がなかったことのガックリ感を差し引いても、十分に楽しめた作品でした。
生徒会がすごい力を持ってるんだぞ、という設定もなんとなくもう廃れた文化なのかなと読む前までは思っていたんですけど、相変わらず生きていて安心しました。
(よく考えたら『帝一の国』があった。ちゃんと引き継がれてるんだった)
2巻も8月に発売されるということで、なんとか7月を乗り切っていければと考えております。
ハルヒ2巻(涼宮ハルヒの溜息)と同程度の印刷部数を予定してるという告知もあり、界隈が盛り上がってるんだなと感じられていいですね。
アニメ化もやってくれるなら是非お願いしたいっすねぇ。ロシアでも日本のサブカルが人気ってのを見聞きしますし。
ただアニメ化したらより多くの人が「ロシア要素ないやん」ってびっくりすると思う笑
野暮だ、と前述したものの、"Я тебя любю"は"люблю"の間違えなんじゃないかとモヤモヤします。ここだけは大事なシーンだからどうしても言及したかった…笑
スパシバ案件がなければ、かわいく言ってるように演出しているだけか? とも思えたのでしょうけども…
ただ、ニューエクスプレスしかやってない私ではただの間違いではなくて一種のスラングのような言い回しの可能性があることを否定しきれないので、このあたりは有識者の方にお願いしたいところ…