オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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映画『スーパーヒーロー戦記』感想 映画としてあれでよかったの?

さて、ライダー50周年、スーパー戦隊45周年記念作品の『スーパーヒーロー戦記』観てきました。

 

今作のテーマは「ヒーローは止まらない」でしょうか。

良くも悪くも、そのメッセージはしかと受け取りましたってところかな。

 

以下、ネタバレありの感想。まだ見てない人はぜひぜひ。


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良かった点

石ノ森章太郎というシカケ

特撮ファンの鈴木福くん(もう君呼びは失礼かもしれませんが)が大方の予想通り石ノ森章太郎役として出ていました。

石ノ森章太郎がどういう思想の元、作品を作り出してきたのか、あまり詳しくはありませんが、

「仮面ライダー」というヒーローが抱えている、「善」と「悪」が一つの力に内在していることへの苦悩についてが描かれているのはよかったなと思います。

 

 

 

個人的に悔しいなと思っているのは、あんまり石ノ森章太郎の背景を知らないので、芽衣ちゃんが担っていた「姉」という役回りが石ノ森章太郎作品をよく表しているという批評をTwitterで観て

「あー、それな」と言えないところ。

(wiki見ると、一緒に上京した姉のことを念頭に入れてるようですね)

 

 

文豪にして剣豪の仮面ライダーセイバー

いやいや、もう本編も佳境なのにやっと飛羽真の文豪の設定が生かされましたね。

章太郎と机で向かい合って原稿にペンを走らせる姿、セイバーでなければ不自然すぎてできなかったでしょう。

(それでも小説家設定が本編で生かされていなさ過ぎて「なに急に小説家やってんだよw」と思わなかったわけではないけど)

今回はセイバーが現実、戦隊が物語ということで話が進んでいましたので、それとの親和性もよかった。

先週のゼンカイジャーとのコラボ回もそうですけど、他作品と組ませるとセイバー陣、途端に生き生きしてきますよね。

なんで本編でこれができなかったんだ、と。

 

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

 

本郷猛(藤岡弘、)の想い

いや~、最終対決が終わって、石ノ森章太郎と本郷猛との別れのシーン、これのために1900円払ったと言っても過言ではありませんでしたね。

泣きました。

 

ヒーローたちの活躍ってのは、ヒーローに憧れたみんなの心にずっとある! はい!

だからこそ私たち夫婦も子供がいなくたって今日もライダー・戦隊を追いかけてるわけですから。

 

 

 

悪かった点

メッセージ性を子供向け映画に出していくことの難しさ

私たちはアラサーですので、90%楽しめたんですけど、

キッズたちはどうだったんでしょうか?

せっかくゼロワンやジオウ、キラメイブルーといった直近のレジェンドに出てもらったのですから、もう少し丁寧なバトル描写があってもよかったんじゃないかなぁと思います。

近くに座っていた現役世代の子が「ゼロワンだ…!」「ジオウだ…!」と登場シーンで声を漏らしていたので、もっとキラキラさせてあげたかったなぁと。

 

西遊記と南総里見八犬伝をモチーフにしたのはよかったなと思いますが、

でも両方とも現役キッズにはちょっと縁遠いテーマだったのかなとも思います。

 

OBOGの皆さんも最後には大勢の中の一人扱いになっちゃって、最後どうなったかわからないままですし。

 

特に主役級のジオウゼロワンの2人はいわゆる本人出演ですから、

今回の作品のテーマとしては、別れ際でもいいんで、一言二言それっぽいコメントがあってもよかったんじゃないかなと思います。

 

 

またセイバーの残念ポイントに話が飛んでっちゃうんですけど、このあたりがすげーもったいないなと思っていて、やっぱり『セイバー』は文豪モチーフを生かして、本編ではライダー同士で内ゲバさせるんじゃなくて、こういった名作に則ったお話作りをしていくべきだったんですよね。

子どもたちがニチアサと並行して、または卒業した後にどんな物語を選んでいくのか、いくらでも間口を広げられたのに。

 

 

新ライダー・『仮面ライダーリバイス』

新ライダーの顔見せは必須だってことはこっちだってわかってるんですけど、

うーん…もう少しなんとかなりませんでした?

 

映画のテーマ性を重要視するなら、

「セイバー! ライダーの未来は俺たちに任せろ!」みたいな一言ぐらい言わせて、ヒーローは止まらないというテーマが継承されていくことを示す

 

映画のテーマ性を無視するなら

メインバトルにはリバイスを参加させず、本編終了後、実は倒し切れてなかった怪人を完全に倒して終わり

 

ジオウ→ゼロワンのときも別に絡みなかっただろ! って言われるかもしれませんけど、

いやいや、今回原作者モチーフにして、レジェンドの本郷猛まで出てるんだから、テーマ性軽視は作品に失礼だろ、と。

 

 

エピソード0 みたいなのを本編の後でやるな

『スーパーヒーロー戦記』自体はすごいよかったなと思ってたんですけど、終わった後にリバイスのエピソード0が始まった時の「?!」感ね。
こちとら本郷猛のアツい想いに胸を打たれてジーンと来てたわけですよ。

そこで急にリバイスみたいなテンションで来られても困っちゃうんですよね…

 

(余談ですが、リバイスは「ゼロワン」「セイバー」に比べたらかなり明るい作風ですね。テンションとしてはキラメイ・ゼンカイに寄せてきた感じがあります。おもちゃの売上はわかりませんが、2作とも評判がイマイチなところを制作側も感じているんだろうな、と)

 

 

総論 

昔、ゴジラとハム太郎が抱き合わせで映画にさせられたりしてましたけど、

観に行ったどちらかのファンってこんな感じで映画観てたんだな…とちょっとアンニュイな気持ちになりました。