オタク夫婦の「○○が好き」

30代オタク夫婦の語り場です。漫画・映画の感想がメイン。特撮と世界一初恋とBANANA FISHもアツい。そんな夫婦です。

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映画『キネマの神様』感想 松竹映画100周年の名作

大学の後輩から「キネマの神様面白かったですよ」というLINEを急にもらったので、彼がそう言うなら、ということで早速観てきました。

 

劇場はほぼ満席。平日の昼間に行ったので、当然観客はおじいちゃんおばあちゃんばっかり。たぶん、『男はつらいよ』をリアタイ視聴してた連中だな…と思うと羨ましい限り。

 

感想を書くにあたってHP等を見て、この映画が最初志村けん主演で作られてたことを知りました。

確かに作中で一か所「なんでこのタイミングでこれが?!」ってのがあったんですよね。あれは志村けんがこの映画に関わっていたんだぞ、というのをエンドロールだけではない、彼へのリスペクトだったのだなと今になって思った次第。

 

 

つらつらと感想を書いていきます。

一応、ネタバレあり。

 

 

 

 

 

閉塞感漂う現実を打破するのは過去か未来か

アルコール・ギャンブル依存症で借金取りが家に来るほどに家族に迷惑をかけまくっている主人公ゴウ(沢田研二)、仕事の契約が切られてしまった娘、引きこもりがちの孫(でも働いてはいるっぽいな)、おろおろすることしかできず、娘からも詰められる妻。

「酒とギャンブルの代わりに、お父さんが昔から大好きだった映画を観まくったらいいじゃない!」ということで昔馴染みがやっているミニシアターへ。

そこで流れる映画を観て主人公は「あの女優の瞳には俺が映ってるんや…」とつぶやく…

 

冒頭はこんな感じですかね。

この家族、家庭としての閉塞感、もうまさにコロナ禍における今の私たちですよね。

息はつまりそうだけどなんとかやってる、でも悪い方向に進んでるのは間違いない。

 

過去

映画は過去編、主人公のゴウが松竹で助監督として映画を撮っていた古き良き時代へ。

過去編が始まるまではゴウのだめだめっぷりを「ひゑ~」って気持ちで観させられるわけですが、そのタメがあったからこそこの過去編のきらびやかさがよりまぶしい。

 

そう、過去編がすげえおもしろいんですよ。

ゴウも含め、そこで働いてる人がみんな生き生きとしてる。出前のカツ丼はおいしいし、熱意をもって仕事に取組み、仕事が終われば撮影所の近所の食堂で飲み食いし、職場の人と親睦を深めながら明日も頑張ろうとやっていく…

 

この劇場で観てるシニアたちもこんな現役時代を過ごしてきたんだろうなぁと別のところに思いをはせたり。

 

「日が沈んだら撮れなくなる! 走って太陽に待ってもらうように行ってこい!」

「はい!」

なんてシーンがありましたが、こんなんもう令和じゃ再現不可能ですよね。

 

 

そして、過去編から現実への移動が「キネマの神様」の脚本というアイテムを通じてシームレスに行われるのが本当に良い。

さすが巨匠っす…

 

未来

ちゃんと映画として、主人公たちが現状を打破できる見込みが立ち、物語が終わったのは本当によかった。(借金はどう返したのか気になるところではあるけど)

父親が在りし日の活力を取り戻したことで、ゴウと妻、娘のこじれた関係の禊も終わり…

 

この作品の現実の時間の進み方(暗いところから明るい方向へ進む)のが望まれるべき私たちの未来だと仮定すると、人と人との縁をつなぎ続けていくことこそが、この閉塞感を打ち破る鍵なんだ、というのが私たちが受け取るべきメッセージでしょうか。

 

ラスト、ゴウは映画に魂を引き寄せられてそのまま死んでしまうわけですが、なんかこんなご時世だからかな、死なないで夢オチみたいに終わってもよかったんじゃないかなってちょっと思いました。

「何よお父さん、せっかく連れてきたのに寝ちゃって!」

「あれは夢か…よし、勇太! 帰って新作を考えるぞ! 緊急事態宣言がなんだ、外に出られなくたって映画は不滅なんだ!」

的な。

でも安っぽいな、自分で書いておいてなんだって話かもしれませんが笑

 

 

 

 

個人的に好きなシーン

・家出していたゴウが孫の勇太の部屋に庭から上がり込み、金を借りるために夢で見たお告げの話をするシーン

これすごい寅さんっぽくて萌えた。

 

・エンドロールで監督がお世話になってきた先輩や、映画を作ってきた先人にお礼のメッセージを入れてるところ

こういうのに弱い人なので。

 

余談:菅田将暉すごい

仮面ライダーW以降、菅田将暉が主演の作品ってほとんど観てなかったんですけど(『ごちそうさん』は杏より先に私が嫁いびりに耐えられなくなって観るの辞めた笑)、菅田将暉の気風の良さって「すごい」の一言に尽きちゃいますよね。

初監督映画で先輩に撮影方法に口を出されて逆切れしてそのまま会社を退職しちゃうゴウを観客に「さもありなん」と思わせてくれる感じ、菅田将暉じゃないと出せないよね。

どいつもこいつも菅田将暉をキャストしやがってよ~、なんて思ってましたが考えを改めました。

 

 

余談:原作との違い

映画を観終わった後、本屋によってちょこちょこ~っと原作本を読んだんですが、原作では孫の力によって映画ブロガーになったゴウと淑子がいろんな映画について語って人気になっていく、って感じっぽいですね。

映画ではコロナ禍の話になっていて、映画館が閉館してしまう原因も緊急事態宣言でしたが、小説では違う理由みたいです。(該当するページだけたまたま目に入っちゃったんですが、気になる人は買って読もう)

 

 

 

でも映画のほうが大衆向け(想定する視聴者層)がわかりやすいし、求められてると思うので、原作と映画で大幅にスジが異なっていてもこれはアリなのではなかろうか。

 

 

 

※併せて読んでね

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

 

映画『スーパーヒーロー戦記』感想 映画としてあれでよかったの?

さて、ライダー50周年、スーパー戦隊45周年記念作品の『スーパーヒーロー戦記』観てきました。

 

今作のテーマは「ヒーローは止まらない」でしょうか。

良くも悪くも、そのメッセージはしかと受け取りましたってところかな。

 

以下、ネタバレありの感想。まだ見てない人はぜひぜひ。


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良かった点

石ノ森章太郎というシカケ

特撮ファンの鈴木福くん(もう君呼びは失礼かもしれませんが)が大方の予想通り石ノ森章太郎役として出ていました。

石ノ森章太郎がどういう思想の元、作品を作り出してきたのか、あまり詳しくはありませんが、

「仮面ライダー」というヒーローが抱えている、「善」と「悪」が一つの力に内在していることへの苦悩についてが描かれているのはよかったなと思います。

 

 

 

個人的に悔しいなと思っているのは、あんまり石ノ森章太郎の背景を知らないので、芽衣ちゃんが担っていた「姉」という役回りが石ノ森章太郎作品をよく表しているという批評をTwitterで観て

「あー、それな」と言えないところ。

(wiki見ると、一緒に上京した姉のことを念頭に入れてるようですね)

 

 

文豪にして剣豪の仮面ライダーセイバー

いやいや、もう本編も佳境なのにやっと飛羽真の文豪の設定が生かされましたね。

章太郎と机で向かい合って原稿にペンを走らせる姿、セイバーでなければ不自然すぎてできなかったでしょう。

(それでも小説家設定が本編で生かされていなさ過ぎて「なに急に小説家やってんだよw」と思わなかったわけではないけど)

今回はセイバーが現実、戦隊が物語ということで話が進んでいましたので、それとの親和性もよかった。

先週のゼンカイジャーとのコラボ回もそうですけど、他作品と組ませるとセイバー陣、途端に生き生きしてきますよね。

なんで本編でこれができなかったんだ、と。

 

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

 

本郷猛(藤岡弘、)の想い

いや~、最終対決が終わって、石ノ森章太郎と本郷猛との別れのシーン、これのために1900円払ったと言っても過言ではありませんでしたね。

泣きました。

 

ヒーローたちの活躍ってのは、ヒーローに憧れたみんなの心にずっとある! はい!

だからこそ私たち夫婦も子供がいなくたって今日もライダー・戦隊を追いかけてるわけですから。

 

 

 

悪かった点

メッセージ性を子供向け映画に出していくことの難しさ

私たちはアラサーですので、90%楽しめたんですけど、

キッズたちはどうだったんでしょうか?

せっかくゼロワンやジオウ、キラメイブルーといった直近のレジェンドに出てもらったのですから、もう少し丁寧なバトル描写があってもよかったんじゃないかなぁと思います。

近くに座っていた現役世代の子が「ゼロワンだ…!」「ジオウだ…!」と登場シーンで声を漏らしていたので、もっとキラキラさせてあげたかったなぁと。

 

西遊記と南総里見八犬伝をモチーフにしたのはよかったなと思いますが、

でも両方とも現役キッズにはちょっと縁遠いテーマだったのかなとも思います。

 

OBOGの皆さんも最後には大勢の中の一人扱いになっちゃって、最後どうなったかわからないままですし。

 

特に主役級のジオウゼロワンの2人はいわゆる本人出演ですから、

今回の作品のテーマとしては、別れ際でもいいんで、一言二言それっぽいコメントがあってもよかったんじゃないかなと思います。

 

 

またセイバーの残念ポイントに話が飛んでっちゃうんですけど、このあたりがすげーもったいないなと思っていて、やっぱり『セイバー』は文豪モチーフを生かして、本編ではライダー同士で内ゲバさせるんじゃなくて、こういった名作に則ったお話作りをしていくべきだったんですよね。

子どもたちがニチアサと並行して、または卒業した後にどんな物語を選んでいくのか、いくらでも間口を広げられたのに。

 

 

新ライダー・『仮面ライダーリバイス』

新ライダーの顔見せは必須だってことはこっちだってわかってるんですけど、

うーん…もう少しなんとかなりませんでした?

 

映画のテーマ性を重要視するなら、

「セイバー! ライダーの未来は俺たちに任せろ!」みたいな一言ぐらい言わせて、ヒーローは止まらないというテーマが継承されていくことを示す

 

映画のテーマ性を無視するなら

メインバトルにはリバイスを参加させず、本編終了後、実は倒し切れてなかった怪人を完全に倒して終わり

 

ジオウ→ゼロワンのときも別に絡みなかっただろ! って言われるかもしれませんけど、

いやいや、今回原作者モチーフにして、レジェンドの本郷猛まで出てるんだから、テーマ性軽視は作品に失礼だろ、と。

 

 

エピソード0 みたいなのを本編の後でやるな

『スーパーヒーロー戦記』自体はすごいよかったなと思ってたんですけど、終わった後にリバイスのエピソード0が始まった時の「?!」感ね。
こちとら本郷猛のアツい想いに胸を打たれてジーンと来てたわけですよ。

そこで急にリバイスみたいなテンションで来られても困っちゃうんですよね…

 

(余談ですが、リバイスは「ゼロワン」「セイバー」に比べたらかなり明るい作風ですね。テンションとしてはキラメイ・ゼンカイに寄せてきた感じがあります。おもちゃの売上はわかりませんが、2作とも評判がイマイチなところを制作側も感じているんだろうな、と)

 

 

総論 

昔、ゴジラとハム太郎が抱き合わせで映画にさせられたりしてましたけど、

観に行ったどちらかのファンってこんな感じで映画観てたんだな…とちょっとアンニュイな気持ちになりました。

 

 

 

映画『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』感想 今だからこそ観たいヤクザな作品

緊急事態宣言も終わったことなんで、さっそく映画を観てきました。

吹替の千葉雄大ってこういうちょっち生意気な感じの役回りがほんと似合いますねぇ。

(光源氏くんなんかぴったりすぎる!笑)


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1は劇場で観たので、金ローは今回スルー。

 

 

以下、ネタバレ有りの感想です。

 

 

 

 

 

1を見た人はすべからく思ったことと思いますが、私たちが原作のイメージとしてもっている牧歌的なそれをボコボコに(特に配慮もなしで)しているのは2でも健在です。

 

話の作り的なことだけ言ってしまえば、湖水地方から飛び出たピーターが表題にも出てきてるバーナバスという父親の古い知り合いにそそのかされ「ワル」をやってしまい、その後1のライバルキャラだったマクレガーさんと和解し、協力してミッションに挑む…

てな、よくある「2」の作り方なので、その手のカタルシスは正直ないと思います。

 

でも、そういう映画じゃないんで、『ピーターラビット2』は…

 

 

ピーターたちがはちゃめちゃやって笑ってすっきりしちゃえばOKな映画です。

もう1年以上、自分や周りを律することを強いられているじゃないですか、私たち。マスクしろだの距離開けろ、集まるなetc・・・

 

もうそういうのお構いなしにスクリーンを飛び跳ねるピーターたちの「ワル」を見て愉快な気持ちになることでスッキリさせてくれます。

特に堅苦しいお説教なしだし、物語の悪役もそれなりの報い?を受けますからね。

 

近頃は関東地方が梅雨にも入って、余計にモヤモヤした日が続きますから、そういうのを吹き飛ばすためにもこの映画、観に行ってはいかがでしょうか。

 

はちゃめちゃやるけど、ちゃんと子供が見ても大丈夫なような優しい映画に仕上がってます。

興行収入もよさそうなので、3もありそうですね、これは。

 

イギリスの作品が原作の映画だと、『パディントン』シリーズも好きで、本作とは違いますが、同じ国の原作映画としては、こちらもおすすめ。

 

 

 

 

 

映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』感想 あぁ、ファンでよかった

やっとこさ観てきましたよ、ハサウェイ!

 

ばーっとした勢いで感想。


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MSの戦闘すごすぎる問題

今回の作品は導入部分だけあって、戦闘シーンって正直少ないです。

物語8の戦闘シーン2ぐらい。

物語に引き込まれながらも、「早くクスィーガンダム出てきて~」とみんながみんな待ち望んでいたわけですけど、

戦闘シーンまぁすごい。くっそリアル。

ロボットアニメだと『シン・エヴァ』『楽園追放』をここ最近見ましたけど、特にエヴァなんか書き込みの物量でモノ言わしてくる感じあったじゃないですか。

あれってインパクトある反面、最近のワンピースみたいに見た直感の煩わしさも同時に抱えてたと思うんですね。

とりあえず無人機出しておいて板野サーカスやったろ! みたいな。

 

でも、今作の戦闘シーンは物量で攻めてこない分、描写力がものすんごい。

コックピットで表示される敵機の情報一つ見ても、その挙動がすんごいでんすよ。

宇宙と違って、空中戦の描写って地上のオブジェクトもあるから難しいと思うんですけど、そこを絵の重みを出すことで観てる我々のみぞおちにドスっとボディブローを入れてくるかのような「こ、こいつはすげぇ…」

 

リアルさを追求することで、建物は崩壊するし、街は燃えるし人はうぎゃあーってなっていくんですが、(このあたりの描写も、宇宙世紀ものでは初めてでは? ビームの火花とかすげえよほんと)

ここをリアルに描いていけばいくほど、街中でドンパチ始めるマフティーはテロリスト! 理想ばっかりで民衆の味方をしてるわけじゃない!

ってのが映えてくるんですよねぇ…ニクいわぁ。

 

ギギ、イイ女すぎる問題

なんだよ、戦闘シーンの割合2かよ! とがっくりした方、全然がっくりする必要ありません。

ギギ・アンダルシアがめちゃくちゃイイ女なので、8も全然満足できちゃう。

 

ガンダムは1stからファムファタル(運命の女)の技法が使われていて、『逆襲のシャア』でも今作の主人公であるハサウェイを惑わすクェス・パラヤの存在がいました。

今回のギギも出だしからフルスロットルでファムファタルを演じきります。もうそこがツボる。

ギギのファムファタルっぷりは、観ていて本当に気持ちの良いというか、もはや観客を虜にしちゃうやつ。

「ハサウェイもあのときギギを放っておいて逃げていればよかったのにサァ」彡(^)(^)

なんて思う方がいらっしゃると思いますが、彼女の魅力の前ではそんなこと無理だってことがわかるはずです。

 

 

 

 

入場得点はまさかの1stのフィルム。

 

舞台挨拶はみてたけどふーんという感じ。

私、古典的オタクなんで、2代目ハサウェイの小野賢章氏には初代ハサウェイの佐々木望氏についてやはり何か触れてほしかったなぁと思いました。

佐々木望氏は別役で出てましたけどまぁ、なんだ、あんまり触れないほうがいい話題か、これ。

ギギ役の上田麗奈氏はこれが最初のガンダムでもええんやで、って話してましたけど、うーん、どうだろう。

もちろんアニメ映画としてはすごいよく出来てて、ぜひ見てほしいところだけど、

最低でも逆シャアも見て、ハサウェイを見ることで、原作者が作品を通じて表現したかったことを感じ取れると思うんですよねぇ。

魂無き鑑賞が許容できるかどうかってところかもしれませんが。

 

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去年なんかはこんな感じで映画化することに僻んでいたんですけど、杞憂というか取り越し苦労というか、ちゃんと映画として面白くできてるので、全然僻むことなかった。

 

 

閃光のハサウェイの続編はいつ公開?

特に情報なしでした。EDで発表されるかと思っただけに残念だった。

早くても一年後、まぁいいとこ来年の秋ぐらいですかねぇ。

 

映画『2gether THE MOVIE』感想 さすがは完全版……!

『2gether THE MOVIE』観てきました!

珍しく?!ネタバレなしでの感想です。

 

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(↑入場特典のポストカード オモテ面は貰ってからのお楽しみということで)

 

以前ブログにも感想を書きましたが、『2gether』は夫婦一緒に完走したドラマなので、劇場版も二人で鑑賞。

 

 

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BLなのでお客さんはほとんど女性なのかと思いきや、結構男性ファンが多い!

コロナ禍ということもあり実際のファン層を目の当たりにするのは初めてでしたが、男女問わず受け入れられている作品なんだな、と実感できました。

主演のブライトとウィン、それぞれが展開しているブランドのTシャツを着ている人もいて、以前のように上映前にわいわい賑やかにはできないものの、観客みんなの楽しみな気持ちが伝わってくる空間でした。

 

公式HPで『完全版』と謳われているとおり、ドラマを観ていた人も、映画で初めて『2gether』の世界に触れる人も、みんなが楽しめる内容になっていました。

約二時間でストーリーをまとめ、そのうえ撮り下ろしの新規シーンまであるわけですから、かなりぎゅぎゅっと濃縮されています。

が、タインとサラワットの心情ボイスオーバーが追加されたことで、観客を置いてけぼりにすることなく、二人の心情に寄り添いながら楽しむことができました。

 

個人的には、グリーンのきゃぴきゃぴした感じが大好きなので(もちろんタイン&サワラットも大好きです)、スクリーンの大画面で鑑賞できたのがとっても嬉しかったです。

予告編でグリーンが出てきたときから期待大だったのですが、やっぱり彼は期待を裏切らない!

グリーンに限った話ではありませんが、大きなスクリーンだと表情や仕草もはっきり見えますし、ドラマで観たシーンもまた違って感じられますね。

 

約二時間があっという間に感じるくらい濃厚な『2gether THE MOVIE』。

何回でも観たくなる面白さはドラマのときから変わりませんが、『完全版』である映画ならではの構成は、初見の人をドラマの沼に引きずり込みそうな予感です。

 

いつかワイワイしながら鑑賞できる状況になったら、世界中の『2gether』ファンと共に一斉応援上映なんてできたら素敵ですね。

 

Review : We've watched "2gether THE MOVIE" share our impression!

On 4th June, "2gether the movie" was released in Japan.

Under the influence of covid-19, released in Japan earlier than Thailand.

We have watched the movie in Shinjuku, Japan.

 

In a word, it was GREAT.

 


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Bright posted on instagram same view.

GODZILLA might envy them.

 

before main story starts, we got a notice about movie.

it says..

You can share your impressions about movie on SNS, but Don't spoil where new scenes are and story end. please consider fans all over the world haven't watched movie yet.

 

So I don't write spoils on this artcle,  I hope you can watch this movie on cinema as sonn as possble....!

 

*we Japanese fans can't post our detail impressions of the movie, we only say 泣いた(naita "cried"), but this is NOT meaning "this story made us sadness" , it just "I'm moved" .

 

 

 

As you all know, this movie is compilation story about Tine,Sarawat and thier friends.

the movie starts from Tine and Sarawat's room,  it's the spical day for Tine and Sarawat.

they look back on their days... of course,from fateful encounter Green :3

 

On drama, actors sometimes show us advertised goods,( Oishi Juice, coke, some cosmetics ,noodles and so on ) but they don't  apper on this movie..

To be honest,it was the one thing I was little disappointed.(cuz in Japan,advertised goods apper on drama is almost nothing. I liked it lol)

 

hmm, It is hard to write reveiw without spoilers. I can't write anymore.

 

anyways, if you surport Tine and Sarawat, you MUST watch this movie.

you must be give the biggest happiness from them!

 

 

 

映画『イエスタデイ』感想 ビートルズになろう映画

アマプラで視聴しました。ずっと気になっていた映画だったんですが、GWの力を借りてみました。

面白かったですね。ビートルズのことを詳しく知らなくても、出てくる曲の半分以上は聴いたことある曲でしょうから、特に問題はございません。

 

 

イエスタデイ (吹替版)

イエスタデイ (吹替版)

  • 発売日: 2020/04/09
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

ビートルズの音楽がもしもこの世にいなかったらどんな音楽シーンになっていただろうか、というIFを取り上げたこの映画。

 

かわぐちかいじが2010年に描いた『僕はビートルズ』とアイデアは全く一緒なんですが、どの仮想戦記もミッドウェー海戦に自衛隊の護衛艦をタイムスリップさせるのがお約束なように、ビートルズがいなければ、というのも世界的なアイデアなのかもしれません。

 

※『僕はビートルズ』って最後どうなったんだかな。 

 

主人公の歌う歌が盗作ってばれちゃったらどうするんだ、と劇中の主人公以上に見ている私たちもハラハラしっぱなしの2時間体験です。

ビートルズ楽曲の力を借りてガンガン成長していって、それこそやってることは

「ビートルズのいない世界でイエスタデイを歌ったら世界一の歌手になった件」みたいな異世界転生よろしくなタイトルがつけられちゃいそう笑

 

楽曲の持つ力に溺れずに、主人公は終始びくびくしながら話が進んでいきます。

だからこそ、気持ちよく観られます。(最後にはよいように事実が発覚しちゃうだろうな、という疑似結末を想像できる)

どこで調子乗ったしっぺ返しを食らうか、というハラハラはしなくていいだけ、安心して鑑賞できるといってもよいかもしれません。

 

 

 

この作品が面白いのは、世界から消えてしまったのがビートルズだけではなく、元いた世界(私たちが住む世界)でナンバーワンだった作品や商品が全て消えていること。

例えばコカ・コーラがなくてペプシしかなかったり、ハリーポッターがなかったり。

これはスパイス程度の扱いで、本筋にはあまり関わってこないので、一見スパイス程度の扱いに見えるものの、この作品のテーマが「ナンバーワンが誰にとってもよいとは限らない」なので、重要な仕掛けでした。

 

他にも、ビートルズの60年代の価値観をそのまま現代に持ってきて「いや~、それはないでしょ」と言われるシーンも見物。

 

 

 

 

映画『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』感想 王道のVSに涙

キラメイVSリュウソウ 観てきました。

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スーパー戦隊MOVIEレンジャーを観たときに

「やっぱりVSが観たいよなぁ」と思っていたので、ほんとよかったよかった。

 

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以下、ネタバレありの感想。

 

 

 

 

HPを観たら、VSってもう27作品目なんですね。

オーレンVSカクレンから数えてなのか、ゴレンVSジャッカーあたりから含めるのかはわかりませんが、いずれにせよ長大シリーズであることには間違いありません。

VSシリーズを何作品か見たことある人ならわかると思いますが、今回の「キラメイVSリュウソウ」もVSのフォーマットにのっとって話が進んでいきます。

 

 

リュウソウの5人が先輩として登場するわけですが、やっぱり演技も上手になっていたし、何より大人になったな~ としみじみしました。笑

コウの爽やかさだって放映時よりも肝の座った感じです。

 

 

一番印象的だったのはバンバと時雨の殺陣かな?

時雨のしなやかさとバンバの剛健さがよくマッチしています。バンバ、相変わらずいい男ですよねぇ。

 

騎士竜たちとの再会までのプロセスもちゃんと作られていてよかったですね。

変な話、充瑠が「ひらめキーング!」で復活するんじゃない? と予想していたんですが、ちゃんんとこの映画のストーリーならではの復活の仕方はよかったです。

 

 

キラメイジンとキシリュウオーファイブナイツの協力バトルもすんごい迫力がありました。

リュウソウのときにもウルトマランZの監督さんがメガホンを握って、ロボ戦が激熱だったことがありましたが、あれに並ぶようなアツい戦いでした。

 

 

それと見逃せないのがヨドンナ様。

冒頭のパンツスーツ&赤眼鏡はもちろんエンディングでダンスを笑顔で踊るヨドンナ様にはもはや完敗です。あんなにかわいいのは反則です…笑

「女王の教室」じゃありませんが、最後にヨドンナ様もキラメイジャーと一緒に踊ってもよかったんじゃないかな~なんて。

 

Twitterでもちょっと言ったんですが、今回はGWということもありちびっこのみんなもたくさん見に来ていました。

ちびっこが映画が終わった途端、「あぁ…」と終わってしまったことにため息を漏らしていたのがなんか感動。

映画70分もあって、普段テレビで見ている30分コースの2倍以上もあるわけです。普通なら気が散ってしまってもおかしくない時間でしょう。

そんなちびっこたちを70分もの間、スクリーンに引き込ませて、ため息までつかせちゃうなんてすごくないですか?

 

 

戦隊も45周年目、今年も目が離せませんね!

 

 

映画『劇場版名探偵コナン 緋色の弾丸』感想 被弾してきました!

4/16に公開された劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』観てきました。

 


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本来であれば昨年公開だったのですが、コロナの影響で一年延期され、ようやく公開!

 

 

一年空いたことで、新作映画は二年ぶりの公開となります。TVアニメの特別総集編である『緋色の不在証明』が期間限定公開されたりと、この一年間、じわじわと期待を高めながら待ち続けました。

怪我の功名というか、一年遅れたことで世界同時公開となったのは嬉しいお知らせでしたね!コロナ禍でのどんよりとした雰囲気はまだ消えませんが、世界中のコナンファンが一緒に楽しめるのは素直に嬉しいです。

と、いうことで、以下ネタバレ感想です。

 

 

 

 

 


今回の爆破

大体、映画の冒頭で詳しく説明されたところが爆破なり倒壊なりするので、今回はリニア駅・芝浜一帯が狙われるのね……と。

心の準備を最初にさせてくれるので、そこからは「さて、いつ爆破するのかな?」という余裕を持ってお話を楽しめます。

さて今回。

リニアが脱線し、WSGの開会式は中止、会場も壊滅。

とんでもないことになりつつ、人的被害は最小限なのでコナン映画は安心して観られますね。

『沈黙の15分』では開業したての副都心線が爆破の洗礼を受けましたが、今回は規模が違いすぎました。

地下鉄とリニアじゃ走るスピードが違うので、そりゃあ吹っ飛ぶよね、という感じですが。

 

名古屋要素

名古屋弁バージョンの予告が公開されたことをはじめ、今回は名古屋が舞台になっているのですが、もうちょっと名古屋要素があってもよかったんじゃないかな?と思いました。

前回の映画、『紺青の拳』がシンガポールを舞台にして、シンガポールの観光にも貢献した、という話がありましたから、名古屋の観光協会さんももっと本腰を入れてコラボしてもよかったんじゃないかなと思いました。

海外人気も高いコナンがコロナ明けの旅行客をキャッチしてくれそうだったのに、もったいない。

 

世良VS沖矢さんの後、メアリー母さんを乗せた車が東名高速を東へ走るシーンで三ケ日JCTが映ってましたのが印象的。

トンネル抜けて「静岡だ~!」の解放感で最初に出あうジャンクションだからよく覚えていました笑

(シン・エヴァもそうですけど、最近静岡西部ってひそかな人気なのでしょうか?)


シリアスとラブコメの緩急 

今回のラブコメ担当は羽田秀吉と由美さんでした。

修学旅行編で付き合うことになったのが影響しているのか、新一と蘭の恋愛シーンはかなり少なく、蘭の立ち位置としては『コナンを心配する』ところに集中させられたのかなと。

赤井一家がメインキャラクターということでシリアス味の強いストーリーでしたので、ラブコメ担当が秀吉と由美さんの二人に絞られていたのは、観る側としてはシリアスとラブコメの緩急がついてちょうど良かったかなと思います。

秀吉さんも一番良いシーンで見せ場がありましたし、イチャついてるだけじゃなく、赤井一家らしい切れ者ぶりも堪能できました。

 

 

 

赤井さんカッコいい

表立って活動するときは沖矢さんなわけですが、そこから赤井さんに切り替わる瞬間がまぁカッコいい!!

コナンくんと話すときと、キャメルさんへ指示出しするときの対応の差も結構好きです(笑)

どちらも信頼しているからこその、ではありますが、キャメルさんの後輩感もいいですね。

今回の一番の見どころは赤井さんだと思うのですが、個人的には兄弟で協力して犯人を追い詰めていく、ラストまでのシーンがとても良かったなと。

人間味のある赤井さんを堪能できます。

エンディングでは実写での走行シーンがあり、赤井さん本人は出てきませんがかなりカッコいい映像でした。

 

その他

浜辺美波の演技はよかったなと思います。ヒルナンデスに出たり、番宣お疲れさまでした。

白鳩さんが平野綾だとは気づかなかった。世代なのに…


次回の映画

警視庁と舞う桜、ということは警察学校編……?!

例年の如く一瞬なので詳細はわかりませんが、ビジュアルから察するに警察学校編もしくはそれと繋がるストーリーではないかと思われます。

無事、来年の今頃に公開されてますように……!と祈りつつ、来るべき続報を待ちます!!

 

「諸君らの愛したエヴァは死んだ!」映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』感想

今年9本目の映画、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の感想です。

以降、ネタバレありなのでまだ見てない方注意。

 

一言感想としては、「あ、エヴァってもう死んでいたんだな」ってところでしょうか。それについては後程。

 

 

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本編の感想

まずは冒頭のパリでの上空戦。

マリがよくわかんないエヴァに乗って、襲い掛かるネルフの何かから戦艦を守るシーン。

圧倒的な物量を淡々とエヴァンゲリオン的なシークエンスで捌いていくのは圧巻。

シン・ゴジラでもありましたが、

「結局は現場で一つ一つやっていくしかねンだわ」っていう感じのやつね。

 

第3村の登場にはちょっと驚きました。

ニア・サードインパクト後の世界がちゃんと語られていて、Qで全人類がおいてけぼり食らったのがちゃんと解消されてた。

トウジやヒカリ、ケンスケもちゃんと登場してて、みんな大人になっていてトウジも言っていたように「おてんとうさまに顔向けできないような」こともやって、14年という歳月を乗り越えてきて。

 

だからこそ、そっくりさんの喪失によってシンジ君も大人になれたシーンはよかったですね。

 

ヤマト作戦は割愛。

 

エヴァンゲリオン/碇ゲンドウの物語の終焉。

誰もが待ち望み、描いていた父子の葛藤の解消がちゃんと今回の最終回で消化されたのは正直意外でした。

なんかなあなあで終わると思ってので、最終回なんだなと実感した瞬間でもあります。

ネタバレを回避しながらも感想を書いていた人をTwitterで何人も見かけていて、みんながみんな「ちゃんと完結してよかった」って言ってたのはこれか~と。

 

シンジ君がそっくりさんの喪失を鍵にして、アスカやカヲル君を救えたように、ゲンドウもユイの喪失を鍵にしてシンジ君をもっと前に救えたはずだったのではないかな。

 

逆に予測できたのは、ラストですからエヴァの今までの名場面をなんとか持ち込んでくるだろうなってとこですね。

あのエヴァンゲリオンとしての第三新都心東京に、シンジ君の生活の一部であったミサトさんの部屋や学校の教室、そしてレイの部屋と闘いの場所を移していくのは見事でしたね。

「残テ」もかかるかなと思ったけど、こっちは逆に外れた。

 

 

 

 

エヴァってもう死んでたんだなと気づいた

はい。

今回、『序』の公開から13年と半年、前編の『Q』からは9年経っていて、完結をみんなが今か今かと待っていて、それでもなかなか公開されない中で、

もう気がついたら『エヴァ』って死んでいたんだな、って見終わって思ったんですよね。

死んだっていうとなんか物騒な物言いでもありますが、『エヴァ』は燃料切れを起こしていて、本来の目的地ではないところで着地してしまったんじゃないないかなってところでしょうか。

少なくとも、時間の経過によって生まれた時の形を保てずに、最初のエヴァからは姿を変えてしまったなぁ、と。

 

私が思う、着地点は何なのかというと、「ポストエヴァ」作品という時代の区切りにまでに界隈の人を引き寄せてた、エヴァンゲリオンが持つ、あのオタク的、SF的な小難しさを追求した作品であって、

実際に着地したポイントというのは、そういうのを消し去った単純な消費のされ方とでもいいましょうか。

「ガンダム」がその先達だと思っていて、今も年がら年中「シャア専用○○」とかいっていろんなものが赤く塗られたり、3倍なんとかだとかいってコーヒー缶のオマケになったりしています。
多分、ガンダム放送時の、あのころのオタクが感じた(と思われる)「ガンダムは今までのアニメとは違う、すげえロボットアニメなんだ!」という湧き出るような感動も、時が経つにつれて、その物語的な特異性・優位性は損なわれて、キャラクター商品として消費されていく姿に涙をのんだオタクもいたはず。

 

エヴァも同様に聖書やドイツ語なんかでオタク心を擽り、「考察」させてきた頃の勢いは、我々が待っている間に気がつくとなくなっており、アパレルブランドとのコラボや、遊園地の室内アトラクションの一つになったりして、

そのコラボの物量の前に、多くの物語の謎や、碇シンジや碇ゲンドウを通して見ていた心の内側の葛藤も
「いや~、とりあえずきれいな形で終わってさ、よかったよな!!」という風になった人、私以外にもいるんじゃないかな。

(唯一ガンダムとは違うのは、『シン・エヴァ』でエヴァMkなんとかだとか、何号機みたいなのをめちゃくちゃに出して一瞬で葬ったところか。)

 

ただし、エヴァンゲリオンがロボットアニメとして背負っていた役割は、シンカリオンのエヴァ回と劇場版で見事に回収されているので、まだ見てない人は絶対に見たほうがいい。

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

ここまで「エヴァは死んだ!w」とか言ってる私ですけど、私が見たかったエヴァンゲリオンってのも、結局はシンカリオンに客演したようなパイロット・碇シンジだったりするので、自己矛盾っていうか、自己批判でもあるのだけれど。

 

 

 

最後まで見るとQでわけのわからなかったところがちゃんとつじつまが合うようになっていて、ちゃんとしたスケジュールでシン・エヴァが公開されていれば、Qはもう少し感じで語られていたんじゃないでしょうか。

ミサトさんの「シンジ君、オメーは何もするんじゃねえ」とか、Qの時点では???しかなかったはず。

 

 

 


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さらば、全てのエヴァンゲリオン。

どうでしょう、皆さんのエヴァは終わりましたか?

 

映画『桃太郎 海の神兵』感想 日本初のアニメ映画に何を思うか

今年8本目の映画です。

まさかのdアニメストアに入ってたんで思わず観てしまいました。

 

anime.dmkt-sp.jp

 

ネタバレもクソもないので、つらつらと感想を書いていきます。

 

 

作画がすごい

全編通してキャラクターがとにかくよく動きます。

どのぐらい動くのかっていうと、古めのディズニー映画の感じ。この映画だって当然ディズニー映画の影響を受けているでしょうからあのうにょうにょ~ってした動き方が似るのは当然か。

よくあの時期にこのクオリティを出せたなって素直に感心します。すごいよ。

 

 

海軍省が後援なだけあって、冒頭、休暇で地元に帰る兵隊さんたちのセーラー服のカラーのはためき方がハンパない。

そんな気合い入れる必要あるか? ってぐらい動きます。(たぶん陸軍はセーラー服着ないからだろうね)

それと。日章旗は全編を通してよくはためきます。(wikiみたら制作側も意図的に気合を入れていたようです)

 

ちょっとかわいいのが、作画ミスがあって、熊くんの親御さんがお茶を入れるときに急須から流れ落ちるお茶の後ろに湯呑が来てしまっているので、お茶がドバーっとお盆にこぼれてちゃってるところ。

あと、ゆっくり動くものについては作画気合い入ってますが、飛行機が離陸するシーンはうにょうにょ伸び縮みしてた。

 

 

軍記モノとして

九六式陸攻を改造した輸送機が出てきますが、旋回機銃としてルイス機関銃が出てきたりとか細かい。

それとゼロ戦も出てくると思う。でも護衛機なだけなので、別に巴戦やったりしない。

後はお決まりの南部十四年式拳銃? 

輸送機の中で、降下が近づくにつれて、クマくんが腕まくりをする→やっぱり直す→やっぱり腕まくりをする を繰り返してて

「あ~、緊張してるんだな」ってことが伝わってきます。戦後75年が経った私も緊張するときにやりますから、時代も状況も変わってもこれは不変なんだなと感心。

 

 

プロパガンダ映画としてのこの映画

そう、この映画はプロパガンダ映画なんだよ! ゴリゴリの!

伝えたい陽のイメージ

故郷に帰るイヌ・サル・キジ・クマのメンバー。

イヌ・クマは息子として、サルは村のみんなに慕われるお兄ちゃんとして、キジは父親として…それぞれ理想の兵隊さんをやっています。

特におっちょこちょいな弟を助けるサルくんなんかはこのアニメが狙う層の心を鷲掴みしたことでしょう。 

 

南方に進出して、現地の動物、ゾウとかオラウータンなんかと日本の動物が一緒に飛行場を作るシーンなんかは「これぞ僕らが望んだ大東亜共栄圏だ」って感じっすね。

 

ペリカンさんが手紙を前線に運んできて、みんなで「うぉおおー!」って駆け寄るシーン、キジさんが送られてきた子どもの写真を見やるシーンなんかはぐっとくるものがある。

 

後は皆さんも教科書で一度は見たことがあるかと思いますが、兵隊さんがアイウエオを教えるシーンなんかは、プロパガンダにアニメ映画が持っている愉快さが絶妙にミックスしています。

後述しますが、このシーンに時間を割くことによって、この映画にだって本当に伝えたかったことがあるんだ ということを知らせてくれます。

 

陰のイメージ

鬼が島を偵察しに行った兵隊さん3名のうち、無事に帰還できたのは2名で、「死」は常に隣り合わせにあるんだってことを意識させられちゃうんですよね。

割とこのシーンまでは楽しげな場面が続くので、突然の暴力による結果が出てくるのは「小国民よ、そういうことやぞ」って思わせるイヤな仕掛け。

 

桃太郎率いる空挺部隊にボコられて降伏する英語を話す鬼、これもいかにも外国人ですって様相です。喋り方とかも「英米何するものぞ!」って当時息巻いてた世代の溜飲が下がる音がめちゃくちゃしてきます。

ポパイも降伏してたのが面白かった笑

後は、ラストシーンでクマくんの弟とその友達たちが木の上からアメリカ大陸の形をした路上の絵の上に大ジャンプ。

これ、はだしのゲンと同じだ笑

 

オチが弱い

そう、オチが弱いんです。

終盤、桃太郎がなよなよ英語を話す鬼に「ガチのマジでいますぐ降伏しろ!」→「ひえー降伏します」で桃太郎シーン終わり。

ラストは前述のアメリカ大陸の上にジャンプ! 富士山写って終わり!

 

なんかあっけなく終わっちゃう。だからちょっと味気ないかも笑

プロパガンダ映画であるならば、もっと英語をしゃべる鬼から島を解放したぞ! やったー! 支配されていた島民も喜んでる!っていうシーンがあってもよかったのではないかと。

 

でもその偽りのシーンを入れずに、アイウエオの歌を楽しく歌うミュージカルシーンだったり、子どもを想う父親の姿を描くことで、海軍省が求めた尺の長さをクリアしたとするのであれば、再作者側の魂がこもった作品なんだと思える。

 

 

この作品の後に生まれたアニメ作品が日本中、世界中の人を楽しませ、animeを世界の共通語にまで押し上げたからこそ、この歪な目的をもって作られてしまった『桃太郎 海の神兵』を私たちは反面教師としていかなければならないのかな、と思うわけです。

 

やっぱり平和な世の中でアニメを楽しむのがいちばんだね。

 

 

 

 

『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』感想 ケッボーンなキラメキを

今年7本目の映画です。公開初日、お昼の回に観てきました。

映画はキラメイ→リュウソウ→ゼンカイの順番でした。

 

さすがに一応非常事態宣言で都内ってことで、あんまりちびっこの姿は見えませんでした。

 

以下ネタバレありの感想です。

 


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キラメイジャー:ビー・バップ・ドリーム

夢を共有できるドリームストーンを悪用したミンジョが大暴れするお話。

こうやって感想を書いてる途中で思い出しましたが、いつもライダーと同時上映してる夏映画のフォーマットなので、映画としてはそれ以上でもそれ以下でもないという感じ。

縁日の神社で戦って、時雨くんが万力ではなく、かき氷機に挟まれちゃうところとか、小夜さんが金魚すくいされちゃうとか、「あ~、夏に上映するつもりだったんだろうなぁ…」という痕跡が見える。

 

夏映画に多くを求めてはいけないのが暗黙の了解であるように、

今回のお話には、最近特に私ら大きなお友達を唸らせるような「キラメキ」的面白さはあんまりなかったかな・・・笑

 

 

 

リュウソウジャー:メモリー・オブ・ソウルメイツ

リュウソウパートは時間が一番短かった気がするんですが、完全に大きなお友達&大人向けの話でした。

冒頭のういちゃん、金城茉奈さんへの追悼のメッセージにぐっとくる。

人型マイナソーのお姉ちゃんのアクションがすごかった。

 

これももっと前に公開されてたってことで、本当はもっと長尺だったんではないでしょうか?

そういった意味でもコロナの関係で一番割食ったのはリュウソウではないかなぁと思ったり。

 

pisuke9190.hatenablog.com

 

正直言って、32話→33話で何があったかもはやほとんど覚えてないんですよねぇ。

 

 

 

 

 

ゼンカイジャー:赤い戦い! オール戦隊大集会!!

ゴレンジャーからレジェンド戦士が出ただけでも満点(激甘評価)

ゼンカイのレジェンドの力の借り方は、なりきり変身のゴーカイ・ディケイドのようなものではなくて、ジオウのようなアーマーっぽいっすね。

主人公、ゼンカイザー以外の4人がバトルごとに番号付きのメダル・センタイギアで力を得て、って…ってところかな?

 

ゴーカイから戦隊復帰した私としては、バスコの再登場に燃えた。

相変わらずバスコって悪役of悪役でほんと好きです。ゴーカイの盛り上げ役として100点満点の働きっぷりだったな、と今でも思います。

ザミーゴやバングレイも復活してフオオオってなりました。バングレイすげえ強かったよね。

(せっかくキラメイ・リュウソウと同時上映になったんだから、充瑠くんとコウの声ぐらい出してもらってもよかったのでは…と思っちゃったり)

 

総評

事情があるのは仕方ないんですけど、やっぱりキラメイVSリュウソウが見たかったってのは、感想として残しておきたいと思います。

キラメイもリュウソウも冬映画としてはちょっとパンチが足りない内容だったなぁと直近でジュウオウVSニンニンを見たから余計思ってしまったかも。

 

悪夢の世界に閉じ込められたキラメイ・リュウソウ… そこいたのはナダ?!

→最後には(幻の)ナダとも共闘して、終了

みたいな、話の内容としては使い古されたものかもしれないけれど、

「こういうのがみんな見たいんだよな?」を見せてほしかったなぁと。

 

 

冒頭にも書きましたが、ちびっこのリアルな反応があってこその特撮映画だよな、と個人的に思っているので、

ちびっこたちの悲鳴とか声援とか、OP・EDを合唱するのが聞けなかったのは残念。

早くコロナ終息するといいんだけどね…